無敵超人ザンボット3 全話解説
第9話 危うし!キング・ビアル

脚本:荒木芳久 絵コンテ;落合正宗 演出:行田進


 キング・ビアル修理のための資材調達は難航していた。勝平も兵佐ェ門の旧知の人物・大滝社長に頼み込むも、全然わかってもらえない。
 修理中のキング・ビアルのもとにメカブースト・アンモスガーが接近。大滝社長の咸臨丸が氷漬けにされてしまった。駆けつけたザンバードたちはアンモスガーの冷凍ガスに苦しむもこれを撃破。だがアンモスガーの破片がキング・ビアルに付着したことを誰も知らなかった。
 凍結した咸臨丸へ向かった勝平達は殆どの乗員が凍死している中、大滝社長がかろうじて生き延びていることを知り、彼をキング・ビアルへ運んだ。だが当の本人は彼を誤解している大勢の人々の一人で、キング・ビアルを抜け出そうとしている。
 その後兵佐エ門達はアンモスガーの破片に気付いた。これを駆除するザンボ・エースだが、強力な磁力を前に剥がすのに苦労する。その時一太郎はアンモスガーの破片が水爆だと発見。制限時間は13分。このままではキング・ビアルどころか日本が吹っ飛んでしまう。キング・ビアルは離水した。だが、その衝撃で大滝社長が目覚めてしまい、脱出カプセルで脱出しようとして強力な磁気でカプセルが船体に付着してしまった。
 一太郎は磁気のSとNを利用して、ザンベースのベースレーザーで爆弾を除去する作戦を遂行。勝平が単身で大滝社長の救出に成功し、ベースレーザーによって爆弾は外れた。だがその爆弾が一体化して、アンモスガーが出現。ザンボット3に合体して彼を退けようとする。そして彼の戦いを見るに連れて大滝社長の考えも変わってきた。社長は資材を提供する意思を示して、いい戦いを見せてもらったと言い残して息を引き取った。
 アンモスガーを下した後、大滝社長の死を悔やむ勝平達。そして兵佐エ門は修理と訓練を兼ねてキング・ビアルを3機に分離させる事を決めたのだった。


補給は戦いにおいて重要な要素である。だがちょっと待て!
 基地の修理は一週間で終わるというのはこの手の作品ではよくある描写でいましたが、これはそれに対して2話程の時間をかけています。これは少しうれしいですね。
そして資材不足に対して資材の重要性を説いたエピソードで、戦いに軍事的要素を導入した作品はザンボット3とメカンダーロボぐらいではないでしょうか。
 ですが、ちょっと気になることにつながりました。異星の技術で作られたキング・ビアルに日本の資源が利用できるのでしょうか?前回での修理描写にはすでに用意された物資を使っていたからまだ納得がいきますが、前回や今回に地球の物資が利用できるかどうかの説明があればよかったなぁと思いますが。

 ですが、初めて理解者を得るエピソードでもあり。花江さんの自分たちが戦わねばならない理由を押し付けたご先祖様に怒りを感じるというセリフは決して戦いに巻き込まれる人々が被害者でもなく、この戦いをせざるを得なくなった神ファミリーもまた被害者であることを表しています。本意ではない戦いに巻き込まれてしまっても、くじけることなく戦いを選んだ花江さんは偉大です。

また今回からビアル各機を訓練するために家族が離れ離れになりますが、これは中盤のドラマのために登場人物を絞るためです。最もビアル各機が離れ離れになると戦闘面でかなり危ういかもしれませんが。


今回の突っ込み

今回のエピソードで登場したアンモスガーですが、全身水爆で構成されているという無茶苦茶な敵。こういう敵は倒すには宇宙へ放り出さなければ、まずいんじゃありません?(ブロッカー軍団第33話でちゃんとそれをやってました)こういう敵は全身水爆とか言わないで、普通に全身が時限爆弾になっているとかいった程度の説明のほうが突っ込みがなくてすんだような気がします。


次回予告

ガイゾックの巨大な基地・バンドックがその姿を東京に現す。勝平の行く手を阻むエルダータンクも。強力なバリアはザンボット3をも跳ね返してしまう。次回ザンボット3「バンドック現わる!」さぁて、どう戦い抜くかな

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