ゲッターロボG 全話解説
第15話 赤い蝶のバラード

脚本:田村多津夫 演出:山口康男 作画監督:小松原一男


 浅間学園で女子水泳大会が開かれる。リョウ達はミチルの試合っぷりを観戦する為にやってくるが、そこに飛び入りとして謎の美女・胡蝶が参加してきた。ミチルと胡蝶はデッドヒートを展開するが、惜しくも2位になってしまう。ミチルは彼女に敗れた事、そしてその胡蝶がリョウ達に接近している事からプライドを砕かれて自室で泣き崩れている。
 あれからリョウ達は胡蝶を賭けて争奪戦を展開する事になる――建前はフェアプレーだが、3人は彼女に骨抜きになっている模様で、彼女との蛍狩りの約束にあっさり乗ってしまう。その隙にヒドラー元帥率いるジェット機部隊がゲッター線増幅装置を強奪せんと現れる。このヒドラー元帥の行為は胡蝶――胡蝶鬼の許可を取らなかったものであり、自分一人で作戦を成す事を考えていた彼女にとっては許せぬ行為だった。これより彼女はメカ胡蝶鬼で出撃しジェット機編隊を追い払うが、これにより約束をすっぽかされてしまったリョウ達が夜に三人立ち往生していた。
 翌朝、胡蝶から電話で呼び出されたリョウ達は彼女とモトクロス対決を展開するが、ミチルは行方不明になった子供達を捜索する為レディコマンドで出撃。この姿を目にしたリョウ達はすぐにミチルの元に向かい、共に救助活動に入るが胡蝶はミチルに対しどちらが先に子供を救う事が出来るか勝負を挑む。
 それから胡蝶が子供を発見したとの報告。リョウ達がその場にやって来た時、ミチルは穴の底で倒れている子供を救出する為に我が身を省みずに穴へ飛びこむ。ミチルの行動を手伝う3人だが、胡蝶は何故自分を誉めてくれないのかとリョウに聞く。この勝負は自分が勝ったと言う胡蝶に対し、リョウは勝負にこだわって子供を助けようとしない彼女は美しいが心の冷たい人間だと言い放つ。
「私は美しい!その上力も一番よ!誰にも負けた事がないわ!!だけど見て!あたしは百鬼帝国の胡蝶気だ!これが私の本当の姿よ―そう鬼よ!鬼だから私はその鬼が最後の勝負を挑んでやるわ!!」
 胡蝶は勝利と同時に得た心の虚しさを戦いで晴らそうとした。メカ胡蝶鬼に対して出撃する3機はゲッタードラゴンで出撃し、ゲッタービームでメカ胡蝶鬼をこれで粉砕。
「負けた!私が負けた!私は生涯でたった一度負けた鬼よ!もう人間に戻れない――!!」
 自決せんと角を折った時、胡蝶鬼は人の姿に戻り息を引き取った。胡蝶鬼は人間の少女・胡蝶が鬼として改造された姿だった。彼女が強さを追い求めた理由は人に戻れる日を夢見ていたからなのかもしれない……。


胡蝶鬼は強さを求めなければならなかった。

 百人衆の名ゲストキャラが登場する3部作その2.ですが前回と次回に挟まれるとちょっと弱い印象も否めません。多分胡蝶鬼が人間の頃どんな人間だったのか説明される事がなく、ただ一番を求める嫌な人になってしまった点もあった気がします。
 そしてヒドラーが独断で作戦を進める描写も消化不良で終わってしまい、もし上原正三さんならば胡蝶鬼とリョウの恋愛に焦点を当ててヒドラーにより水を差される展開になっていた気がします。
 そんな今回の取り柄はやはり作画。小松原一男さんはグレンダイザーに参加する為に今回がゲッターでの最後の担当回になりました。友永和秀さんのデフォルメが効いたかわいらしく、アクション面で故・金田伊功さんに勝るとも劣らない回。そして胡蝶が……すごく美人です。水泳大会のシーンでの生足にハァハァした人間がここにいます(オイ)それを見るだけでも価値があるかもしれません


今回の突っ込み

胡蝶曰くミチルはプライドに高い点。学園生活があまり描写されないのでよくわからないのですが、どうなのでしょう?


次回予告(ナレーション:キートン山田)

恐るべき百鬼帝国が新たに出動させた百鬼ロボットは強力なメカ鉄甲鬼だった。あらゆる武器を封じられて苦戦するゲッターロボ。危うしリョウ、ハヤト、ベンケイ!だがその時、予想もしない事が起きたのだ!!
次回ゲッターロボG「死闘!嵐吹く男の道」にテレビ・スイッチ・オン!

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