漫画版マシーンブラスター


さて、久しぶりに漫画作品を紹介した気がします(名無し的には半年ぶりかなぁ……)それはそうと一峰先生によるマシーンブラスター漫画版が再び日の目を見るとは思いませんでした。ちょっと前の復刊ブームでもマシーンブラスター復刻は難しかったでしょう。これも一峰先生の作品がマンガショップと縁が深かったこともあるでしょう。ありがとうマンガショップ。
さて、漫画版マシーンブラスターですが、原作とはずいぶん異なるオリジナル展開を見せており、それを比べるのも面白いもの。簡単に相違点を説明していきましょう。

 

漫画版と原作の大まかな相違点が一発で分かるページ。原作を見た方なら違和感を抱くでしょう。
まず学ラン姿の天平……とビリー。わぁ〜お新鮮。漫画版では天平は緑が丘開正学園の生徒で、少年院?何それみたいな存在になっています。そういうわけで仁太との関係も薄かったりします。(最もこの仁太も少年院出身かわからないのですが)ちなみにビリーもレーサーという設定が何それ?みたいな感じです。
次に天平らは漫画版ではれっきとした超能力者で描かれており、念動力や透視能力を駆使しています。原作ではよくわからなかった超能力エレパスを漫画版では普通に超能力として解釈しています。
最後に下部に登場している番長とあだ名されるキャラがサブレギュラーとしてほぼ毎回登場しています。これに関してはマジンガーシリーズのボスやゲッターの文次辺りのポジションと考えればいいでしょう。もっとも学園編でしか絡まないのであまり役に立たないのですが。

 
  漫画版マシーンブラスター第1話・行け!マシーンブラスター
※サブタイトルはあくまで名無しのイメージです。

カイブッダー・ガルドス登場

突如空に鉄の塊が出現しカイブッダー・ガルドスが誕生。ヘルクイーンが宣戦布告してきた。だが博士は既にマシーンブラスターを開発し4人のパイロットを育ててきたのだ。出撃したマシーンブラスターは不動組みキックでガルドスを粉砕。だがヘルクイーンは天平へ復讐せんと言い残すのだった。

解説
扉ページには
忍者ロボット軍団やアクロバット戦法とマシーンブラスターは表記されていました……どこが忍者だろうかと少し悩みますが、仮に忍者ものの要素があったらどうなってたか気になりますね。
それはそうと原作と比較してなんという準備の良さ。いや原作のまだパイロットが一人しかいない状況が異常かもしれませんが。天平が普通に主人公やってるので何も波乱が起こらないで出撃します……原作を見た方としては少し物足りないかも。
ですが、ヘルクイーンと天平の関係をアニメより一足先に表していたところは評価できます。

最後に左の画像からわかりますが漫画版では
セットインではなくセッテンです。何故か最後までセッテンです。セットインって当時洗練されていた言葉なのかなぁ。  
  漫画版マシーンブラスター第2話・謎の物体パワーX※サブタイトルはあくまで名無しのイメージです。
カイブッダー・ケガニザイガー登場

2億年前に大陸を動かした物体パワーXの力の力を借りてヘルクイーンはケガニザイガーを生成。迎え撃つマシーンブラスターだがケガニザイガーの水鉄砲を前に苦戦し、水で構成されている体故に攻撃が通じない。だが水には水と円月回転で竜巻を形成してケガニザイガーにぶつけて敵を分解させた。

解説
ケガニザイガーが本編以上に敵としての個性が磨かれています。パワーXという謎の物体も登場し漫画版は原作より超能力もののイメージが強いです。

漫画版マシーンブラスター第3話・狙われた開正学園※サブタイトルはあくまで名無しのイメージです。
カイブッダー・ダラゴニヤ登場

番長が突如浮遊できるようになった。だが彼が超能力者であるはずがなく、学校にパワーXが差し向けられていたからだ。そしてパワーXの力で屋上の卵が孵り、学園にカイブッダー・ダラゴニヤが出現。出動するマシーンブラスターだが博士は天平の学校にカイブッダーを差し向けたことが気がかりだった。蜘蛛の糸を放ち、分裂するダラゴニヤに苦戦するマシーンブラスター。しかし体育の授業の鉄棒の大車輪をヒントにして4機が放った大車輪キックがダラゴニヤを粉砕したのだ。だが天平は自分とヘルクイーンとの関係が気がかりだった、

解説
ダラゴニヤもかなり恵まれた形で悪役になっています。冒頭の展開からしてやはり超能力要素が一際強くなっている気もします。なお当時センターカラーだったらしくそれなりに人気があったのでしょうか。
  漫画版マシーンブラスター第4話・起て天平!宿命の鎖を切れ!
※サブタイトルはあくまで名無しのイメージです。
カイブッダー・トライガー、エイグロス登場

遂に明らかになった天平の過去!天平はモグール人と地球人の混血児だったのだ。それを知りチームワークに亀裂が入ってしまう。
学校で生徒に扮装したヘルクイーンに誘われて殺される危機に陥る天平。駆け付けた仲間たちだが彼への疑いのまなざしは変わらない。
そしてカイブッダートライガー、エイグロスが街で暴れているので出撃しようとするがエレパスが一つになっていないせいで出撃できない。仲間からの冷たいまなざしを前に天平はフリーダムで出撃するがかなうはずがなかった。
このまま天平は破れてしまうのか。だが博士の一喝で石田達が送ったテレパシーが天平を救った。ボスパルダーにセットインした天平とマシーンブラスターは2機の突風攻撃に対抗するためにプロペラ体勢で突風を跳ね返して2機を粉砕。マシーンブラスターの絆もよみがえった。

解説
当時別冊付録で連載されたエピソードでページ数も最多の46P。エピソードは第3話と第10話を足してオリジナル要素を混ぜた出来で、本編でも重要なエピソードともいえます。もっともこの頃は天平が既にモグール人であることが本編でも知らされていましたが……。
名無し的に注目する点としては天平がモグール人の遠い子孫ではなく直接の混血児であること。原作での遠い先祖だったノストラーは江戸時代あたりの人物に対し、こちらのモグール人(つまり天平の父)はほぼ20世紀あたりの人物でしょう。モグール人の描かれ方も原作とはずいぶん異なります。
なおゴロスキーが登場したのはこの話のみで、ザンギャックに至っては全編出番なしです。
また、ヘルクイーンが女子高生に変装していたエピソードは知る人ぞ知る有名なネタです。
  漫画版マシーンブラスター第5話・氷原の悪魔ホワイトデビル
※サブタイトルはあくまで名無しのイメージです。
カイブッダー・シーボス、ホワイトデビル登場

世界一のコンピューターを運ぶ貨物船がシーボスに沈められた。そのコンピューターを持ってモグールは北海道へ向かっている。北海道に出かけた番長が気がかりな天平はテレポーテーションして現地に向かうと、番長は人食い熊に襲われていた。その時人食い熊とコンピューターが合体してカイブッダー・ホワイトデビルが誕生。北海道の街を荒しつくす。出撃したマシーンブラスターは熊の習性を逆手にとり武者固めを形成。ホワイトデビルを粉砕した。

解説
原作を見ている方には説明が分からないと思う方がいますので簡単に相違点の説明を。熊は自分より大きな相手には向かわない習性があります。そして漫画版の武者固めはなんと……騎馬戦。そう原作で使われなかった幻のフォーメーションが使われているのです!そういう意味ではちょっと得した気分になります。

  漫画版マシーンブラスター第6話・一つ目の巨人ヘルジャイアント!
※サブタイトルはあくまで名無しのイメージです。
カイブッダー・ヘルジャイアント登場

ヘルジャイアントで世界銀行の金庫を強奪しようと企むヘルクイーン。モグール兵はヤクザに変装して世界銀行のミサイル係である男に妹の目の手術料を条件にミサイルのスイッチを切れと脅迫してきた。そしてヘルジャイアントが世界銀行に出現。4機が迎え撃つが巨大な敵に歯が立たない。そのどさくさにまぎれてスイッチを切る男だが、金庫が奪われることを恐れ、金庫の点火装置を起動。空飛ぶ金庫を追うヘルジャイアント。留守になった足もとに放ったマルチストームがヘルジャイアントを下した。そして金庫を守った功績で妹の目の手術も行われ無事完治したのだ。

解説
ヘルジャイアント登場回。ついつい期待が高まってしまいますが全体的にややトホホかなぁ……金庫がミサイルのように飛ぶ描写はかなり無茶苦茶かと。
名無し的にへぇ〜な点ではブルシーザーが両肩のアーマーを飛ばすブルテクたーを使用している事。幻の技と書かれていただけにこういうところで使用されるとうれしくなります。
  漫画版マシーンブラスター最終回・復讐!ヘルサンドラの挑戦!!
※サブタイトルはあくまで名無しのイメージです。
カイブッダー・ヘルヤマト登場

突如人類の手足が消滅していく事件が発生。出撃したマシーンブラスターの前に現れたカイブッダー・ヘルヤマトにはヘルサンドラの姿が。マシーンブラスターによって倒されたヘルクイーンの仇討を果たさんとしていたのだ。ヘルヤマトを圧倒していたマシーンブラスターだが、遂に天平たちの両腕が消滅してしまう。ヘルヤマトの主砲を前に絶体絶命のこの状況の中天平は口でレバーを加えながら一文字崩しを敢行しヘルヤマトとヘルサンドラを粉砕。無事人類最大の危機は救われ、マシーンブラスターは基地へ帰還するのだった。

解説
最終回ですが……ヘルクイーンがやられた描写は劇中にありません。名無し的にはヘルサンドラ編は蛇足なのでヘルクイーンとの決着で終わらせてほしかったです。最終回もこれですべてが終わったかどうかわからない感じですし。まぁこれに関しては冒険王がアニメ・特撮が供給過多になっていた故に、アイドル路線とオリジナル漫画路線へ一時路線を切り替えることになり、その巻き添えを食らう形で原作より2カ月早く打ち切られてしまう憂き目に遭ったことが原因でしょう。ちなみに同期に同誌で連載されていた超神ビビューンのコミカライズも途中で打ち切られています。
とりあえずヘルヤマトという名無し的にかなり意表を突くカイブッダーのチョイスが驚き。名無し的に第31話はマシーンブラスターの中で最もアレな回なので。
 
 総評
そんな漫画版マシーンブラスターですが、アニメのドライな人間ドラマやどろどろとした雰囲気がコミカライズ版では見事に一掃され、天平もごく普通の主人公としておさまっているのでアニメから入った方としては色々驚かされました。マシーンブラスターをコメディ的にアレンジするとこうなるのかと思いますが、名無し的にはやはりページの少なさが災いし肝心のメインキャラを描写しきれずに終わってしまった感もあります。ヘルサンドラを無理に出さずにヘルクイーン編で終わらせればもう少しいい評価が出来ますが。
とはいえ、漫画版のオリジナル要素や武装、技を発見するとへぇ〜といえるような作品。幻の騎馬戦モードがちゃっかり登場しているところはポイントでしょう。。
 


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