無敵鋼人ダイターン3 全話解説
第28話 完成!超変形ロボ!


脚本:松崎健一 絵コンテ・演出:藤原良二 作画監督:田島実


メカ羽アリの群れが街を食い荒らす。メガノイドの挑戦だと万丈達はマッハパトロールらで出撃するが、作戦から外されたトッポはダイターン3を持ちだして飛び出してしまう。これはコマンダー・ベルトリーの思い通り。彼はダイターン3の変形を利用した作戦を成功させてコロスのポジションを乗っ取ろうと企んでいるのである。
 先行したトッポのダイターン3はメカ羽アリ軍団に包囲されてしまう。万丈の命令に従いトッポは渋々とダイファイターに戻すつもりだが、機関部にメカ羽アリが入り込んで変形機能が破壊されてしまう。強引にマッハパトロールをダイターン3へドッキングした万丈の元にベルトリーが挑戦を告げる。ダイターン3は高度5万メートルまで上昇して、そこから一気に操縦不能の状態で地面へ急降下させるつもりなのである。流石の万丈とダイターン3でもひとたまりはない。単身で機関部へ突入して羽アリ軍団を駆除していくが、羽アリ軍団の量と朽ちた機関内部という戦場に苦戦を強いられてしまう。
 通気口を利用した攻撃で羽アリ軍団は全滅したが、ダイターン3は既に宇宙から地上へ急降下を開始していた。辛うじて飛行回路を羽アリ軍団の被害が及んでいない補助回路へ切り替えて、ギリギリの所で大破は免れた。しかしダイターン3の各セクションの操縦回路が大破している事に代わりはない。そこで万丈はビューティ、レイカ、トッポの4人による超変形作戦でベルトリーに立ち向かう。
 超変形作戦とは、右手、左手、両足の各操縦セクションを起動させて4人でダイターン3を操縦する作戦である。しかしこの作戦はパイロットの息が合わないと遂行する事は出来ず、ダイターン3への正常変形に万丈達は手間取ってしまう。幸い、ベルトリーはメカ羽アリ軍団を退けて作戦を破った万丈達をただ者ではないと思っており、彼らの事情を知らず自分をじらす作戦と思い込んでいた為、ダイターン3の変形まではなんとか終わらせることが出来たのである。
 しかし、戦闘においても息が合わない為満足に戦えず、さらにベルトリーはメカ羽アリ軍団の集合体であった為再びメカ羽アリ軍団の猛攻が迫る。もう一度機関部へ潜入されたらおしまいである。万丈は敢えて宇宙へ飛びだし、ベルトリーを追わせる。そしてダイターン3に敢えて取りつかせて、大気圏へ突入を開始する。これこそ万丈の狙いであり、大気圏突入の摩擦熱によりベルトリーを焼殺するつもりなのである。気付いた時は慌ててベルトリーは離脱するが、サンアタックが鮮やかに決まった。最もビューティ達の操縦による"パターンに拘らないサンアタック"はとても鮮やかな技とは言い難いが……。


そりゃ、変形が何時もカッコよく決まる訳でもないし、叫べば武器が出てくる訳じゃないよ

 17,25話から一転して松崎健一さんでは珍しいギャグメイン回。ですが、変形がカッコよく決まる訳ではなく、操縦方法が分からなければ叫んでも予想通りの武器が出てくるとは限らない描写にパターンを破ろうとするチャレンジ精神を感じます。ライターとしてデビュー直後ゆえの型にとらわれない発想ゆえかと。サンアタックを決める際の奇抜なポーズも、またパターンに拘る必要はないとビューティにも言わせています。変形に失敗したり、両手両足口で武器を持つ姿はシュールそのもの。
 他の点では前半の大気圏突入の摩擦熱時にギャリソンが夕飯の蒸し焼きの話を提案する"こんなタイミングでちょっと……"と突っ込んでしまう(誉め言葉)通信シーンやダイターンの奇妙なポーズそのもので逃れる万丈などなど。抱腹絶倒の回の一つです。
 些細な点ですが、コマンダー・ベルトリーは、事情を知らずに万丈を強敵と思い込んだまま倒されます。ご愁傷さま。


今回の突っ込み

今回は特にありません。


次回予告(ナレーション全話・鈴置洋孝)

不幸な娘です。リサー、アイサー。どんなに苦しくともどんなに寂しくともメガノイドに心を売ってはいけない。だから僕も不幸に不幸を重ねる事になる!
次回無敵鋼人ダイターン3『舞えよ白鳥!我が胸に」にカムヒア!

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