グロイザーX 全話解説
第5話 悲しみは大空の彼方に


 日本侵攻の作戦失敗の原因はグロイザーXにあると見たゲルドンは、ダガーにゲルモスと空爆ロボ・スパイダーで発進基地の調査を命じた。そしてダガーの命で出撃したスパイダーは妨害電波を発信しながら茜島へ向かった。
 妨害電波で、日々苦しめられるステーション基地。今のところ妨害電波へのなす術がない譲達は、しばしの休息を取り、リタはマサトに飛行機の模型をプレゼントしようと、診療所に行く。だが、みどりの話だとマサトは今日学校に行っていない。彼を探すリタとみどりは、砂浜でけんかしているマサトの姿を目撃。駆け付けた譲がマサトを止めるが、彼はそのまま港へ走った。
 マサトは、今日学校で授業参観があったらしく、両親を失った彼は行くことができなかったのだ。同じ幼いころに、両親を失った譲の励ましでマサトは譲の胸でなくが、リタの心が晴れることはなかった。
 その頃、東北で空爆ロボの姿を捕えた博士はその空爆ロボが近くに接近している事から、譲は赤トンボで偵察するがゲルモスに遭遇してしまう。類まれな操縦テクニックでスパイダーを翻弄するが危険には変わりない。リタはグロイザーXを出撃させようとするが、今出撃したらグロイザーの発進基地が敵に知られてしまうため出撃できない。その中でスパイダーの回転カッターが赤トンボの右翼を切断。赤トンボは若潮岬に着陸して救援を待つことにしたが、着地に失敗して機体は岩に激突してしまい、譲も意識を失ってしまった。
 スパイダーがロボ形態に変形して着地したことで、意識を取り戻した譲は、スパイダーから逃走しながら光線銃で攻撃するがなす術もない。だが必死で応戦する末に、譲はスパイダーは頭部が弱点と見抜き、光線銃で頭部を狙いスパイダーの攻撃システムを破壊。スパイダーを撤退させることに成功したがそこで譲は気を失ってしまった。
 スパイダーが撤退したことから、博士は妨害電波を張ってからグロイザーXを出撃させる。グロイザーXはすぐさま変形して気絶している譲を救出。深手を負っている譲だがマサトの心の傷に比べたら浅いものだと、小型空爆ロボ軍団を次々と撃破。再び現れたスパイダーにグロイザーXに変形して、フライングトーペトーでとどめを刺した。
 戦いを終えて、マサトの元に帰る2人。マサトは将来、グロイザーXのパイロットになると言って、強く生きることを譲に誓った。悲しみを乗り越えようと精一杯自分と戦うマサト。その健気の姿に譲の闘志は燃え上がるのであった。


心の傷はとりあえず癒えた?
マサトに焦点を当てたエピソードですが、このエピソードでマサトに焦点を当てたエピソードは終盤の第27話を待たなくてはいけません。当初マサトの成長劇をストーリーの軸の一つにするつもりだったのかもしれませんが、色々と難しかったのでしょう。
個人的に感心した所はスパイダーの飛行形態を前にグロイザーロボが追い詰められ、リターンエックスして攻撃に移ります。この何気ない描写は飛行能力の重要性を説いているように見えます。この世界ではロボ形態はあくまでも万が一の形態。空中戦を出来る事に越した事はないという設定を活かしているような気がします。その為ロボット形態の必要性が希薄になってしまい、ロボットアニメとしては微妙な要素ですが、これはこれでありではないかと思います。


今回の突っ込み

気絶している譲に博士が「立て!立つんだ譲!!」と言っていますが、明らかにあのボクシングマンガのセリフです。この話を友人と見ていた時「怒られないのこれ?」と自分に聞かれて戸惑った事があります。譲という名の主人公は
他には若潮岬でスパイダーの攻撃から逃れる譲の動きがヌルヌル動く感があって妙に面白かったです。
あと、譲が光線銃でスパイダーに応戦して「今回の敵は手ごわい。いくら撃ってもびくともしないぞ」とコメントしていますが、譲が光線銃で空爆ロボを攻撃したエピソードは今回が初めてです。しかもスパイダーの攻撃システムを破壊する事に成功しています。角に攻撃システムを搭載したスパイダーに突っ込みを入れたいところですが……


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