全話徹底解説

ガルビオン全22話のストーリー解説です。

第1話 謎の大組織シャドウ

脚本:伊東恒久 絵コンテ・演出:鴫野彰 作画監督:二宮常雄
新番組予告

次回からはスピードとスリル満点のカーロボットアクションの新番組「超攻速ガルビオン」がぶっちぎりスタート。かっこいいスーパーカーでムウとマヤが大活躍!スターみたいな美人のお姉さんにナウいピチピチ女の子が3人も飛び出し大暴れ!もちろんお色気もウッフッフだよ〜!
第1話は「謎の大組織シャドウ」で君を直撃だ!見てね!!

番宣スポット

時速300キロのスーパーカーが唸る。敵だ!チェンジガルビオン!!ムウとマヤのコンビが大活躍!
新番組「超攻速ガルビオン」はぶっちぎり放映中!!
 西暦2099年。優れた科学力を持つ異星人とコンタクトを果たした事に寄り地球の科学力は急速に進歩を遂げたが、それが原因で人類同士の第三次世界大戦が発生。これにより異星人は人類に危機感を覚えてシグマバリアーを展開。宇宙どころか空への旅立ちを禁じられた地球の環境は異星人との接触前へと戻って行った。

 それから200年後。難病に苦しむ少女マリアの血清を運ぶ輸血リレーにスーパーカー・サーカスTが走り出した。サーカスTを駆るムウとマヤはそれぞれ懲役280年の重刑を受けた若者だが謎の美女レイ緑山によって解放され、真の自由を得るための初仕事がこの血清運びだった。だがサーカスTがとある抗争に巻き込まれ、犠牲者ゲイルからTVディレクター・スミスに送ってほしいマイクロテープを受け取る事になる。血清を届ける事を優先する2人は次々とアクシデントが襲いかかり度重なる中何とか結成を届ける事が出来た。

 大型トレーラー・サーカスUにてサーカスTが整備を受けている頃、ムウ達はマイクロテープの中身を目にする。その内容は人類支配を企む大組織シャドウの総会について。再びハイウェイに飛び出したサーカスTはマイクロテープをスミスに送り込むがその直後にスミスは殺害されてしまう。そして関係者としてシャドウの刺客に襲われるサーカスTはガルビオンへ変形して刺客を追い払う謎の組織シャドウは何者かだろうか……。

 そしてこのサーカスメンバーとしての戦いや任務の中でムウとマヤは1000ポイントを稼がなければ真の自由を得ることが出来ない。ちなみに今回の二人の活躍で得られたポイントは器物損害などもろもろで……差し引きゼロ。

・さて、第1話ですがムウ&マヤのコンビが真の自由を目指して任務をこなす点とシャドウの暗躍に巻き込まれる点。このどちらかを重点に置くかで迷っている様子と感じられました。今回話のキーワードになると思われるマリアへの輸血リレーとシャドウの暗躍が乖離してしまった事からいつの間にか話の重点が輸血リレーからシャドウの暗躍へスライドしてしまった所があり、ラストのポイント査定も「そういえば輸血リレーをやってたなぁ」と思いだしてしまいました。ムウ&マヤとシャドウ。このテーマの乖離については最後まで悩まされていた所が少なからず……。
第2話 謎の大組織シャドウ

 脚本:荒木芳久 絵コンテ・演出:栗山美秀 作画監督:菊池城二
次回予告

ムウ「サーカスの仕事で車でぶっ飛んでいのはいいけど命がけじゃたまらないね」
マヤ「文句言うなって。俺達は保釈中。ポイント稼いで早く自由になんなきゃ」
ムウ「なんかいい仕事ないかな?」
マヤ「あるんだよねぇ、大グランプリレース。こいつで優勝すりゃポイントはばっちし」
ムウ「その代わりシャドウが何か企んでるんだろう?」
マヤ「そう!レイ・緑山のパパがすんごい陰謀で消され……」
ムウ「おっとそこまで。後は次回、「グランプリ大爆殺」見てくれよ!」
  1000万円がもらえる上に20ポイントも得る事が出来るグランプリに出場する事になったムウとマヤ。だがシャドウの幹部の一人で穀物関係の覇者デイブ・ドラゴンはライバルでもあるレイの父ロブ・緑山を暗殺せんとする動きがあり、グランプリ中の事故で彼を仕留める事を企んでいた

 そしてグランプリ当日。ムウとマヤのマシンはそれぞれ順調に飛ばし続けているが、シャドウから送り込まれ刺客ザクロンからレース順位の調整を狙っての自滅にムウが巻き込まれてしまう。それだけではなく次々と2人のマシンにシャドウ側のマシンが襲いかかるように飛び出していくが、それはあくまでもカモフラージュに過ぎず勢い余ってコースから飛び出したマシンの攻撃が緑山財閥ビルの社長室に直撃して炎上――ロブがやられた。ムウは首謀者のザクロンが駆る可変ロボットにガルビオンで引導を渡すが、既にシャドウの企みは成功してしまった。そしてシャドウでは新たに幹部として迎え入れられた若き自動車王ヘンリー・マクラミンが総会に現れようとしていた。

・第2話でもこのムウとマヤ、そしてシャドウのどちらに焦点を当てるかふらついたなストーリーが続くような。ムウとマヤが保釈される過程の一つのグランプリ優勝が結局のところシャドウが謀略を展開する場としてしか描かれず、その謀略に対してムウとマヤが何も打つ手がない無力感。首謀者を倒しても依頼としてはシャドウが勝ってしまっている現実にモヤモヤが湧いてしまいます。
第3話 (スーパー)エンジン大奪還

脚本:菅良幸 絵コンテ:香川豊 演出:内田裕司 作画監督:二宮常雄
次回予告

ムウ「たったらたん♪たったらた〜♪」
マヤ「おいマヤ、ボスのお父さんのお葬式がすんだばかしなのに失礼だぞ。それとも謎の組織シャドウにビビッて頭に春が来たのか?」
ムウ「とんでもない。それよりも夢のエンジンっていわれたすんげぇスーパーエンジンが発明されたんだ」
マヤ「もしかして、そいつをシャドウが狙う」
ムウ「うんするどい。が、そこはあっと驚く一工夫。例のきざ野郎ヘンリー・マクミランがらみ」
マヤ「あんちくしょう!」
ムウ「抑えて」
マヤ「とにかく次回、「(スーパー)エンジン大奪還」見てね」
 ロブの葬式を終えたサーカス。ムウとマヤにはプロフェッサー・モーゼルの護衛を命じられる。何故ならシャドウはモーゼルが所属する企業が開発したスーパーターボエンジンがライバル企業の手に落ちる事を阻止する為に資料の抹消とモーゼルの始末を命じたからだ。

 そして早速レミーがスーパーターボエンジンに興味を抱いた事もあり、モーゼルはムウ達とと意気投合するが1人息子のテッドは父を好いていない様子だった。そのさなかスーパーターボエンジンのメインディスクが何者かに奪われてしまった。テッドがそそくさに飛び出した様子からムウとマヤは彼を追えば、実際にテッドはメインディスクを盗み、ヘンリーの部下マルゴXへ渡そうとしていた。
 だがテッドは報酬を望んではいないようで、ただ父の命が助かる事を望んでいたがマルゴXにその約束を反故されようとしてメインディスクを奪還する。サーカスTの助けもあり難を逃れたテッドの元にモーゼルは親不孝者と罵るが、彼は父がスーパーターボエンジンの発明に没頭して母が死別した事から機械を恨んでいた本心を打ち明ける。蟠りを解いたモーゼルは大切な物を守るために自宅へ引き返すが彼の自宅に向けて飛んだミサイルが研究所を直撃して瞬く間に廃墟と化してしまった――彼は命を落としてしまったのか。だが地下室からモーゼルは亡き妻の写真と共に無事現れた。機械を代償に親子の絆は修復された。

・ゲストキャラのモーゼルとテッドの親子愛はそこそこ描けていた印象。ロブの葬儀でレイとヘンリーが初対面を交わした所は後の複線化と。けれどもムウとマヤは相変わらず活躍は出来ていないような……。
第4話 大爆走ゲーム

脚本:藤家和正 絵コンテ・演出:根岸弘 作画監督:高橋朝雄
次回予告

マヤ「おいムウさんよ、俺たちゃシャドウとばっちし関わっちまったぜ」
ムウ「面白いじゃねぇか。危険が多けりゃそんだけポイントも稼げるってなもんだ」
マヤ「だったらこの次は、すんごいオートバイ軍団との命がけの大勝負」
ムウ「連中ときたら、俺達以上の命がけのゲームで挑戦しやがるんだからな」
マヤ「ムウが勝つか、それとも再起不能か。それは見てのお楽しみ」
ムウ「次回、超攻速ガルビオン「大爆走ゲーム」ぎゅんと迫ります」
 司法所へ資料を届ける途中のムウとマヤの後をつける謎の暴走族。リーダーのジョー・マクドナルドはサーカスTに何人もの部下が病院送りになったと2人に覚えのない話で逆恨みしており、制裁と称してムウにチキンレースでの勝負を申し出る。

 チキンレース対決、ムウはスタートダッシュで後れを取るが、終盤でショートカットコースを突っ走るる。だがメインコースへの復帰の際に事故を起こしてムウは倒れ、偶然はち合わせたジョーもブレーキを切ってマシンが激突。クラッシュしたマシンから漏れたオイルが引火して周囲が火の海と化す。この火災からムウはジョーを守り抜いた事で友情が芽生え仲間達から犯人はムウとマヤではないとの証言からジョーは疑いを遂に解いた。
 偽サーカスを駆っていた犯人はヘンリーの部下ジョニーだった。ガルビオンはジョー達の助けを借りながら、偽ガルビオンを撃墜して一見落着……かと思えば本来の任務だった資料が必要な会議の開催が30分早まってしまったとのレイからの連絡が届く。肝心のガルビオンはガス欠で動けない所で立ち往生かと思いきや、ジョー達が運び屋稼業に協力し資料は無事会場へと届いた。

・今回のムウとマヤの任務はおそらく最も平和な任務ではないかと感じたり。ただ相変わらずその任務の描写と、任務に割って入ってきたジョー・マクドナルドとの交流、そしてシャドウの偽ガルビオン作戦とどれもバラバラの場所で展開されてしまった印象。話の方向が散漫といったところでしょうか……。
 ただ、今回の作画は序盤ではクオリティが随分と高い方。ハイライト指定やガルビオンのジャンプキックカットが冴えわたっています。
第5話 死のニトロ大輸送

 脚本:菅良幸 絵コンテ・演出:山谷義彦 作画監督:菊池城二
次回予告

ムウ「いやぁ、オートバイってのはやっぱりかっこいいな」
マヤ「よく言うよ、肝を冷やしたくせに」
ムウ「シャドウなんかがちょっかい出すからだよ。今度見つけたらコテンパにしてやる」
マヤ「ところがどっこい。今度はお前がヤケ起こして酔っぱらってるうちによ、ネオニトロなんてすげぇ爆発物の運び屋にさせられちまうんだからな」
ムウ「俺だって金もほしけりゃポイントも稼ぎたいんだ。文句あるのか?」
マヤ「分かった。とにかく次回、超攻速ガルビオン「死のニトロ大輸送」見ろよな」
 シャドウのメンバーの一人でエネルギー業界を牛耳るキエフ・ガイゾロフは新型燃料開発時のミスで超強力な燃料ネオニトロを生み出してしまった。そのネオニトロは紛争中の国に売り込めば利益になると、カイザロフはヘンリーに相談を持ちかけた所、彼はネオニトロの運送ドライバーを探すと承諾した。

 ちょうどその頃。ムウは任務時に器物破損が多い事から5万クレジットの支払いか、100ポイントを払ってレイに立て替えさせられるかを迫られていた。器物破損は作戦には必要経費だと主張するムウだがレイからはサーカスTを慎重に扱わない貴方が悪いと一蹴される。腹を立てたムウが飛び出してしまい、深夜に金もないのに酔いつぶれる彼の元にブーマー兄弟が莫大なクレジットと共に仕事を持ちかける。だが、彼らはヘンリーの部下でその仕事はネオニトロの輸送だった事をムウが知る由もなかった。
 かくしてムウの大輸送が始まった訳だがネオニトロを狙う盗人達に襲われてしまう。その危機をマヤが駆るサーカスTに救われるが、説得するマヤに対してムウは意地でも届けるつもりと意地を張る。そんなアクシデントもあってムウは制限時間にネオニトロを届ける為、フーマー兄弟から命じられたサービスエリアへの耐熱処理を無視して突っ走ってしまう。ムウの危険な行為に対してブーマー兄弟は自分たちで運ぶと可変ロボットを駆ってムウを襲うアクシデントへ発展。さらなるアクシデントにマヤはガルビオンで出撃するがメインカメラを破壊されてまともに動く事が出来ない。けれどもムウは依頼より仲間を選び、トレーラーで体当たりを敢行してガルビオンを救出。その後サーカスへ帰参したムウはシャドウの陰謀を防いだ事で+200ポイントの査定も独断行動で仲間を危機に陥れた点から……プラマイゼロだったそうな。


・シャドウ側の企みをムウが受けた依頼として描く事で最初から最後までサーカスがこなす任務を描く事が出来た感じとも言えます。冒頭から金を求めて一度道を踏み外しかけるもやはり仲間を選んだムウのドラマもしっかりとしていまして、その一方で輸送が出来るかどうかジェネラル、カイザロフとの賭けのシーンで見られたヘンリーの大物さも描く事に成功しています。
 特にヘンリーの賭けは面白く、途中でさらに賭け金を増やすヘンリーの描写で「もしかしたらヘンリーの読みが当たるのか?」と思わせて賭けに敗れて、それでも「お二人のおかげで楽しい時間を過ごす事が出来ました」って平然と振る舞う所が最高。勝った側の二人も単純に喜ぶだけで留まらずヘンリーの才能を認める描写によってシャドウの面々がそこそこ凄く、その中でヘンリーがずば抜けて凄いと思わせる事も出来ています。
第6話 大暗殺・武器を捜せ

脚本:荒木芳久 絵コンテ:筱幸裕 演出:しぎのあきら 作画監督:二宮常雄
 次回予告

ムウ「今度ばかりは危なかったな。マヤ、借りができたぜ」
マヤ「それよりコンビを解消したいよ」
ムウ「あ〜俺はいつだっていいぜ」
マヤ「OK……と言いたいが、当分は無理みたいだぜ」
ムウ「あぁ、この次はいきなり俺達が姿なき暗殺者にばーん!」
マヤ「モーターボードでご機嫌の所、ぶっ飛ばされたと思ったら本命はマックス上院議員の暗殺。スリリングの連続だ」
ムウ「とにかく次回、超攻速ガルビオン「大暗殺・武器を捜せ」見てくれよな」
 シャドウは武器輸出禁止法案を議会に提出し、続いて武器の製造禁止法案を提出せんとするマックス議員の暗殺を目論んだ。シャドウの息がかかったドバスは三流映画監督ジョージ・ブラウンにビデオカメラへカモフラージュした銃での暗殺を持ちかける。良心に苛まれるジョージ・ブラウンだったものの出世の為に手を出してしまい演説中のマックスは意識不明の重傷を負った。だがシャドウは証拠隠滅を図り関係者を全て始末する事を選び、ジョージ・ブラウンもその標的に選ばれてしまった。

 レイはマックス議員暗殺計画に持ち込んだ武器の謎を追う事をムウとマヤ達に命じる。情報を集めるムウとマヤは検問が行われた場所で許可を得てなかったジョージ・ブラウン達のロケスタッフが現場付近でクレーン車を借りて撮影を行った証言を聞いて、ジョージ・ブラウンを容疑者と見なして足を運ぶ。
 関係者として暗殺される危機がせまり、ジョージ・ブラウンは恐怖のあまり自宅に引きこもる。事情聴衆に来たムウとマヤにもビデオカメラガンで襲いかかるが、2人に取り押さえられて事情を聴かれようとするが……ジョージ・ブラウンは映画監督になりたかったと答えた所トバスの刺客に殺害されてしまう。結局の所ムウとマヤは事件の謎を掴めなかった……。
 
・酷い出来。結局実行犯が死なれてしまい事件の解決が出来なかったって感じの話。ガルビオンの活躍もしていたかどうか分からないレベルでヘンリーも何かした訳でわかりません。ただ映画撮影用カメラにカモフラージュした銃ぐらいしか記憶に残る物がないです。
第7話 ブル警官大追跡

脚本:伊東恒久 絵コンテ・演出:長尾粛 作画監督:下田正美
 次回予告

ムウ「いやぁまいった、こんな暮らしいやだよ」
マヤ「ボヤくなって。この次の話はお前がどーんと主役で決めてみっから」
ムウ「またまた、その手には乗るか」
マヤ「おいムウよ、男っていうのは疑い深いと嫌われるの。いいか今度のお前の相手はかっこいいテンガロンハットが決まってんだぜ」 
ムウ「本当!?で、名前は?」
マヤ「ブルーテス、別名ブルドック警官」
ムウ「……またあいつか」
マヤ「とにかく次回、超攻速ガルビオンは「ブル警官大追跡」見てくれよな」
 ハイウェイパトロールのブルドッグ警官ことブルーテス。彼はハイウェイの規律を乱す相手には容赦はない彼は勿論任務のためとはいえ道路交通法違反上等のサーカスTも目の敵としている。

 その頃レイは特務警察官時代の先輩のアラミスが消息を絶った為彼の捜索をムウとマヤに命じたが、その途中で2人はブル警官に遭遇。やはり彼らを捕まえんと燃えるブル警官から逃れることに精いっぱいで、尾行中だったアラミスの車を見失ってしまう。だが、そのアラミスはシャドウへ潜入調査中にジョニーとマルゴXに捕まり、強力な酒を飲まされて眠らされてしまっていた。さらにジョニーがアラミスの車を運転して事故を引き起こし、彼はその直前に脱出。同乗させた泥酔中のアラミスによる飲酒運転を装った事故でアラミスを始末した。
 サーカスTとブル警官はこのアラミスの事故現場に遭遇し、ブル警官は事故現場から逃げた1台の車を追跡するがその車はジョニーの操るシャドウの可変ロボットだった為に危機を迎える。そこにサーカスTが介入して可変ロボットと対決。最初は苦戦を強いられるがブル警官の援護により勝利を収めた。今回の件でブル警官はしぶしぶ見逃す事を選び、彼とムウとの奇妙なライバル関係はここに誕生した。


・ブル警官ことブルーテス。名前からブルドックみたいに大柄だったりこわもてだったりするけど、意外と情に深い人物?と思いましたが、外見から何か狭量で小物っぽさが漂います。あまり愛情が湧きにくい外見……?ブライガーのマカローネ署長みたいに途中でフェードアウトしてしまわないか心配だったり(マカローネさんは良いキャラでしたが)
 それ以外の点ではジョニーのアラミスを飲酒運転による事故死に見せかけての始末は面白かったのですが、結局のところ、その描写の裏でまたムウとマヤが任務を達成できなかった訳で「かませ犬だねー」なんて感じに主人公コンビを思わせてしまう訳で辛かったり。
第8話 レイ緑山大暗殺指令

脚本:山崎晴哉 絵コンテ:筱幸裕 演出:しぎの義信 作画監督:西山英雄
 次回予告

ムウ「俺達ってお人よしだよな、全く」
マヤ「追っかけて来たお巡りを助けた事?」
ムウ「あぁ、なんとなく憎めなくってさ」
マヤ「そんな事より今度はボスが大変だぜ」
ムウ「レイ・緑山がどうかしたのか?」
マヤ「ほぉら、目の色が変わった。実はな彼女の暗殺計画が密かに進められているんだ」
ムウ「何だって?畜生、そんな事を考えるのはあのシャドウに決まっている」
マヤ「さてどうなるか。次回、超攻速ガルビオン「レイ緑山大暗殺指令」見てくれよな」
 ロブ亡き後の緑山財閥をデイブが乗っ取らんと企んでいる。レイに誘いかけても無理だった事から総会でデイブはレイの暗殺を提案するが、アラミスをついこの間始末したばかりなのに暗殺は疑惑のまなざしを強めてしまうと不安の声も上がった。その時、ヘンリーはレイが標的である事なら要は緑山財閥をシャドウ側に付ければ良いと考えて作戦の実行を志願。実はヘンリーは緑山財閥を支配下においてレイを自分のものにしたい欲望に駆られていたのである。そんな欲望を持つ彼にジョニーからJ.J.ブルドンという男が彼の元で働きたいとの情報が届いた。ブルドンは5年前一流レーサーと名をはせていた男だが、妨害テクも一流でそれが原因でレース界から追放となった身。だが、もしかすれば万時にはブルドンのテクニックは使えるとヘンリーは気付いて彼の願いをかなえる事にした

 レイはファイブスター社での社交パーティーに出かけており、そこヘンリーと結構良い関係になっていた事を送迎の運転手として控室で待っていたムウとマヤは知る筈もない。だが偶々退屈しのぎに外へ出た2人はレイとヘンリーのキスシーンに遭遇、実はヘンリーは超能力でレイを虜にしていた模様。ムウが水を刺した事でレイが正気を取り戻し、両者の接近した関係はひとまず収束を迎える。これによりブルドンはレイの始末に向かうがヘンリーは彼の行為に葛藤を抱く。結局ブルドンの可変ロボットはガルビオンの返り討ちとなったのでヘンリーの心配は杞憂に終わり、なおさらレイを奪わんとする野望を強めていく。

・ヘンリーが超能力を持っていた設定に関しては何か突飛な感じが否めず……ただでさえ強力な彼がなおさら強力になってしまったような感じでして。その気になれば展開できそうなムウとブルドンのレーサー同士のドラマも全然魅せる事が出来ず。
第9話 大噴出! 毒死鉱山

脚本:荒木芳久 絵コンテ:山谷義彦、永田辰也 演出:網野哲郎 作画監督:菊池城二
 次回予告

ムウ「あのキザ野郎のコンコンチキめ、今度会ったら見てろ」
マヤ「よせよ、大の男がジェラシーむき出しなんてさぁ」
ムウ「うるせぇ、ヘンリーってやつはだな」
マヤ「そのヘンリー・マクミランだが、今度は鉱山を持ってる大富豪の美人社長メアリー・J・ゴードンに接近してるぜ」
ムウ「そういえばその鉱山で、どえらいものを手に入れたらしいな」
マヤ「そう、恐るべき兵器……おっとくわしくは次回、超攻速ガルビオン「大噴出! 毒死鉱山」見てくれよな」
  ゴードン鉱山から発生する謎の有毒ガス。政府の調査団が調査した結果21世紀ごろに開発された高性能ガス爆弾が採掘中の事故で掘り起こされてしまったとゴードン鉱山の所有者メアリーは知る。そしてこの話を知ったヘンリーはガス爆弾を始めとする地球大埋没で埋もれてしまった大戦時の資料が存在すると調べ上げ、早速政府の調査団にスパイを招き調査団を負傷させて有毒ガス爆弾を始めとする資料を持ち去って行った。
 その調査団のリーダーはテリーの父ダットンだった。重傷を負ったダットンの敵討をしたいとテリーはムウ達と共に調査を開始し指名手配のトレーラーを発見。ガルビオンがトレーラーの先頭車両から変形した可変ロボットと応戦するがその可変ロボットは自爆。このあっけない幕切れに疑問を抱く2人だが彼らが追跡していたトレーラーは囮に過ぎなかったのだ。有毒ガス爆弾を格して手に入れたヘンリーだが実は彼の狙いは大戦時の兵器に関する資料であり遂にメタルバトラーの情報を掴む……。

・第6話に続いてムウとマヤが何もできなかったような印象の今回。テリーの仇打ちも出来ていないような。ただ、メタルバトラーの設計図を手に入れたことでヘンリーが野心を研ぎ澄ませる次の段階へ物語が突入したともいえます。今までは総会の場でルーキーとして仕事を受ける事で有力人物へと出世していくドラマを描いたヘンリーですが、今回から着実に第三勢力を形成していきその暗躍がまたガルビオンならではの魅力とも言えるわけです。特に中盤はもう一人の主人公ヘンリーの出世物語として見ますと面白いですよ。
 個人的にこのガス爆弾や秘密兵器の資料に対してただ鉱山の閉鎖でうろたえていただけで、それを利用しようと考えていなかった時点でメアリーはシャドウに存在する事は出来なかったとも思えたり。絶好の機会を手に入れるだけの覚悟が足りなかったような。
第10話 大いなる別れ

脚本:菅良幸 絵コンテ:根岸弘 演出:石川康夫 作画監督:西山英雄
 次回予告

ムウ「おいマヤ、お前人間の運命について考えた事あるか?」
マヤ「人間の運命?お前の口からそういう難しい言葉を聞くとは思わなかったな。じんましん出そう」
ムウ「こんにゃろ、ぶっ飛ばすぞ!」
マヤ「かっかするなって。お前をレーサーとしてしこんだ先生でもあり、ライバルでもあり、兄さんとも思っていたグエンさんとの意外な再会だろ?」
ムウ「今度ばかりはサーカスにいたくなかった……」
マヤ「とにかくムウの秘密に触れる次回、超攻速ガルビオン大いなる別れ」泣かせます」
  シャドウが狙っているNSV鋼の護衛に就くサーカスだが、ムウの心は何故か晴れない。何故ならムウが恩師グエン・マーカスと再会した事による。暴走族のような少年時代にムウはグエンと出会いレーサーとして成長していったものの、初試合時でムウが引き起こした事故を救おうとしてグエンはレースから足を洗ってしまったのである。グエンの現状を憂うムウだがその彼がシャドウの刺客となっていた件を知る筈もなかった。

 その後マヤはグエンがレースを降りた理由は女性関係のもつれによる八百長への参加でムウとは関係ないと励ますが、ムウはグエンが八百長に手を染めるような男ではないと現実を認められない。そしてNSV鋼護衛の当日、別働隊が博物館に攻撃を仕掛けると同時に警官に変装したグエンがNSV鋼を持ちこんで逃走した。彼を追うサーカスTだが強奪犯がグエンと知るや否やムウは無線で彼に呼び掛ける。最初、彼はグエンという男は知らないとしらを切るが、自分に対するムウの強い憧れを受け止めてグエンはレーサーとして任務を放棄してムウからの勝負に受けて立つ。両者は5年のブランクをものともしないデッドヒートを繰り広げるがそこにジョニーとマルゴXが駆る可変ロボットが出現。ガルビオンはマルゴX機を退けるも、ジョニー機は隙をついてガルビオンの頭部を破壊せんとする。この姿にグエンはかつての教え子を救わんと特攻。その後ムウはグエンの声を聞いた――ラストランをありがとうと。

・ムウの恩師グエン・マーカスの転落、ムウとの和解までのドラマは若干足らない所があったとはいえ、ムウと関係のある人間との交流を描いてムウを主役としたドラマを描く事には成功したのではないでしょうか。最期のレース対決から特攻、そして最期の言葉はベタなれどちょっとウルっと泣かせてしまう所もあったり……。
 ちなみに今回から第13話までアバンナレーションが設けられることになりましたが、「利益を追求するシャドウに立ち向かうサーカス。ガルビオンは平和の戦士なのだ!」といったヒーロー色が強まるような描写はもしかしたらテコ入れ……?
第11話 大実験!野望の兵器

脚本:伊東恒久 絵コンテ・演出:篠幸裕 作画監督:西山英雄
次回予告

ムウ「俺も今回は多少こたえたぜ」
マヤ「分かってるさムウ。それよりレミー、あいつおっかしいんだぜ〜」
ムウ「ミーハーのチャンピオン」
マヤ「ところがそのレミーちゃんがどえらいものを見ちゃったんだよ。なんと新兵器の野外実験」
ムウ「それで危機に陥るパターンかよ」
マヤ「ところがそこに意外な一工夫だ次回、超攻速ガルビオンは「大実験!野望の兵器」」
ムウ「ぶっちぎります!」
  メアリーはヘンリーを警戒するようになっていった。切れ者の彼の裏には恐ろしい顔が秘められていると感じたからだ。実際ヘンリーは大戦時の資料をもとに開発したメタルバトラー第1号"ビデウス"を開発。その性能は従来の可変ロボットを遥かに凌ぐものであったが、同時にメタルバトラーはパイロットの精神を消耗してしまう為長期間の戦闘が展開出来ない欠点も露呈した。

 その軍事演習の様子をメアリーの部下バレルが上空から目撃、機密の保持を目的とするヘンリーによって彼のヘリは撃墜され、その残骸からメアリーの差し金とヘンリーは把握していたがまたバレルが生き延びていた事はさすがの彼も見落としていた。演習の一部始終のフィルムはメアリーに届き彼女の偽りのパーティーに誘われたヘンリーはメタルバトラーの演習に関して迫られる。そこでヘンリーは超能力で彼女を眠らせて、その隙に盗聴器を仕掛けて撤退。その後メアリーはデイブに臨時の総会を開く事を伝える為に彼の元へ向かうも、盗聴したヘンリーの命を受けてマルゴX、ジョニーのより彼女の車は爆破四散――遂にシャドウ幹部から犠牲者が発生した。

・なり上がらんとするヘンリーのドラマが急激に加熱。このあたりの下剋上は色々な意味で盛り上がってしまいます。ムウ達がいなくても今回の話は成立してしまいますが……気にしない!(おい)まヘンリーが超能力を使ってしまった以外で、暗躍のドラマはほぼ満点に近い出来ではないかと思います。最初の犠牲となってしまったメアリーはシャドウ唯一の美女でもありますが……ヘンリー・マクラミン、恐ろしい人!
第12話 大戦慄!人間狩り

脚本:山崎晴哉 絵コンテ:しぎの義信 演出:加藤雄治 作画監督:服部憲知
次回予告

ムウ「レミーの水着見た時はドキッと来たぜ」
マヤ「ま、あれでも女の子だからな」
ムウ「こん次はばっちし頑張って100ポイントぐらい取ってやるかな」
マヤ「ところがそう簡単にはイカのたまたま。なんせテリー達がハンティングの獲物にされちまってよ」
ムウ「うさぎやイノシシと間違えるなって―の。まったくシャドウの連中には頭に来るよ」
マヤ「命からがらサーカスが大パニック。次回、超攻速ガルビオンは「大戦慄!人間狩り」で仕留めます」
 ドラゴン社の下請け先ロジャース社のとある社員はデイブの悪辣さに嫌気をさして緑山財閥へのグループ入りを求めた。彼からのデイブの不正行為に関する資料をムウとマヤは受け取ろうとするがドラゴン社の刺客によって既に彼は始末されてしまっている状態だった。

 そんな折マスメディア界の名門ハロルドポスト社がヘンリーに買収されたニュースが入った。これによりヘンリーはメディアにも顔を利かせるようになり、レイは彼と接触してデイブの不正行為を差し押さえてほしいと頼み、同時に父殺しの真犯人かどうかも探ってほしいとも釘をさす。シャドウ幹部としてヘンリーはデイブの元へ緑山財閥の乗っ取りは危険だとの建前で目的を果たそうとするが、デイブも自分の勘による経験を建前にメアリーが何らかの秘密を知って殺害された為真犯人を探ろうと迫る。デイブの野望の阻止と、真犯人ヘンリーへの裁き、両者の腹の探り合いは引き分けに終わった。その後デイブは隠れていたカーマインと共にヘンリーを始末する事企てるがが、ヘンリーも彼ら二人を上手く始末する事を考えて人間狩りを開く。ちょうど山で合宿しているオリンピックマラソン選手を次々と麻酔銃で仕留めていく事を建前として。

 人間狩りにてヘンリーの暗躍は続く。まずカーマインを標的に絞りアイリーンと同行する彼を陥れる為まず彼女の馬の足を発砲。馬の様子を見る為に手放したカーマインの麻酔銃をジョニーとマルゴXが密かに実弾入りにすり替えた。そこからヘンリーはデイブを獲物の元へと誘導させる芝居でカーマインの前におびき寄せ、繁みから現れたデイブを獲物と誤解したカーマインに発砲されてデイブは即死。カーマインは一気に周囲からデイブの殺人犯と疑われ、必死に自分に覚えがない事と否定しながら逃げる彼であったが足を踏み外して坂を転げるようにして転落死した。ヘンリーはこの策略でメアリー殺害犯の追及の手はなくなったと判断しレイには既にデイブが死亡していて真実を突き止めることはできなかったと報告した。

・ヘンリーの出世ドラマ。内容の濃さにクラクラ。今回もムウとマヤはおまけに過ぎず(一応テリー達が人間狩りに巻き込まれて真犯人を捜すドラマはあったのですが)ロジャース社とドラゴン社の関係の描写から最後まで全てヘンリーの台本通りに展開されていったような物事かと思えます。デイブとの腹の探り合いのような対談や、人間狩りで見られた周到なヘンリーの根回し等々。また今回の同僚を始末する描写にはレイの為ならといった感じがありましてヘンリーは絶大な権力で彼女を時に翻弄させて、時には尽くすといった姿微妙な人間臭い駄目さを感じて微笑ましくも思えます。そんな彼ですが策略は完璧に(笑)
第13話 大登場!超秘密兵器(メタルバトラー)

脚本:伊東恒久 絵コンテ:しぎの義信 演出:加藤雄治 作画監督:菊池城二
次回予告

ムウ「シャドウってのは血も涙もねぇ豚だ、だゲジゲジだよ!」
マヤ「あれ?誰かさんそっくり
ムウ「誰かって……この!ぶっ飛ばすぞ!」
マヤ「かっかすんなよ。それより大変だぜ。遂に敵さんのウルトラ秘密が登場してサーカスも風前の灯火」
ムウ「なぁに、俺の腕とガルビオンは無敵よ!!」
マヤ「ところがそのガルビオンもコテンパン」
ムウ「な、何だと!?」
マヤ「さぁ、重大な危機を迎える次回、超攻速ガルビオンは「大登場!超秘密兵器(メタルバトラー)」必死です」
 メタルバトラーのパイロットには心身ともに優れたパイロットではなくてはならない。その候補者を選出する為にヘンリーは耐久レース大会を主催する事を決める。莫大な賞金を提示すれば参加者は自然と揃い、サーカスの面々を誘えば彼らを始末する事は出来ると考えたのだ。早速賞金1億クレジットの半分をアントンらに提供してもらう事を頼むヘンリーだが、アントンはシャドウとは直接関係ない目的にそのような金は貸せないと拒否。しかしジェネラルKの問いに対してヘンリーは今までの犠牲はムウとマヤによるものでありこの耐久レースに彼らを招いて公開処刑する事を目的としていると明かす。これにてシャドウは一同そろってこの耐久レース大会に協力する事が決まり、ついでにヘンリーはアントンを名誉会長としてピストル役に相応しいと後押しを仕掛けて今回の根回しを整えた。

 そして耐久レース大会にはやはりムウもマヤも参加した。早速スタートのピストルが鳴るや否や観客に紛れ込んでいたジョニーによりアントンは射殺されてしまった。耐久レースの方ではサーカスTはマルゴXの妨害を受け、ガルビオンで追い返す事に成功したけれども、メタルバトラー・ビデウスがとうとうガルビオンの前に出現。圧倒的な威力の前にガルビオンはサーカスTへ変形しての撤退する事も出来ず、レイからの援護とパイロットが限界に到達した事でどうにか難を逃れた。

・メタルバトラーの登場でガルビオンはやられたり、時に助けられたりとまるでヘンリーに踊らされているような時期が続きます。
 それはそうと今回もヘンリーの出世ドラマが冴えます。前回までの幹部殺害の件もあっさりサーカスによるものとでっち揚げて、彼の用意した同僚暗殺の場をサーカスへの仇討の場と見事にすり替えられてみせるヘンリーの弁舌っぷりは超人レベル。誰かが暗殺されるたびに思わず「もう!」と声をあげてしまいますよ、ヘンリーさん達(褒め言葉)
第14話 恋の戦場大ラリー

脚本:荒木芳久 絵コンテ・演出:池田成 作画監督:八幡正
次回予告

ムウ「一億クレジットの大金は惜しかったな」
マヤ「そんな事より正体不明の敵の新兵器。俺達のガルビオンより素早いぜ」
ムウ「あぁ、これからもあいつとやりあうかと思うと正直ぞっとしねぇな」
マヤ「ま、対策はボスが考えるとしてもこっちも気をつけなきゃな」
ムウ「それよりこの次の話はかわい子ちゃんと俺のラブシーンだよな。だっはっはっは」
マヤ「鼻の下伸ばしてると長生きしないぜ」
ムウ「次回、超攻速ガルビオンは「恋の戦場大ラリー」で迫ります」
 メタルバトラーの登場はシャドウにも衝撃を与えた。武器製造業界のトップ・アイザックはメタルバトラーを手に入れて自他ともに利益を与える、そしてサーカスの新型メカ開発を防ぐ事が必要と立ち上がった。

 その頃サーカスはガルビオンに次ぐ新型メカの開発を開始しておりそれまでサーカスのメンバーは外出禁止となった。それでもパトロールと称して無断外出に出たムウとマヤはガソリンスタンド寄るや否やダントに襲われてしまう。この男は刑務所へ服役中のムウ、マヤと引き起こした乱闘で3年も保釈が延びてしまってkと尾を逆恨みしており、ジョニーからの依頼を受けて彼を襲いかかったのだ。何とかダントを退ける事に成功した2人だが、騒ぎに巻き込まれた少女エリナからの20分以内で引越しする友人の見送りの為に駅に向かいたいとの頼みを受けてエリナを駅へ送ることにした。
 しかしこのサーカスTの情報はヘンリーによりアイザックへ伝わり、彼の戦車軍団から執拗な攻撃を受ける。エリナを守るために単身で飛び出したムウもガルビオンで応戦するマヤも満身創痍。だがこの危機ににまたもオクドルが出現してアイザックもろとも戦車部隊は壊滅。サーカスTは辛うじて逃げ伸びて無事駅にエリナを送り届けた。

・変形シーンがキレのある新作画で書かれた事を除けばそれほどでも……一応ムウとマヤは主役を張っいますが、結局メタルバトラーに助けられる形でバトルは終わり。2人にとって因縁の相手ダントも何の為に登場したのかと思わせるほどお粗末な登場でまさか前半で降板してしまうとは……。ゲストヒロインエリナの描写も弱く何がしたい話か分からないのですよね。
 今回描かれるアイザックも彼を陥れるドラマが弱く、単にヘンリーの踏み台のまま終わってしまった感じも否めません。
第15話 大電殺!百万(ボルト)の罠

脚本:菅良幸 絵コンテ・演出:ときたひろこ 作画監督:谷口守泰
次回予告

ムウ「あぁ〜あ、何だか俺も恋人が欲しくなっちまったな」
マヤ「無理だね、車で我慢しな」
ムウ「俺が女の子にもてないとでも思ってんのか?」
マヤ「そっちは俺に任せとけ」
ムウ「何を!?二枚目気取りやがって。勝負すっか!?」
マヤ「そんな暇ないね。シャドウはいよいよ本格的にサーカスに挑戦してくるぞ。次回、超攻速ガルビオン「大電殺! 百万V(ボルト)の罠」しびれます」
 突如ジェネラルKとヘンリーがジョニーに襲われた。だがこれはヘンリーとジョニーが打ち合わせた芝居でありジェネラルKはサーカスの仕業と思いこんで彼に対抗する姿勢を強めていく。この機に乗じてカイザロフはとある作戦の遂行を企てる。

 白昼堂々、数々のデパートが少年グループのテロを受ける事件が多発。さらに彼らは自分をサーカスと名乗り悪の限りを尽くす。ちょうど占領されたデパートに出かけていたレミーも人質に取られ子供を救う為に肩を負傷してしまった。この偽サーカスの悪事に対してレイは無茶な事はするなと警告するが、ムウが黙っていられるはずもなかった。彼の制止役でもあるマヤもムウからの度重なる本音の前に遂に自分も同じ気持ちだと同行。さらにレミーが負傷して生死をさ迷っていると知りレイも自ら先陣に立ち犯人グループを一網打尽に捕える行動に出る。
 犯人を追うサーカスTの前にカイザロフが率いる可変ロボットの大軍団が現れる。ガルビオンに変形して軽々と片付けていくがカイザロフが放った放電ネットにガルビオンが捕まり、市街地の電気が全て放電ネットのエネルギーに注ぎ込まれて大苦戦――これまれか。ガルビオンの危機が迫ったその時、メタルバトラー・ライアスとゴラームが出現して放電ネットを解き放ち、カジアロフのヘリを瞬く間に粉砕。その後電気会社もレイによって取り押さえられて偽サーカス騒動も収拾してレミーも無事一命を取り留めた。だがレイは新たな疑問が――果たしてシャドウから危機を救った人物は誰か……?

・アニメアールのグロス回として冴えるクオリティ(爆発エフェクトもそうですが、平面なセルアニメでありながら質量感を感じさせるメタルバトラーの色指定も抜群!)もそうですが、正攻法の燃え回として楽しめる今回。菅良幸さんの脚本はムウとマヤ達サーカスの面々を主役としてしっかり描きながら親しい人との関係を上手く使ってドラマの展開が上手な印象。その一方でもう一つの魅力とも言いますヘンリーの暗躍にもそこそこ気をつけられている感じでバランス感覚が絶妙とも言えそうです。
 今回のトラブルメーカーでもあるレミーが子供を救う為に勇気を出して守り抜くシーンも、新兵器の完成まで動けないところ名を騙られて悪事をしでかす偽サーカスに黙っていられないムウ達の心理描写、ムウだけじゃなく建前は冷静なマヤも、さらにレイまで前線に乗り込む事を選ぶ展開に燃えてしまいます。その一方でムウと子犬のドラマを13話に続いて上手く膨らませる事に成功し、テリーだけムウの子犬に気付いた描写を経て、ムウの不在時にこっそり世話をしている事をムウが気付いてエピローグで仲の進展を感じさせる小技も披露。このムウとテリーの進展する関係から、次回でいきなりテリーがゼクターに搭乗する展開も「彼女なら有り得るかもしれない」との自然に感じさせてくれます。
第16話 地獄軍団・大襲来!

脚本:山崎晴哉 絵コンテ・演出:加藤雄治 作画監督:菊池城二
次回予告

ムウ「100万ボルトか。もうちょっいであの世行きだったぜ」
マヤ「あぁ、今度ばかりはな。だが俺達を助けたのは明らかに敵のはずだ。どうなってんだ?」
ムウ「知るか。それよりこの次はすごいヘリコプターの軍団が襲って来るって話だろ」
マヤ「あぁ、しかし新兵器がとうとう完成したぞ。こっちも負けられねぇ。次回、超攻速ガルビオン「地獄軍団・大襲来!」で命かけます」
 サーカスでは遂に新兵器ゼクターが完成した為秘密サーキット場にて訓練に向かうが、その途中、トーマスが率いるバトルヘリ軍団が襲いかかってきた。何とか逃げ切り秘密サーキット場にてテリー達3人娘がゼクターの特訓に励むがどうやらこの特訓はガルビオンとゼクターの連携が出来るまでは終わらないとのこと。よってムウは家に置きっぱなしの子犬を流石にそのままほおっておく事は出来なかったので、無断で外出して子犬を連れて帰る途中にバトルヘリ軍団に襲われて帰れなくなってしまう。

 ムウが無断で外出した事はすぐさまマヤ達にも知らされることとなった。事情を知るテリーはムウを擁護しようとするがそれが原因でマヤはムウに対して不信感を抱く。その後マヤはムウを捜しに出かけバトルヘリ軍団に苦戦するサーカスTを発見して乗り込むも、マヤはムウに"ガルビオンの代わりはないから助けざるを得ない"としか言わず本気でムウと決別するつもりだった。
 けれどもマヤが搭乗してもメタルバトラー・ライアスが登場した事もあり、またも苦戦に追い込まれるガルビオン。彼の危機を救わんとテリーはゼクターを駆って出撃し遂にライアスを粉砕するした。だがその後ムウにはマヤへの鉄拳制裁が入り周囲からも事情を言わなければ刑務所へ送り届ける事も考えるという状況まで追い込まれてしまう。けれどもそこに連れてきた子犬が登場して周囲に知られることとなった。ムウは居候の身ゆえにサーカスへこれ以上迷惑をかけられないと今まで子犬を匿っていたのである。そんなムウの意外な一面を知った一同は頬笑みながら彼への不信感を解き子犬もサーカスの一員として迎え入れられた。

・ガルビオンの世界観で空飛ぶバトルヘリ軍団を出すのはどうかと思ったのですが……それを除きますと密かに部屋で飼っていた子犬に餌を挙げる為に無断外出してしまうムウの描写がマヤとテリーの描写で上手く働いていたのではないでしょうか。子犬を抱えるムウの秘密にマヤが不信感を抱く所は、彼とは秘密を共有し合う仲だった事を証明し、ただ一人秘密を知る者としてテリーが必死にムウを庇おうと周囲に上手く説明できずに四苦八苦する所もムウとの関係を示す事も出来ていたのではないでしょうか。
 メカニック関係では、2対1とはいえ遂にメタルバトラーを粉砕したガルビオンの活躍が見所。相方がテリーの駆る2号機ロボというのもストレート。また.余談ですが、新型マシンを加えての合同訓練を何時もの拠点ではなく、特別サーキット場で行う今回の描写は「超速変形ジャイロゼッター」の秘密訓練所と似た感じの描写かもしれません。ここは同じ車ロボアニメとしてジャイロゼッターのご先祖様故かも(笑)
第17話 ブル警官・大恋愛

脚本:菅良幸 絵コンテ・演出:加藤雄治 作画監督:西山英雄
次回予告

ムウ「最近ハイウェイが妙に静かだと思わねぇか?何か物足りねぇんだよな」
マヤ「わかった、ブルドック警官ブルーテスが静かにしてるからだろ」
ムウ「そ、あのブル警官、なんとなく憎めないやつなんだ」
マヤ「ところがあいつ、バーガーショップのかわい子ちゃんにぞっこん。おまけに俺たちを真っ向から殺しにかかってくる」
ムウ「何、あのブル公が?」
マヤ「そう。次回、超攻速ガルビオンは「ブル警官・大恋愛」で大笑い」
  ヘンリーはハルの分析から並はずれた体力と闘争心を持つブル警官がメタルバトラーのパイロットに相応しいと判断した。そのブル警官は何時も鬼警官な様子とは異なり何やらデレデレな気分。その理由はバーガーショップの店員ジェニファーに好意を抱いてしまったからだ。たまたまそのバーガーショップに立ち寄ったムウとマヤはブル警官がカチコチだった事から思わずからかってしまって事が原因でブル警官はキレてサーカスTを追う。だがこの様子を目にしたジョニーとマルゴXは彼の車をパンクさせて眠らせる事でブル警官を連れ込んだ。

 ブル警官のパトカーが爆破四散した事をムウとマヤが目撃した。相手が警官だけにサーカスは迂闊に動けないがムウは自分に半分責任がある事とどうしても調査に出たいとレイに頼みこみ、結局全員が手掛かりを探しに行動を開始した。その結果サーカスTはブルがゴラームに搭乗する姿を目撃。ヘンリーに洗脳されてしまったブル警官が操るゴラームに苦戦するガルビオンだが、ジェニファーの事を話せばブル警官の記憶は早くも取り戻す兆候を見せ、ゼクターによりゴラームが崖から転落した事て破損。よってムウとマヤはブル警官を救う事に成功した。
 それから全治3カ月のブル警官にムウとマヤはお見舞いの土産としてジェニファーを連れていくが、彼女は何と既に7人の子持ちだと知ってしまう。つまりブル警官の恋愛は失敗に終わったようなもので……ブル警官のムウとマヤへの怒りは怪我の痛みを忘れる程だったとか。

・ブル警官久々の登場。今回は3枚目キャラとして上手く機能していましてギャグ演出も良好。ブル警官をおちょくるムウとそんな彼が消息を絶った時に自分に責任があるとついつい心配してしまう所に彼の優しい人柄も感じたり。ただガルビオン対ブル警官の操るゴラームとの戦いはもう少し見てみたかったかもしれないです。
第18話 大都会にブルースを…

脚本:藤家和正 絵コンテ・演出:加藤雄治 作画監督:服部憲知
次回予告

ムウ「全くブル警官には調子狂わされちまうぜ」
マヤ「人間生きてる内にゃ、色んな事があるって。だから人生はドラマ」
ムウ「何きどっちゃって。お前よくキザやってて疲れねぇな」
マヤ「俺は生まれつき二枚目なの。それより、クラウドって男覚えてるか?」
ムウ「マニー・クラウドなら幼馴染だぜ」
マヤ「その親友と無二の再会は、敵と味方に分かれて大戦争だ。次回、超攻速ガルビオン「大都会にブルースを…」泣かせます」
  ゴルゴダシティのとある人質事件で警察が手も足も出ない時、治安機動隊チェイサーポリスが駆る戦闘兵器ブレストチェイサーの活躍で事件は解決した。ただチェイサーポリスの隊長マック・ギャバンは自分達が見なした悪の駆除には手段を選ばない容赦のない男で。チェイサーポリスに鎮圧されたゲリラの残党はゴルゴダシティ市長を誘拐し。さらにこの事件の目撃者としてムウまで誘拐されてしまう。

 ゲリラ達が200億ドルを身代金に吹っかけてきた話はジェネラルKにも届いた。彼は事件にサーカスの一員が巻き込まれた事を見てブレストチェイサーに依頼してムウをゲリラ諸共始末する事を考えつく。人質の市長も元々シャドウの自分達が選んだ傀儡の存在なのに、自立して行動をし始めた為に目ざわりと感じている為共に始末する方針――市長の代わりはいくらでもいるのだから躊躇う理由はない。ムウと市長の始末をヘンリーが実行役に志願。彼はこの任務をジョニーに与えた新型可変ロボット・エクスキャリバーの実力を試す機会と見なしていた。
 ムウ達を捕まえたゲリラのリーダーマニー・クラウドはムウの幼馴染だった。ゴルゴダシティ近辺のスラムタウンは荒んだ環境ゆえにムウとクラウドは生きる為に必死の同志だったが、ムウがレーサーとしての道を歩み出すと、クラウドは必死に華やかなシティへ進出する事を目指したものの現実は厳しかった。その上市長がスラムタウンにレジャータウンを置こうとしている事から、に故郷を失う事に怒りを抱いて市長を拉致したのだ。クラウドはムウに荒みきった環境で育った俺の気持ちが分かるはずだと仲間に誘うが、卑劣な手は使わないと彼は拒否した。
 そんな折、チェイサーポリス部隊が容赦なくクラウド達が立て籠るビルへ攻撃を仕掛けてきた。市長とムウを連れて逃げるクラウドの元にエクスキャリバーが迫るが、マヤの駆るガルビオンによりエクスキャリバーは撤退。これにて窮地を逃れたムウかと思いきや、クラウドは逃げる市長を射殺。人道から外れた行動へ手を染めてしまった旧友は今度はシティの面々が自分と同じような屈辱を味わう時だと、協力しないムウへ銃を向けて迫る。邪魔をするならば例えお前でも容赦しないと。

「生きる資格がないだと!生きるのに資格がいるのか!資格がない人間は殺していいのか!てめぇはなんだよただの殺し屋じゃないか!奴は俺のダチなんだ!!」

 だがクラウドは背後から銃殺されてしまった。彼を射殺したギャバンは言う――お前が撃たなければムウが撃たれていたから撃った、彼は大勢の人々を殺害した生きている資格がない男だと……。ムウはキレてギャバンを殴り飛ばすが彼は絶対的な権力のともいえる自分の正義を振りかざすかのように殴り返して相手にせず去る。路上に倒れたムウへ雨が降り注ぐ。その雨はムウの暗い過去と悲しい別れを払拭する雨だろうか……ゴルゴダのスラム街にムウはただクラウドの姿を思い出す。

・ムウのエピソードでは一番気に入っているエピソードかもしれません。チェイサーポリスと指揮官マック・ギャバンの"無感情な正義"を振りかざす事に畏怖し、悪に走った旧友が生きる資格がないと烙印を下されて殺害された事にムウはただやり切れない……激昂するムウを無言で殴り倒して去っていくギャバンからすればムウは「たかがガキごとき」なのかもしれないですね。若者ムウはただスラムの街で雨に打たれる姿は若者に襲いかかる現実の理不尽さを象徴するかのよう、クラウドが言うゴルゴダシティ市長がスラムタウンを淘汰していくかのように、チェイサーポリスがはみ出し者を淘汰していくと言ったところでしょうか…….切ないです。
第19話 基地爆破!小犬大活躍

脚本:伊東恒久 絵コンテ・演出:加藤雄治 作画監督:菊池城二
次回予告

ムウ「今日のような事があると、もう戦いはやになったぜ」
マヤ「気持ちはわかるが、俺はやっぱり戦いの中で死にたいぜ」
ムウ「冗談で言ったんだよ。俺だってシャドウをぶっ潰さなきゃ」
マヤ「いよいよ敵さんも真剣だぜ」
ムウ「お、ところでムウ、そろそろわん公の名前つけてやったら」
マヤ「へへっ、チビの名前は決まってるさ」
ムウ「え、なんて言うんだよ?」
マヤ「そいつは次回、超攻速ガルビオン「基地爆破!小犬大活躍」を見てくれ」
  新しいガソリンスタンドに立ち寄ったサーカスTだがそのガソリンスタンドはトーマスの罠が張られていた。バーベキュー作戦でサーカスTを炎上させるつもりだが、サーカスTはガルビオンに変形してその罠を打ち砕いた。今回の件からサーカスの車はどうやらシャドウに全てマークされているとレイは気付く。よって迂闊に外出できない状況となるがテリーはちょうど風邪をこじらせた子犬アンドレを連れて獣医の元に向かっていた。テリーはその状況を知って帰路に就くがその途中に検問に引っかかってしまう。その検問はシャドウの罠であり警官に変装したトーマスの刺客はサーカスVに時限爆弾と発信器を密かにセットした。

 だがサーカスVは途中で出迎えに来たムウのサーカスTと会う。するとアンドレはセットされた時限爆弾を持ちだして、そのまま爆弾は追跡していた警官隊のトレーラー付近へと置かれて彼らは返り討ちとなった。アンドレのおかげでサーカスU爆破の危機を救ったムウとマヤ。そして一時の休息でムウは何故子犬にアンドレと名前をつけたのかテリーに理由を明かす。その名前は養護施設から飛び出した幼い自分を引き取ってくれた老人であり、自分が一人前の男を目指すきっかけを見出してくれた大切な人物だった。しかしムウ達が過去をふける間もなくトーマスが率いる大部隊が一斉に襲いかかってきた。単身で囮になる事を選んだムウの危機を救う為、テリーはゼクターを駆って可変ロボット軍団を退けていく。だが帰りが遅い2人をサーカスUが到着すると攻撃部隊は一斉にサーカスUへ総攻撃をかけてこれを粉砕。サーカスUを破壊されて怒るムウはガルビオンへ搭乗して反撃、トーマスの戦闘ヘリもゼクターによって破壊されたのだった。


・この回から第21話までしばらくガルビオンはムウ達とガルビオンの活躍を前面に押し出すようになり、今回のアンドレの活躍や次回の水中戦イベント、第21話のロロンとの友情など古典的なロボットアニメへと回帰したような話が見られます。ただその関係でヘンリーの魅力が薄れる事になってしまい、ムウとマヤを描くか、ヘンリーを描くかでガルビオンはバランスを保つことが難しい作品かもしれません。
 ちょうどこの頃にシャドウの幹部二人が戦死しますが、それもヘンリーが全く関係ない所でガルビオンに倒さる点も路線を若干変えた事に関係あるのかもしれません。
第20話 霧の人工島・大海戦

脚本:荒木芳久 絵コンテ・演出:坂田純一 作画監督:谷口守泰
次回予告

マヤ「あの子犬がアンドレか。しかしあいつ、お前よかよっぽど賢いな」
ムウ「あぁ、どうせ俺はアホで間抜けでのろまな亀ですよ」
マヤ「そうそう、まだあるぞ。単純でドジでとんまでスケベで」
ムウ「調子に乗るな、この。さっさと次の話を紹介して、帰って寝ちまえ」
マヤ「わぁったよ。この次の話はガルビオンが海の中で大苦戦」
ムウ「テリー達が生きるか死ぬかだ」
マヤ「次回、超攻速ガルビオン「霧の人工島・大海戦」もう、おぼれそう」
 相次いで消えていく金塊輸送船。これはジョージの仕業であり彼は海難事故を次々と発生させる事でサーカスを海戦へと引きずり込む計画を立てていた。この魂胆どおりサーカスは捜査艇を借りて調査を開始したが、深海から突如現れた島にテリー達の船が飲み込まれてしまった。ムウとマヤは彼らを救う為レイの制止を振り切って人工島の護衛艦隊と勝負を仕掛ける。だが人工島周辺の守りは固く、ガルビオンは戦闘ヘリの攻撃を受けて深海に沈んでしまう。

 人工島内部にてテリーはゼクターで抵抗するもミチコとレミーが人質となっていた為に結局降伏せざるを得ず3人は間もなく鮫の餌にされてしまう。その頃ガルビオンは浸水してしまった為に出力が45パーセント低下した状態だった。だがサブエンジンで人工島に乗り込んで反撃を開始。この事態にジョージは人工島を破壊せんとするが撤退する彼のヘリをハンドガンで撃墜・人工島の爆破からガルビオンとゼクターは脱出した。そして今回の活躍でムウとマヤ遂にポイントを手にする……僅か10ポイントだけれども。

・ガルビオン初の水中戦とロボットバトル描写に重点を置いた今回。アニメアール回として魚雷やミサイルの波状攻撃の魅せ方はエフェクトと共に冴えわたっています。人工島内部での3人娘のアクションもちょっと印象的。
第21話 歩くんだ!ロロン

脚本:伊東恒久 絵コンテ・演出:加藤雄治 作画監督:八幡正
次回予告

ムウ「いやぁ〜久しぶりのポイントだ。うれちーなったら、うれちーな〜」
マヤ「お前本当に長生きするよ」
ムウ「ところがそうでもないんだよな。次の話でめったやたらと強いメタルバトラーにいきなり吹っ飛ばされるんだぜ」
マヤ「あぁその時、足の不自由なロロンって男の子と知り合うんだよな」
ムウ「俺、ロロンを遊園地に連れてくって約束したんだ」
マヤ「ムウは男と男の約束を守れるか?次回、超攻速ガルビオンは、「歩くんだ!ロロン」泣かせます」
  買い物帰りにダントとはち合わせたムウは彼との喧嘩で投げ飛ばされ、足が不自由な少年ロアンの家の窓を突き破るってしまう。その縁でムウは足が不自由な少年ロロンの友人となり、窓ガラスを割ったお詫びもあり明日ロロンと一日ドライブに出かけようと約束する。

 その帰りムウはレイに手当てされるがたまたまその様子を遠くから目にしたマヤはムウとレイが結構いい関係ではないかと誤解してしまう。そんな訳でロロンの為に半日サーカスTを貸してほしいとのムウの頼みに対してもマヤはレイとのデートかと思いこんで協力しない。これではロロンとの約束を守れないと困るムウだったが、事情を知るレイのいきな計らいでサーカスTを借りる許可を得た。
 今度のメタルバトラー・バルカスのパイロットとしてダントはヘンリーに招かれた。だがムウと戦う事に執拗なまでこだわる傍若無人なダントをジョニーとマルゴXでは扱いきれない。よって麻酔銃で眠らせて彼にロボトミー手術を施すが、その手術も不完全な状態でありムウを倒す事にダントは固執し続けている。
 翌日。ロロンの母からロロンは交通事故に遭ったが手術は既に成功しており、本人の心次第で歩く事が出来るとの事を聞いたムウ。ロロンの気分がよくなればきっと歩けると思い、ムウはロロンの希望通り遊園地へ連れて遊んでいた所バルカスが迫った。ロロンを救う為ガルビオンで出撃するムウだが、ガルビオンは足が故障しておりまともに戦う事が出来ない。しかしバルカスからの滅多打ちを受けるガルビオンの危機を救わんとムウとゼクターが到着。ゼクターの攻撃でメインカメラが破壊されたバルカスが抵抗できなくなった時、マルゴXはバルカスを自爆させて両者を巻き込もうとするがその作戦は失敗に終わった。そして、戦いが終わったムウの元へロロンはとうとう自分の足で立ち上がって歩いていく姿を見せる。

・ムウとロロンの微笑ましいドラマが展開され、またレイかテリーかでムウの本命についてちょっと触れていてマヤが実はレイを密かに憧れていた故に嫉妬心を見せてしまうちょっとした人間関係も面白かったり。
 そして第14話では存在が弱かったダントが再登場しまして、今回では何故ムウを恨むかがより明確に描かれて1対1の決闘もありキャラクターの描写としては良くなったのですが、今回であっさり自爆させられて散ってしまうとは思ってもいませんが。ガルビオンは打ち切りが急きょ決まって次回に繋がる訳ですが、まるでダントはまだ余裕がある時に打ち切りを知らされてまずくなったかのように始末されたキャラとの印象です。
第22話 アマゾネス戦士の恋

脚本:菅良幸 絵コンテ・演出:石川康夫 作画監督:西山英雄
次回予告

ムウ「なんとか男と男の約束を守れてよかったな」
マヤ「マジに言われると照れるだろうが」
ムウ「単純なやつだ、おだてると目いっぱい頑張るから可愛いぜ」
マヤ「何?何か言ったか?」
ムウ「いやいや、次のお話だよ。ほら、お前の好きなかわい子ちゃんがわんさか出てきてもってもて」
マヤ「うひょ〜来週が待ち遠しいな〜」
ムウ「ところがどっこいイカのなんとか。次回、超攻速ガルビオンは「アマゾネス戦士の恋」女心で迫ります」
 アイリーンは私設のアマゾネス軍団を率いてサーカスの打倒を企てる。その頃ムウは女の扱いに泣かされる事から気晴らしにマヤを誘ってレストランへ食事に出かけた所、アイリーン達がタチの悪い客に絡まれている姿を目にしてマヤは軽く彼らをのす。強く冷静でそしてフェミストなマヤの姿はアイリーンも少々興味を抱いたようで、彼と食事で談笑し合い、共にナイトダンスを踊るほど。パーティーの後アイリーンはマヤの面影にへ昔の恋人を思い出していたが、彼女の前には既に女として老いた現実の自分の姿がのしかかる。そして、このかなうはずもない恋に対して彼女は強がる――自分は金目当ての彼氏に裏切られて、以降男になびかない生き方をし続けて今は宝石業界のトップで男達を顎で使える身になったのだと。

 一方ムウは食事で知り合ったアイリーンの部下リンダとデートへ出かけるが、それが罠だとは知る筈もなし。瞬く間にアマゾネス軍団に包囲され、その挙句全裸にされて股裂きの刑にされてしまう。だがアンドレの活躍でサーカスの面々はムウの危機を知り、サーカスとアマゾネス軍団の乱闘の末にマヤの駆るガルビオンとアイリーンの駆る可変ロボのタイマン勝負に発展する。男への憎悪を拳に込めてガルビオンに殴りつけるアイリーン機だが、マヤは男と女は共に手を取り合い共存する必要があるはずだと説得。この彼の説得に男を圧倒する女の力にへの概念が揺れ動きアイリーンは悩む――撃つか撃たないか。
 
 だがアイリーンは使えないと見限ったジョニーとマルゴXによってアイリーン機は大破。重傷を負ったアイリーンは今までの自分の罪をマヤの前に詫びて、アマゾネス軍団も自分のようにならないでと解散を宣言。マヤのような男と最期に出会えてよかったと息を引き取った。

「そしてこの後、サーカスを利用しながらシャドウの仲間を次々と暗殺。遂にシャドウ、いや全地球の権力を握る事になる。しかし邪魔な存在がサーカス。だがヘンリーはこともあろうにレイ緑山を愛してしまった。それが自分を滅ぼす事になるとも知らずに……」

・実質最終回の今回でようやくマヤの主役エピソードが作られたかもしれません。そんでもって18歳の美男子と40代の熟女とのラブロマンスもそうそうない。その一方でリンダやナスターシャなどビキニアーマー姿のアマゾネス軍団が登場したり、彼女達と3人娘のバトルも見られたりとサービス要素もあるのですが、残念なことに作画の状態が宜しくありません。
 そしてそんな何も関係ない話からラスト30秒でその後の展開を描きますが、ムウ・マヤ達ガン無視の内だったりします。そして本編は出来る事ならヘンリーがシャドウを掌握するまでの話は見たかったかもしれません……。


空中分解寸前からの組み立て、一先ずの完成を迎える前に……

さて、超攻速ガルビオンですが、序盤の散漫な作風に悩まされながらも徐々に何を目指していくか不安定ながらも環境を整え始めて、ちょうどバランスが取れ始めてきた所から打ち切りの憂き目にあってしまった作品です。見る人を選ぶ作品とも思いますが、打ち切りの影響で中途半端な作品と取られる可能性もある所で終わってしまった事が致命傷でした。あと少し、あと3、4話だけでも続いていたならば……!と無念です。

 そのガルビオンの作風はムウとマヤの軽妙なキャラクターのドラマとヘンリー・マクラミンの暗躍が肝ともいえますが、この作風が確立するまでは苦労を伴ったのではないかと思います。出だしは宇宙や空への進出が制限された為に車社会が発展した近未来を背景に、受刑者のムウとマヤが任務をこなしながら釈放を目指すドラマがありましたが、早くも釈放を目指すドラマはシャドウの描写と相性が悪かったようで、ムウとマヤかシャドウのドラマかであやふやになってしまいました。物語の舞台設定も中盤でバトルヘリ部隊が登場した頃からほころびを見せ始めてしまっています。
 また車から変形する初のロボットとも言えますガルビオンですが序盤は戦闘シーンの乏しさがぬぐえず、さまざまな車から可変するロボット達の存在もクローズアップさせる事が出来ず、いわばアイデアは良くともそれを活かす事が出来なかったのが序盤かもしれません。
 
ですが、メタルバトラーの発掘からヘンリー・マクラミンの出世劇にキレが入るようになり、特に第11話「大実験!野望の兵器」、第12話「大戦慄!人間狩り」についてはムウとマヤがほぼドラマに絡まないとはいえ、ヘンリーの出世を目指す暗躍描写が冴えわたり、あらゆる手を使ってトップを目指す彼の人間像は強烈なキャラクターともいえます。このヘンリーの描写でムウとマヤの主人公としての描写が危うくなり、メタルバトラーに苦戦するガルビオンの姿が多くなりましたが、ゼクターの登場、コンバットシステムを装着するガルビオンと共に主役としての活躍もクローズアップされ始め、第15話「大電殺!百万Vの罠」や第18話「大都会にブルースを…」などムウに焦点を当てたドラマも冴えわたり、ムウとテリーの淡いドラマも上手く魅せるようになってきたと思います。

 そして終盤ではムウ達とガルビオンの活躍をクローズアップしたエピソードが増える半面、ヘンリーのドラマが減退してしまいましたが、未放映第24話「金貸しオーズ大赤字」から第26話「13番目の男」までにおいてヘンリーが遂にシャドウの権力を掌握しレイを奪い取るエピソードが用意されていました。2クールの山場としてヘンリーの暗躍を再び描き込む前に、ムウ達とガルビオンの活躍をしっかり描いて作品のバランスを取ろうとしていた時期が2クール終盤かもしれません。またメカニックも販促を担うメタルバトラー、チェイサーポリスの登場から充実を向かえ、さらにガルビオン、ゼクターのパワーアップイベントで頂点を迎えようとする時期でしたが……その途中ともいえる第22話を持ってガルビオンは幕を下ろされてしまいました、実に残念ながら……。

 空中分解しかねない状態で始まったガルビオンですが、試行錯誤ながらヘンリー・マクラミンという独自の魅力を抽出する事に成功し、彼が牽引する形でメカニック面でも充実を遂げ、ムウとマヤ達の描写を踏まえて作品としてバランスを整えて充実していくする時を前にして中断してしまったガルビオン。もしその先が続いていたならばどうなっていたのでしょうか。ヘンリーにより崩壊の時を迎えたサーカスが今までの仲間達と力を合わせ再起していき、ヘンリーの持つ野心は宇宙へと拡大していき作品のスケールと共にガルビオンの持つ作品の魅力は拡大していった……とは私の考え過ぎでしょうか?未完の大器として期待を寄せすぎでしょうか?ガルビオンはそんな作品の一つなのかもしれません。


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