無敵超人ザンボット3 全話解説
第14話 スカーフよ永遠なれ

脚本:星山博之 絵コンテ;小林三男 演出:行田進


 ガイゾックによる日本への脅威は着々と迫っている。だが北海道は未だに人びとに対するガイゾックの脅威が薄い。ブッチャーの狙いは北海道に定まった。
函館に出現したメカブースト・カメヅオン。勝平はすぐさま函館のザンブルに合流するためザンボ・エースで出撃した。だが、気になるのは疎開したブスペアの行方だった。ブスペアは北海道へ疎開したようだが、北海道の避難キャンプは七か所もあるためどこかは分からない。
 カメヅオンは2機の攻撃を受けて札幌へ避難。札幌へ向かう勝平だが、それと同時にブスペアを探さないといけないのだ。勝平は偵察を兼ねてブスペアの避難キャンプを探しに出た。
 ブスペアのいる避難キャンプで、アキは母に巨大なスカーフを見つけられて恥ずかしそうにスカーフをしまう。このスカーフはザンボ・エースがまだ人々の脅威にならなかった頃、ザンボ・エースのために作ってあげたものなのだ。スカーフを見てあの頃を思い出すが、メカブースト襲来の報せを聞くと、神ファミリーには憎悪の感情が込みあがってしまう。
 逃げる人々の中で勝平はアキを発見。彼女に会いに行こうとするがやはり勝平には出て行けと言われてしまう。そんな勝平のもとに恵子が駆けつける。彼女からメカブーストがこの場に迫ることを知らされ、アキの家族に避難を呼びかけるが全然理解してくれない。理解のなさの対して込みあがる怒りをこらえて勝平はザンボ・エースでカメヅオンのもとに向かうが足を溶かされてしまう。このままカメヅオンの進撃を許したら避難キャンプ場にいるアキの家族が危ない。彼女たちを救わねば自分の気が済まない。ザンボ・エースは必死にカメヅオンを食い止めようと奮戦する。
 キャンプ場へ駆けつけたビアル1世・源五郎は戸を固く締めるアキ達に避難を進めるが、アキはこれを突っぱねる。しかし母の言葉がアキの心を溶かし彼女たちはビアル1世へ避難した。そして必死に戦う勝平の叫びに自分の理解のなさをアキは知らされた。
他の2機が合流し、ザンボット3へ合体してカメヅオンを下す。今回の件でアキの蟠りが解けた。ミチはアキのスカーフを勝平へ渡した。彼はアキへ感謝の言葉を告げて、彼女もそれに応えて手を振った。スカーフを首に巻いたザンボ・エースはうれしそうに飛び上がるのだった。


第2部完結
 ザンボット3は主に4つの大きいエピソードに分かれるのではないかと思います。まずザンボット登場と香月組との確執、迫害する人々の理解を得るまで、人間爆弾の脅威と突破口、そして最終決戦といった感じです。
 今回のエピソードは第2部にあたる締めともいえるエピソード。香月に並ぶ主要人物アキとの和解を描きます。彼女の誤解を解くには誠意のある行動を見せること。今までの勝平には出来なかった行動ですが、この頃の勝平は第1話の頃と比べると成長し始めた頃。たとえ意地とはいえザンボ・エースでカメヅオンに挑むシーンはアキの心を溶かしたものでしょう。最後のスカーフは突っ込みどころがあるとしても殆どの人々の誤解を解くことに成功したようなエピソードです。
 
 結構些細な事ですが、勝平が市役所へ尋ねるシーンがあり、そこに難民課が置かれていたところには感心します。またミチがスカーフを渡してアピールをするも、勝平にスルーされる描写は最終回の展開を考えると面白いものです。


今回の突っ込み

 ブスペアが作った巨大なスカーフは50メートルほどあるそうですが、よく二人で作ったものだなぁと思います。つぎはぎとはいえ片付けたり出したりするときが凄い大変そうな気がします。


次回予告

漸く世界の人々が神ファミリーの戦いを助けてくれる。日本へ向かう輸送船団に勝平が見た戦う男、ジェイムスとは何者か?怒りの巨砲が海鳴りを呼ぶ。
次回ザンボット3『海に消えた老将』。さて、どう戦い抜くかな?

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