無敵超人ザンボット3 全話解説
最終回 燃える宇宙

脚本:五武冬史 絵コンテ:斧谷稔 演出;広川和之


 遂に現れた最後の敵・ガイゾック。バンドックの胴体が自爆して中からガイゾックが姿を現したのだ。
 ガイゾックに戦いを挑むザンボット3だが、あらゆる攻撃がガイゾックには通用しない。ガイゾックが放つ熱線を前に3人は意識を失い、目を覚ますと謎の空間に彼は捕らえられた。敵がザンボット3を攻撃する。だが、戦いで受けた傷で目が覚めた宇宙太は目の前の敵がビアル1世だったことを知る。今までガイゾックの幻覚を神ファミリーは見せられていて、お互いが敵に見えたのだ。再び現れたバンドックを攻撃したことで幻覚が解け、同士討ちを狙うガイゾックに怒る勝平はザンボットカッターで何度もバンドックに突っ込む。だが、バンドックの手足からのビーム砲でザンボット3の手足が破壊されてしまった。手足を失ったことで最期を確信した宇宙太と恵子は、ザンボ・エースを切り離し、バンドックへの特攻をかけようとしていた。突然の事態に戸惑う勝平は一太郎にマグナムの射出を依頼し、二人にとどまるように呼び掛けるが、覚悟は変わらなかった。最期を決めた二人は体当たりの寸前にイオンエンジンを爆発させてバンドックへ特攻して果てた。
 今まで戦ってきた従兄妹、戦友の死に勝平も死を決めてザンボ・エースへ突撃をかける。内部からの攻撃に果敢にも突っ込むザンボ・エース。そのさなかで千代錦を失うも、勝平の目の前にはガイゾックの正体が現れた。ザンボ・エースの戦いを前に自分の敗北を認める。ガイゾック星人に作られたコンピュータードール8号・ガイゾックは悪しき生き物を滅ぼすことを使命とし、200年前にビアル星人を滅ぼしたのもその理由だった。そしてお互いを憎みあい、嘘をつきあい、わがままで仲間同士で争う地球人も悪しき生き物とみて宇宙の静粛を保つために地球人の滅ぼすことを決めたのだ。だが大破したガイゾックにそれだけの力は残されていない。なので最期に勝平が何故地球の為に戦ってきたかを聞いてきた。勝平の答えはただ一つ。自分達の地球を守らないといけない。それだけだが、自分達が命を張って守り抜いた事に感謝する人はいるのか。地球はそれだけ温かい人が住んでいるのだろうか。ガイゾックは問い続ける。最後に自分達をやさしく迎え入れる人類など地球にはいないと言い残して果てた。
 炎上するバンドックの中にザンボ・エースは閉じ込められていた。彼の叫びを聞いた久作。そして一太郎は勝平に脱出を命令するが、声が届かない。このまま大気圏に突入したら勝平は燃え尽きてしまう。大太はビアル1世を強制接触させてバンドックの勢いを止める作戦に出た。ビアル1世はバンドックを食い止めて共に爆発して果てた。炎の中に消える大太、久作。そして一太郎はお前だけでも生きて脱出しろと勝平に言い残して散った。
 地球へ突入して着水した際。勝平は今までともに戦い散って行った家族や仲間につぶやく。

「お、俺たちは……つまらないことなんか……しなかったよな、な、なぁ……アキ……」

 と。駿河湾に着水したザンボ・エースはまるで勝平の気持ちを代弁するかのように涙を流しているように見えた。

 勝平はコクピットから救われるが、寒さを前におびえていた。そんな勝平を包んだのはミチだった。香月とミチは彼のもとに駆け付ける人々を待っていた。ミチは自分達が生まれ育った場所に勝平は戻ってくると思い、結果的に一番先に勝平と会う事が出来た。そんな彼女の勘の強さに香月は言った。
「お前……勝平が好きなんだろ」と。
 香月の言葉を聞いてミチは自分がブスだと言って照れるが、香月は笑って言った。俺もこいつに惚れていると。

 そして勝平のもとに無事脱出した神ファミリーの生き残りと大勢の人々が駆けつけてくる。勝平の帰還を祝福する人々。その中で勝平は目を開ける。そこで勝平は何を見たか、何を思ったのか……それを知るのは本人のみである。

BACKBACKNEXT

inserted by FC2 system