超電磁ロボコン・バトラーV 全話解説
第49話 体当り!ジェット2号

脚本:五武冬史 絵コンテ・演出:寺田和男 作画監督:坂本三郎、金山明博(総作画監督)


 バトルチームも花見で平和なひと時を過ごしている所、突如バトルジェットがバトルチーム上空を滑走した。自分がこの場にいるはずなの何故バトルジェットが飛行している。大慌てで南原コネクションに引き返してもバトルジェットは何故か格納庫に健在。四ツ谷博士に事情を聞くとそれはバトルジェット2号機、四ツ谷博士は今第二コン・バトラー隊を結成しようとしているのだ。
 自分達の代わりに第二コン・バトラー隊を結成させることは自分達にとっては裏切られたようなものだと考える本家バトルチームの面々。しかし、5人のうちだれかを狙うキャンベル星人の作戦は度々頻発しており、またキャンベル星人の攻撃も世界へ広がりつつあるのだ。その為には予備のバトルチームが必要だと四ツ谷博士は彼らを納得させるが、バトルジェット2号のパイロットである候補生・川上健二は豹馬にとって「死神」と罵る仇敵だったのだ。
  豹馬にとって川上は自分の両親を事故死させた張本人の息子。また川上の父も事故を起こした事を苦と思って自殺しており、豹馬と川上にとってはどちらも親の仇であり、太陽学園時代からライバルとして張り合ってきた関係だ。この世ではどちらかしか生き延びる事が許されない。豹馬と川上が決闘に挑んだ所南原コネクションに警報が鳴り響く。
 出現したマグマ獣イカロスタにバトルチームが出撃するが、川上も豹馬に負けるわけにはいかないと無断で出撃してしまう。だがダンゲルは事前に小型マグマ獣ロスガンを送り込み、地上からの超電磁バリアーでバトルマシンを封じてしまったのだ。自分は豹馬と腕が違うとバトルジェット2号機が出撃するが、マグマ獣の前に敵わず、彼は豹馬達が強大なマグマ獣と戦っている事を実感じた。危機を救うにはただ一つ。ロスガンを片付けて超電磁バリアーを粉砕することにあった。バトルジェット2号機はスカイリッパーでロスガンを粉砕しバトルマシンの危機を救うも、イカロスタの拡散機雷を受けてしまい川上は深手を負ってしまう。
 だがイカロスタからまたも超電磁バリアーが放たれ、バトルマシンの動きが封じられてしまう。この危機を救うにはバリアーを放つ頭部を粉砕する事である。バトルジェット2号機はイカロスタに体当たりをかまして5機を救出。脱出した川上が生きている事を信じてコン・バトラーVへコンバイン。イカロスアローを受けて両腕を封じられる状況の中、超電磁ヨーヨーを射出して遠隔操作でヨーヨーでイカロスアローの尻尾を粉砕。零距離でミサイル攻撃をぶち込もうとするイカロスタを超電磁スピン2連発で吹き飛ばして粉砕に成功した。
 だが脱出した川上は既に手遅れだった。自分が豹魔の元で死ぬ事も何かの因縁であり、今回の戦いは自分の勝ちだとの誇らしげな笑みと共に息を引き取る。例え因縁の相手でも心のどこかでは彼をライバルとして認めていたかもしれない。豹馬は川上の手を握りながら動く事はなかった……。


因縁の死神が再び豹馬の目の前に……

 豹馬の孤児エピソード完結編。自分の両親の仇の息子との再会の描写から決着をつけようとのスタッフの意志が分かります。どちらも親の仇でありこの世にはどちらかしか生き残る事を許されないとの双方の台詞にも因縁が深い事を感じさせますが、川上の勝負と称し豹馬達バトルチームの危機を我が身と引き換えに救う姿に豹馬が涙して彼の手を放さない描写からはどちらもライバルとしてどこかで認め合っていたからかもしれません。もし因縁がなければ十三のような良きライバル関係にもなっただけに……因縁は悲しいものです。
 些細なことですが、第18、53話辺りなどコン・バトラーVがいくら強くても1機しかいなければ世界を救う事は難しいとの描写は、当時のロボットアニメでは暗黙のお約束とされていた部分。そこに踏み込んでみる精神は評価しますが、結局対抗策が生まれないまま終わってしまった事は1機で世界を守る事が出来るのかとのお約束を覆す事が当時難しかったからかもしれません。


今回の突っ込み

豹馬が川上を死神と呼ぶのはまぁいいのですが、他の皆さん。貴方達は因縁がないのだから川上君と呼んであげましょうよ。


次回予告(ナレーション全話・キートン山田)

突然、音波攻撃を受けロペットのコントロールが麻痺してしまった。ダンゲルすら利用するワルキメデスの囮作戦とは何か。マグマ獣スネーグルの攻撃を前に豹馬たちはコンバインアウトの危機に陥る!
次回コン・バトラーV「三段変身獣スネーグル」にレッツ!コンバイン!!

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