無敵超人ザンボット3 全話解説
第7話 さらば!わが友よ

脚本:荒木芳久 絵コンテ・演出:四辻たかお


 メカブースト・クモガニラが四日市で避難民を襲う。四日市がブスペアの避難した場所であり、勝平達はすぐさま出撃した。
 クモガニラが出現するまで四日市の様子を調査しろと一太郎は命令するが、勝平にとってはブスペアの捜索が最優先だ。ザンボ・エースから降りた勝平は負傷したミチを発見。すぐさま担架で彼女を運び、アキをキング・ビアルへ案内するが、アキはそれを断る。なぜならはぐれた両親を探さないといけないこともあるが、今の勝平が嫌いなのだ。ロボットを好き勝手操縦する勝平に対し自分たち避難民は戦いに巻き込まれるだけだからだ。
 その頃、クモガニラが再び四日市に出現。ザンベースはミチを運んでいるために出撃できず、2機ではクモガニラに勝てない。だが恵子は神ファミリーを叩くためキング・ビアルを殴りこんだ香月組に捕まってしまったのだ。恵子の説得が香月には通じず、やむをえずハッチを開けることになった。恵子を人質にしてキング・ビアルを破壊する香月組。そしてミチを助けるために、香月らは医務室へ殴りこんできた。花江は説得するが、香月は引き金を引いた。弾は彼女から外れたが、やはり人に向かって発砲する衝撃が大きかったのか香月には先ほどの気迫が薄れていた。そして花江の平手打ちとともに香月はその場で泣き崩れキング・ビアルから去った。
 キング・ビアルへ撤退した勝平と宇宙太は破壊されたキング・ビアルを見て言葉を失う。自分たちは地球を守るために戦っても人々の信頼を得られないことに三人は腹を立てていたのだ。しかし三人を源五郎と兵佐エ門は地球のために戦うことが今できる唯一の手段だと語る。そして3機そろってクモガニラに立ち向かうのだ。
 触手攻撃に苦戦を強いられるザンボット3。だが最大パワーが発揮されることを生かして、勝平はまきつけるクモガニラを振り回して、海辺の岩に触手を巻きつけて身動きを封じることに成功。ザンボットブローで頭を貫き、ムーンアタックでとどめを刺した。

 自分たちが戦って勝つ。それが勝平たちが周囲の人々の信頼をつかみ取る唯一の方法なのだ。勝平は今はどこにいるかわからない香月に向かって叫ぶのであった。


母は強し!?
 神花江さん。肝っ玉母さんと言うロボットアニメではあまり類を見なかった人物ですが、この人はなかなか唸らせてくれる言動を取っているのはうれしいです。
前半の山場の一つ香月の確執を描くエピソードはこのストーリーでけりをつけることになります。猟銃を持って殴りこんできた香月を止めるきっかけになったのは花江さんの平手打ち。彼女は美しい母親像とは異なり、たくましさを前面に押し出したからこそこういう堂々とした態度で相手に答えを返すことができたのではないでしょうか。演出がいまいち(自分としては平手打ちのところを思いっきりやってほしかったなぁ)それを差し引いても花江さんの行動は見事なもの。最後のフォローも見どころで、たとえどんなに縁がある人でも、たとえどんなに自分に非があったりしても相手が何をやっていいという訳ではないうテーマを現したのかもしれません。最も家族を失って抗議した結果がこれだよ!的な意味もあって香月も可哀想ですが。

ただ3人の立ち直りは少し早すぎるような。次のエピソードでは立ち直るまでの経緯を描いたエピソードがあったら面白いと思いましたが、まぁ時代的にそこまでやる考えがなかったかもしれません。


今回の突っ込み

特にないです。


次回予告

大損害を受けたキング・ビアルの修理はなかなか上手く進まない。全員が力を合わせなければならないのに、戦いを嫌った宇宙太の家族は突然戦列を離れてしまった。次回ザンボット3「廃墟に誓う戦士」さぁて、どう戦い抜くかな

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