無敵鋼人ダイターン3 全話解説
第27話 遠き日のエース


脚本:星山博之 絵コンテ:斧谷稔 演出:小鹿英吉 作画監督:やしろかずお


スペードのAが記された鉄のカードが飛び去った後に襲いかかる天変地異。それを引き起こす人物はコマンダーエドウィン。一流マジシャンである彼は得意のマジックショーで地球を整地して人間牧場にするコロスからの命令を遂行していた。デスバトル"スカイウォーター"が海水を吸い上げに現れ、駆け付けたダイファイターが海水の汲み上げ作業に巻き込まれてスカイウォーターに捕らわれてしまった。
 意識を取り戻した万丈は目の前のマジックショーを見せられ、エドウィンが自分の知るある人物ではないかと思いだしていた。自分を生かした理由は何故かと告げるエドウィンだが、それは万丈をどのように処刑するかアイデアが浮かばないからに過ぎなかっただけ。アイデア不足は修行不足だと皮肉る万丈は、トランプを使った手品を披露しエドウィンの興味をそそる。あるマジシャンに教わった手品であると教えて。
 エドウィンによる万丈の処刑は人間花火に決まった。大砲に放り込まれた万丈は抵抗するも、このままでは大砲から打ち上げられてしまう。彼を救う為にレディピンキーとミスターグリーンが現れてソルジャー達を片付けていくが、万丈が大砲に閉じ込められている事を知るよう由もなく、気付いた時は点火まであと僅かであった。しかしスカイウォーターの貯水タンクを破壊すればいいと二人は思いつくが、万丈は押してダメなら引いてみろの要領で大砲から脱出に成功。貯水タンクの破壊による洪水に乗じてダイファイターを奪回する事に成功した。
 メガボーグへ巨大化変身したエドウィンは万丈処刑の晴れ舞台を壊された事を怒るが、万丈もまた夢を踏みにじられた事に憤慨していた。それは自分の手品はエドウィンから教えてもらったものだったからだ。万丈の少年時代、エドウィンは人気マジシャンとしてショーを定期的に開き万丈を始めとする子供達を虜にした。その時の思い出を今なお忘れない万丈に対し、エドウィンは昔の事を言うなと激昂する。子供に夢を与えていた彼がメガノイドに魂と身を売った事を許せない。ダイターンザンバーを手に猛攻を畳みかけるダイターン3に対し、エドウィンはメガノイドだから出来る奇術を披露する。
 エドウィンの意のままに太陽が輝きを放ち、海が真っ二つに割れて、地面そのものも割れてしまう。奈落の底に落ちたダイターン3。しかし彼の言葉から万丈は秘策を披露する。ダイターンスモークで姿を隠した隙にダイターン3がエドウィンの背後に回り込む。そして、エドウィンは残像現象でダイターン3の位置を一瞬把握する事が出来ず、その隙を突かれて後ろからのサンアタックを受けて砕け散るのだった。
 ビューティ達に手品を見せる万丈。彼女達が歓喜する中で万丈は思い出していたはずだ。自分に夢を与えたマジシャンスターエドウィンとの思い出を……。


流離いの奇術師に何が……甘ったれるなぁ!!
前半の人間花火ネタでどっと笑わせて、メガボーグとダイターンとの戦いからシリアスな展開へチェンジ、最後のどこか寂しげなオチも印象に残る回。人間花火を提案するエドウィンとソルジャーの面々と万丈の脱出劇はソルジャーの一本抜けたような行動とエドウィンの拘りもあって楽しませてくれます。。
 それからエドウィンが万丈の思い出の人であると明かすシーンから、何故メガノイドへ魂を売ったのかと叫ぶ万丈に、「さすらいの奇術師を拾い上げてくれるようなところが、メガノイド以外にどこがあるものかよ!」とエドウィンが主張して、それに対して「甘ったれるなぁ!!」と叫ぶシーンは富野監督がアドリブで追加したシーンらしく、自分を拾ってくれる所なんてないとの嘆きに対して自分への戒めもあった模様だとか……。止めに残像現象を利用して背後に回り込んでの勝利も決まり、せつないエピローグへ繋がる訳です。
 個人的に些細な所ですが、今回の目が小さい万丈達から、作画監督は山崎和男さんではないかと思いましたが、やしろかずおさんの模様。ですがこの方について情報が乏しく、ひょっとしたら山崎和男さんの変名とかでしょうか?


今回の突っ込み

今回は特にありません。


次回予告(ナレーション全話・鈴置洋孝)

羽アリの群れはダイターン3の内部に侵入して機関部を食い荒らす。コマンダーベルトリーが嘲笑う中最後の手段!全員そろって超変形作戦だ!!
次回無敵鋼人ダイターン3「完成!超変形ロボ!」にカムヒア!

BACKBACKNEXT

inserted by FC2 system