無敵超人ザンボット3 全話解説
第12話 誕生日の死闘

脚本:田口章一 絵コンテ・演出:広川和之


 ブッチャーの誕生日は恵子と同じ誕生日である。それはそうと、今日誕生日の恵子は自分の振袖姿振袖をビアルV世にいる家族へ送ろうとしていた。だが勝平と宇宙太は何故か恵子を馬鹿にする始末。振袖を破ってしまった恵子はザンベースでビアル3世へ向かってしまった。実は二人はビアル3世へ向かわせるためにわざと馬鹿にしていたことを兵佐ェ門から伝えられる。二人の思いやりに感謝しつつ信州へ向かう恵子は友人の吉雄、信一、ひろみとの思い出を振り返る。だが彼らの家族はメカブーストに殺されてしまったのだ。松本へ避難する人々を複雑な思いで見つめる恵子。しかし、松本にはメカブースト・モグンダーが迫っているのだ。
 避難していた信一たちもやはり神ファミリーに対し怒りを募らせていた。だが彼らの罵声に気付くことなくザンベースはモグンダーに立ち向かう。ザンボ・エースとザンブルと合流しザンボット3に合体。ザンボットブローでモグンダーを木っ端みじんにした。
 恵子は避難する3人のもとへ向かう。だが神ファミリーを非難する3人の恵子に対する態度は冷たかった。ひろみからは人殺しと言われて悩む恵子はザンベースへ乗ってビアルV世へ戻ろうとした。失意の中の恵子。だが恵子を待っていたのは家族の温かい抱擁ではなく、脱出カプセル内の公子からの由美子の伝言だった。
「弱虫のお姉ちゃんには会いたくない」
 由美子は戦士として恵子を戦場へ送り出したのだ。自分で困難に立ち向かい切り抜けなくてはならないのだ。
 その頃モグンダーの破片が再び結合してハリンダーとして復活し松本へ出現したとの報せが入った、恵子は着物を母に渡してザンベースで出撃。恵子は避難民を洞窟内に避難させるすることを提案。時間稼ぎをザンボ・エースに託して避難活動に専念する恵子と宇宙太。その中で恵子はひろみたちを発見。迫りくる針から三人を救い、足を負傷しながらも三人を洞窟へ運び出した。そして恵子は聞いた。自分の献身的な行動に心を討たれた信一たちが自分を応援しているのを。
 避難活動を終えてザンボットコンビネーションで合体したザンボット3はハリンダーをムーンアタックで葬り去る。松本を後にするザンベース。ビアルV世では久作は恵子へ手紙を書き、由美子は着物を繕っていた。いつか恵子に会えることを信じて。


辛くても逃げてはいけない。だけど頑張れ
 宇宙太編は家族がいい描かれた方をしていませんでしたが、この恵子編はなかなかの出来ではないでしょうか。今回の見どころは辛くて帰ってきた恵子に対する母・由美子の態度。久作が心配するのですが、由美子は「私は戦士としてあの子を送り出したんです。辛いことがあったくらいで、会えません。まず、自分の力で切り抜けなければいけないんです」これを涙ながらいう由美子の姿を娘に会いたいと言う思いを断ち切って、恵子に成長を促したかったのかもしれません。最後の着物を繕うシーンでも母の思いやりがあふれています。由美子さんは残念ながら印象的な活躍はすくなかったのですが、その分今回のエピソードは見ごたえがあります。そして恵子も立ち直ることが出来、失ってしまった友人たちを誠意ある献身的な行動で取り戻します。そういう意味でも今回のエピソードは恵子の成長を促した傑作回ではないかと思います。


今回の突っ込み

冒頭で勝平が二次方程式を解いていますが、中学校がおそらくなくなっている状態なのにやる意味はあったのでしょうか。


次回予告
激しい戦いの最中、勝平は思いもかけず香月君と再会する。巨大なロボットに怯える少女の心に隠された秘密とは何か?独り勝平の行く道は遠い。
次回ザンボット3『果てしなき戦いの道』。さて、どう戦い抜くかな?

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