グロイザーX 全話解説
第7話 リタの心を取り戻せ!


 グロイザーより強力な空爆ロボを建造する事を提案するダガーと、心理戦でグロイザーを奪取するのを目論むゴーレン。2人が言い争う、ゴーレンはリタをガイラー帝国へ連れ戻す名案があるとゲルドンに進言。それはテレビでリタの幼馴染ケントから呼びかけさせることで、祖国からの愛情を呼び戻す作戦だった。ゲルドンはこの作戦を快諾した。、ダガーもケントが若手の中で最優秀の腕を誇る成長株だったこともあり、この作戦に賛同した。そして当の本人も作戦に自信があるようだ。
 その頃、譲達はゲンの漁船で釣りを楽しみながら一息の休息を満喫していた。その中でサブが鮫を釣り上げてしまい、その衝撃でゲンと鮫が船から落ちてしまった。ゲンを助ける為ナイフを片手に海へ飛び込む譲。譲は鮫にとどめを刺すが、血で海が赤く染まったことから譲がやられたと勘違いしたリタは気絶してしまった。そして、譲を見てリタは思わずケントと姿が重なり彼の名を口にした。
 空爆ロボ・ハリケントでゲルモスから出撃するケント。リタへの再会を待ち焦がれながらジャパンテレビ局をジャックして自分が持ち込んだテープを全国放送で流す。彼の姿を見たリタは驚きを隠せなかった。彼の好意的な条件を持ち込みながらの会話に、リタはテレビ越しとはいえ涙を流しながら彼の話を否定し、部屋から飛び出してしまった。
 テレビ局のジャックで吉田局長から連絡が入り、彼は日本の為にリタを引きとめてほしいと博士に依頼する。港で一人涙を流し苦悩するリタはついにグロイザーXでガイラー星へ帰ろうとする。ケントが立派な人間だった事もあるが自分が帰れば地球が攻撃されることはないと思ったからだグロイザーXを追うために譲は博士の制止を振り切って赤とんぼで出撃した。
 コクピットの中でリタはケントが特別番組を放送するためにテレビ局の局員を2名射殺したという事を博士から聞いたが、リタにはそれが信じられない。そしてハリケントと遭遇。その際の会話でケントがテレビ局員を射殺した事が事実だと知り、リタは彼が間違っていると説得する。しかしガイラー星人は地球人より優れているとして彼女の説得に耳を貸さない。そこに譲の赤トンボが追い付き、ケントは彼女を変えたのが譲だと思いこみ赤トンボに攻撃をしかける。これを見たリタは、ガイラー帝国へ向かう事を拒否し譲を探すことを選んだ。彼女の覚悟を知ったケントはグロイザーXに攻撃を仕掛けリタには自分を殺すようにとまで言ったが、恋人である彼を撃ち落とすことをリタはできなかった。だが自分がやらなければ地球は壊滅すると気付き、リタはフライングトーペトーでハリケントに手をかけた。ケントは「俺の負けだ。元気でなリタ。さようなら……」と言い残し機体とともに散った。そしてコクピットの中でリタは泣き崩れるのだった。
 地球にとどまることを決意したリタ。彼女は日本を第2の故郷として守り抜く事を新たに決意するのだった。ゲルドン帝王の野望に利用されたケントの死を無駄にしないためにも。リタはグロイザーXから海に花束を投げるのだった。
 こうしてリタは心の傷を乗り越え、平和の為にそしてゲルドン帝王の野望を粉砕するために、譲と手を携えて戦うのを心に誓うのだった。


リタは日本人を目指す
リタの恋人ケント。髪型のボリュームが異常ですが、数少ない美形の隊長です。他には11話のガイッサムと20話のパンサーぐらいかもしれませんね。

恋人を敵に回すエピソードはグレンダイザーで存在していましたが(それ以前に宇宙円盤大戦争が存在しています)性別の立場が変わるとエピソードの雰囲気も違います。恋人の説得もありましたが、自分が帰れば地球は平和になると思い彼女はグロイザーと共に日本を去ろうとします。最もリタは自分の同胞が地球を攻撃しているという事もあり、こういう面で悪い方向に考えてしまう傾向があり、彼女ならそのような行動を起こしてしまうのも一つの責任感によるものだったのかもしれません。
そして、リタはケントが今までの経緯から立派な人だと思い、彼を信じ切っていました。そしてテレビ局員に手をかけてしまった事で、彼女は彼も昔と変わってしまった事を悟り、地球へ留まる事を選びます。譲を撃ち落とした事でリタはケントとの関係を断ち切る事を選びました。ガイラー帝国と言う名の圧力に折れたケントと折れていなかったリタ。ですがケントは己の最期を覚悟していた所もあり、彼女の無事を祈ったり劇中で好きで従っている訳ではない言っていたり、彼も気の毒な人間だったかもしれません。もしスパロボなどにグロイザーXが参戦したらこのエピソードは採用されそうな気がします。

ですが、戦いが終わった後リタはケントを殺めてしまった事を嘆いた後、自分には地球があると周りに言い、譲にはケントを殺したのはガイラー帝国と答えます。彼女の心の切り替えがいきなりすぎて違和感はないという事はありませんが、彼女は日本人として生きる事を選んだということかもしれません。実際に次回で自分の心は日本人と言っています。

すごいどうでもいい事ですが、ケントに自分の番組の放送を強要されたテレビ局員のセリフが色々現実的で笑えました。「妻に三人の子供とおふくろ」がいる彼がいろいろ可哀そうです。ひょっとしたら射殺された2名に含まれているのでしょうか……(画面では1人しかいなかったような……)


今回の突っ込み

凄いどうでもいい事ですがケントを演じられた橋本晃一さんは、譲役の古谷徹さんとマシーン飛竜でリッキーを演じていました。(注:橋本さんは初代、古谷さんは2代目)
さらに2人はペガサス星矢とキグナス氷河になります。


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