無敵超人ザンボット3 全話解説
第8話 廃墟に誓う戦士

脚本:吉川惣司 絵コンテ;磯浜太郎 演出:石崎すすむ


 バレターが作ったあらゆるエネルギーを反射する特殊物質。ブッチャーはその物質を生かしてメカブースト・ガルチャックを作り上げることを考えた。
 勝平は廃墟から香月を探していた。キング・ビアルを修理中に無断出撃した勝平を宇宙太は追ったが、勝平からは戦いを嫌う自分の母親のことを言われてしまう。
キング・ビアルでは香月組によって被った損傷を修復するためにそれぞれの家族が修復作業を進めていた。幸いレーダーの修理が終わり、メカブースト・ガルチャックの姿を捕らえた。出撃する勝平たちだが、突然母・すみ江が宇宙太の出撃に待ったをかけた。もう戦いに嫌気がさしたすみ江達神江家は戦線を離脱して実家へ帰るつもりなのだ。しかも現在実家の近くが襲われているため、なおさら急がねばならなかったなのだ。自分の家族へ葛藤を抱きつつも宇宙太は出撃することを選んだ。だが彼の知らない間にビアルU世が分離して東京へ向かってしまったのだ。家を守るためなのだが……
 ガルチャックに合体して立ち向かうザンボット3。だがガルチャックの装甲にはほとんど効き目がなく、あのムーンアタックですら歯が立たないのだ。宇宙太はビアル2世へ助けを求めるが家に迫る火を消火してないゆえに自分にまで手伝えという始末だった。
 結局撤退することになった勝平たち。そして宇宙太は実家で目を覚ました。彼はこの焼け野原の中で家を守ることに意味があるのかを問いかけるが家族にはわかってもらえない。勝平の家族がうらやましいと言い残して戦場へ向かい、勝平と恵子には自分の家族を幸せな家族と皮肉って見せた。
 再び戦場でガルチャックに挑むザンボット3だが相変わらず苦戦を強いられる。ビアル1世のコンピュータにも弱点がないという結果が出てしまった。ここで戦いをやめたら宇宙太の家族が戦いに巻き込まれてしまう。そのような状況で宇宙太はコンビネーションアウトを提案。ガルチャックは外面をエネルギーを反射する装甲で覆われているが、内部がそうとは限らない。キング・ビアルのイオン砲でガルチャックの口へイオン砲を放つのだ。単身で宇宙太はビアルU世を操縦させてキング・ビアルを合体させる。イオン砲のエネルギーチャージが開始されるがチャンスは一度っきりしかない。サンボ・エースはガルチャックにしがみついて口をこじ開ける。そしてイオン砲が彼の口へと放たれ勝利をおさめたが、ガルチャックの残骸が宇宙太の家に直撃して大破した。
 家を失い神江家との協調にはまだ問題があるのかもしれない。しかし3人の固いきずなが今は救いの光ともいえた。


今ひとつ不憫な神江家について。
 ふと思った事ですが、神江家は他の二人と違って今ひとつ不憫な雰囲気が漂っているのではないでしょうか。神家は主人公・勝平の家族で最も出番が多い家族。神北家は兵佐ェ門がいます。しかし神江家には家族的に重要な人間がいないのです。(スパロボZでのキング・ビアルのパイロットや神江家と神北家の説明からすれば何となくわかってもらえるかと)
 そんなこと言ったら兵佐ェ門のいない神北家も神江家と同じくらいの存在かと思いますが、第12話での家族の態度を見ますと神江家よりはるかにまともです。神江家は教育ママが主導権を握っているような家庭。他の2家より描かれ方が可哀想です。今回のエピソードでも母が息子の安全よりも家の財産を選ぶというなど宇宙太も不憫な家族を持ったなぁと思います。そういえば宇宙太の戦闘服も他の隊員の色違いだったり……

 個人的に3人の中では宇宙太が一番好きということもあって、彼の勝平や恵子に向かって「幸せな家族だぜ」と自分の家族を皮肉る所には同情せざるを得ません。
戦闘面はイオン砲が初登場。外面が強力な装甲で包まれた敵に対し内面はそうと限らない描写はなかなか。勝つ見込みが完全にないとまで言われる敵が前半に登場する登場するのも珍しいです。戦闘面で宇宙太の家族を気遣う勝平には優しさを感じます。

 ただ気になることですが、神江家とはどうやって和解したのでしょうか。その手のエピソードが全くなかったから……まぁ3人のチームワークがあれば大丈夫ということでしょうか。またザンボット3は殆どが連続ドラマ性を意識したエピソードに対し、今回のエピソードはかなり単発回のイメージが強く、この話が存在しなくても話がつながってしまうのも不憫な所です。


今回の突っ込み

特にないです。


次回予告

遂に我々神ファミリーの戦いを理解してくれる人が現れた。メカブースト・アンモスラーは時限爆弾となってキング・ビアルを襲う。人々の犠牲を無駄にはできない次回ザンボット3「危うし!キング・ビアル」さぁて、どう戦い抜くかな

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