絢爛舞踏祭〜ザ・マーズ・デイブレイク〜 全話解説
第21話 さらば友よ!男の夢は永遠に

脚本:佐藤大 絵コンテ・演出:笹木信作 作画監督:小平佳幸、瀬上幸雄


 宝を手に入れたら何をするのか。談笑し合うクルー。相変わらず自分のラウンドバックラーを手に入れようと張り切るショウの元にエリザベスから指令が下る。それは練習用のラウンドバックラーを実戦用に回収する事であり、練習用のラウンドバックラーがなくなってしまう事にがっかりするショウだが、真相は違った。なんとそのラウンドバックラーがショウの機体になるのだ。その名も慈愛号。補給のめども立ないまま強敵と立ち向かわなければならない状況で、自分の力が必要な事にショウは張り切るが、その一方でヤガミはある決断を下していた。
 実際の操縦はシュミレーターとは違う。ショウはグランパの鬼コーチっぷりにヘトヘトである。グラムは魚雷用プールに彼に対しラウンドバックラーは操縦するには何か夢があることが大事ではないかと教える。この夢を語り合う二人にヤガミは意外な事を口にする。皆個性派ぞろいで譲らない面々が何故一つにまとまっているのか。それは全員が夢を追い求めているからであると。ヤガミの夢は火星の平和。傭兵時代、戦いの中で数々の仲間が散った。自分は宝を手にして火星の未来を開きたい。夢を持つ者としてヤガミはあの頃と違いショウを激励しながら彼らしくもなく大笑いする。めったに見せない彼の笑いにグラム、ショウも思いっきり笑うのだった。
 囮としての出撃任務にショウは志願した。その時の彼の眼は迷いのない目であり、先輩ら2機のラウンドバックラーの後を追う。3機が相手を引きつけている隙に夜明けの船はヤガミが教えた海底鍾乳洞を通過させる事が作戦の意図だが、ショウは慣れない戦いを前に相手の追撃に晒されていた。だが、慈愛号の危機に対し士翼号が早速登場。相手を蹴散らした後、ヤガミはショウに対し慈愛号を大切にしろと言い残し、残りのラウンドバックラー全てを自分が引き受ける事を選んだのである。
 エリザベスはヤガミが去る事を事前から彼に聞いていた。ナイアル・ポーから夜明けの船の一員として招かれた彼は、ナイアル・ポーからの指令を受けて夜明けの船から去ることが決まり、置き土産としてオリンポスへ通じる海底鍾乳洞を教え、囮役を買って夜明けの船を去ったのだ。今、夜明けの船にはヤガミはいない。けれども何を考えているか分からないけど、いざという時に物凄く頼りになる彼は何時までも、そしてこれからも夜明けの船の一員である思いは全員同じだった……。


ヤガミからショウへ。クールでもあり、変でもあり、そして熱血でもあった二番手

ショウがいよいよ実戦に参加する事と同時にヤガミがまさかの離脱。ヤガミについては今まで死亡フラグ(今回も死にませんが)を立てる事もなく、今回急に彼の重要な決断に焦点が当てられ、彼の過去やグラムと見せる大笑いしながら二人と一緒にプールへ飛び込み、第3話とは一転して慈愛号を大切にしろと熱く語るヤガミさん。彼に関しては一見クールかと思えば色々深いキャラです。クール役もやれるしギャグもやれる、そして熱血もやれちゃいますし……。
 ショウの初出撃とヤガミの離脱と一件かい離したテーマを両立させた事に関しては、おそらくヤガミはショウを自分の後釜として認めていたのではないかと名無しは考えます。ただ本当に終盤の状況ですのでショウの戦いはあまり華やかな物が見られないのが残念でした。
 


今回の突っ込み

今回はただヤガミがナイアル・ポーの元へ離脱するだけであり、その置き土産として囮役を買って出たのですが……。映像からするとまるで死に急いでいるかのように見えてしまいます……。


次回予告

ついに夜明けの船は宝の在り処オリンポス山にやって来た。だが、そんな彼らのことをキュベルネスは虎視眈々と付け狙っていた!
次回、「発見!オリンポス秘宝伝説の聖地」火星の狼が牙を向く!

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