無敵鋼人ダイターン3 全話解説
第25話 提督の生と死と


脚本:松崎健一 絵コンテ:斧谷稔 演出:小鹿英吉 作画監督:加藤茂


最新戦艦マゼラン。その命名の由来は旧式の戦艦で13機ものデスバトルを撃墜するも、病に倒れた名指揮官マゼランであり、彼の脳が移植された戦艦なのだ。この脅威の戦艦の存在に警戒したコロスは、コマンダーカトロフにマゼランの強奪を命じた。
 カトロフが操縦するデスバトルが彼らの元に姿を見せると、マゼランは何故かデスバトルへ向けてスピードを挙げる。彼はメカと合体させられて新たな命を得た。考えてみればメガノイドと同じ存在と興味を持ち、カトロフに接触を試みたのだ。
 しかしカトロフの存在もマゼランからすれば実験台である。自分を乗っ取ろうとしたカトロフらを亡き者にしようとする。彼を前にメガノイドがスーパー人間ならば、自分は神に該当すると告げて。そのうえ彼のデスバトルを操り、レイカの操縦するマッハアタッカーを粉砕してみせると動いているのだ。偶然にもメガバトルとマッハアタッカーの攻防でブリッジに風穴が開き、万丈とカトロフは脱出に成功し、マゼランを撃沈する奇妙な共同戦線が成り立った。
 ダイターン3はマッハアタッカーと連携して、カトロフは自らメガボーグとしてデスバトルと共にマゼランを叩く。しかし重力破粒砲を始めとするマゼランの兵器は強力。デスバトルを軽々と粉砕してしまう程である。次の標的としてマッハアタッカーが狙われた。ダイターン3がマッハアタッカーを収容しようとするが、そのダイターン3をカトロフが身を挺して守りぬいたのだ。
 カトロフは無事だった頭部でマゼランへ殴り込みをかけ、ダイターン3もサンアタックを放つが重力破粒砲にパワー負けしてサンアタックの攻撃回路が破壊されてしまう。サンアタックが使えないとあれば殴り込みをかけるのみ。マゼランの攻撃を切り抜けて彼は脳が宿されたメインコントロールルームへ突入。機械は所詮機械。神と称して全世界を手中に収めると考えるマゼランへ容赦なくマシンガンをぶっ放す。そしてカトロフの特攻でマゼランは砕け散った。メガノイドである誇りを賭けた彼の特攻はまるで神風そのものであった。


メガノイドであろうと人間の誇り
 ここの所ストーリー面で凡庸なレベルの回しかなかったので、20話以来に力が入った回としてお勧めです。17話でも第三者をダイターンとメガノイドの戦いに介入させた松崎健一さんの脚本ですが、今回も第三者が絡むパターンにはまらない拘りを感じさせてくれる好印象な回です。
 何故暴走した経緯が分かりませんが、おそらく機械の体を手に入れて神に相応しいと思い込んだマゼランに対し、メガノイドはあくまでスーパー人間であり、人間としての体と心の存在を優先とする彼がマゼランではなく万丈を選び共に共闘する姿はメガノイドの存在を考えさせられます。進化していくにも人間としてあらなければならない彼の考えが久々なシリアスな敵として物語に厚みを与えています。
 万丈の殴り込みも、人の心を失った機械は人間以下であるとの心境がとことん描写されています。「所詮、機械は機械!」「こんなもの、地獄へ堕ちろ!」の台詞には彼の怒りが込められているはず。


今回の突っ込み

些細なことですが、マゼランが暴走した経緯が今一つ不明確な所でしょうか。


次回予告(ナレーション全話・鈴置洋孝)

コマンダーミレーヌ。小指ほどのメカヘッドバンドを使って人間を操るだと。トッポを召使に、ビューティ、レイカをも使うとはな……許さん!!
次回無敵鋼人ダイターン3「僕は僕、君はミレーヌ」にカームヒア!

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