無敵鋼人ダイターン3 全話解説
最終回 万丈、暁に消ゆ

脚本:荒木芳久 絵コンテ:斧谷稔 演出:小鹿英吉 作画監督:塩山紀生


 火星が突如地球へ向けて接近を開始した。戦いの中でダイターン3を万丈に奪われた事がこれほど人類メガノイド化計画を遅らせるとは思わなかったコロス。彼女はドン・ザウサーの理想を信じていた。人類がメガノイド化して宇宙へ飛びだせば、地球において人類同士が争う事はない。永遠の平和を達成する事が出来ると。メガノイドを生んだ破嵐創造の息子・万丈が何故メガノイドと戦うのか。そして自分にメガノイド化計画を託してドン・ザウサーは何故意識を失ってしまったのか。コロスは初めてドン・ザウサーへ弱みを明かして泣きすがる。コロスは火星を地球へぶつけてダイターン3を葬り去る最後の作戦を遂行する。その勢いに乗じて一気にドン・ザウサーに人類を従えようと。コロスはコマンダー、ソルジャーの大軍団の指揮を執り地球へ進撃する。
 万丈はメガノイドとの最終決戦に備えてマサアロケットへ乗り込む。やたらと平静な皆を疑問に思うトッポだが、万丈達は最後の戦いへの覚悟としてリラックスをしているのだと気付いた。そして大軍団が迫ってきた。ギャリソン達はこの時に備えて開発したマサアロケット4機で出撃。宇宙で大軍団と交戦状態に入った。
 万丈の戦闘艇は型戦闘艇とドッグファイトを繰り広げていた。腕は互角だったが、爆発を利用して万丈はダルシアの背後にまわりこれを撃墜。勢いに乗じて火星へ突入してドン・ザウサーの待つ本拠へ殴り込みをかける。
 アイアイ編隊が万丈を襲う。捨て身の特攻が次々と宇宙艇に突撃するが、万丈は本拠への突入を許してしまう。万丈を待ち構えるのはコロス。万丈のマシンガンとコロスの鞭が炸裂する。

「僕は憎む!サイボーグを作った父を!まして僕の母も、兄もサイボーグの実験に使って殺してしまった事は許せない!ドンも貴方もメガノイドを名乗ってスーパー人間とうぬぼれる!それを憎む……!!」

 ドン・ザウサーを、父・創造を憎む万丈の叫びが響き渡る。人類が宇宙へ飛び立つ時代に置いてドンの考えが分からないのかと反発するコロスはハチの巣になって倒れた。ドン・ザウサーへの愛情が誇大化して他の事を考える事が出来ないメガノイド・コロスはメガノイドのよい例である。メガノイドは父の亡霊を背負って自分達の前に現れるのか。
「ドン……助けて……!!」
「コロス……!!」
 銃口を向けられたコロスの叫びがドンを蘇られた。彼女の元に姿を現したドン・ザウサーはメガノイドの敵万丈へ牙を剥き、圧倒的な力を見せる。
「この力……お前はメガノイドなのか」
「僕を忘れたのか……破嵐万丈!!」
 ドン・ザウサーは万丈が破嵐創造の息子と知り、彼は攻撃の手をやめた。意識を失っていた間自分は何をしていたのか彼には覚えはない。コロスに利用されていたと言う万丈だが、ドン・ザウサーは万丈をコロスが悲しむ原因としか見なしていなかった。
「ダイターン・カームヒア!!」
 コマンダー・ダルシア率いる大艦隊はマサアロケットの活躍によって全滅した。一方ダイターン3は遂に巨大化するドン・ザウサーと対決することになる。だがドン・ザウサーはダイターン3のいかなる武器も通用しない。弱点は脳。サン・アタックを放てば彼に少しはダメージが与えられる。一か所にサン・アタックを連発させれば勝てるかもしれない。ドン・ザウサーの怒りによる雷にダイターン3は耐える。ドン・ザウサーはコロスを悲しませた怒りをダイターン3にぶつけているのだ。
「我が子よ……勝てる。コロスの必死の脳波がドンを一時的に目覚めさせただけだ。人間の精神はそんな……そんな……そんな……!!」
「僕への謝罪のつもりか……と、父さん、今のは、僕の、僕自身の力だ!僕自身の力なんだ!!父さんの力など借りはしない!!」
 創造の呼び掛けも万丈には通じない。メガノイドを生んだ元凶に励まされたくはない。己の力でドン・ザウサーの力を振り切りサン・サタックがドン・ザウサーの頭脳に炸裂して彼はkロオスを想いながら砕け散り、またコロスも空しく力尽きるのであった。

「僕は……嫌だ!!」
 たった一人でメガノイドを粉砕した万丈。だがコロスの最期を目に万丈へは何かを感じたのである。そして万丈は皆の元へ帰ってこなかったのだ。レイカが、トッポが、ビューティが、そしてギャリソンも万丈邸から去っていく。雨の日の中ギャリソンはバスを待つ。ある曲を口ずさみながら彼もまたバスへ乗って姿を消す。だが万丈邸には一つの明かりが灯されていた……。

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