無敵鋼人ダイターン3 全話解説
第29話 舞えよ白鳥!我が胸に


脚本:桜井正明 絵コンテ・演出:貞光紳也 作画監督:砂川尚志


人気少女スケーター・アイサー。彼女の演技中にスケート場を突き破って謎の鮫型メカが現れた。彼女を救おうとスケート場に飛び出た万丈達は鮫メカの標的として追われてしまうが、なんとか逃れた万丈はアイサーに一目ぼれして彼女に近づこうとするが、自分がいると不幸になると言って彼女は一人飛び出してしまう。
 何故アイサーは謎の敵に狙われているのだろうか。万丈はある考えを抱きながらアイサーと再会し二人はいい雰囲気になるが、彼女の頭からはある声が聞こえる。万丈を殺せと……。だがアイサーには彼女を殺す事は出来ずに万丈の元から離れる。彼女を追った万丈だが、その場には倒れたアイサーと青いメガボーグの姿が。二人は彼女に捕らわれてしまい、その中で万丈はアイサーもまたメガボーグのコマンダーである事を知らされる。
 青いメガボーグの正体はアイサーの姉リサーだった。この姉妹は特殊なコマンダーであり、どちらかがメガボーグへ変身すると、相方の機能が停止してしまうのである。彼女達の夢はダイターン3を倒して孤児だった自分達の人生を変える事。だがアイサーは万丈を愛してしまった。その彼への愛は万丈を脱出させるという姉への裏切りでもあった。
 ソルジャー達をかいくぐりながらの万丈とアイサーの逃避行。ビューティとレイカはアイサーに嫉妬して助けに来る気配がない。危機を逃れるのは万丈の驚異的な身体能力。アイサーのスケートの腕。氷原を軽やかに滑りながらソルジャー達を片付ける二人の姿は、まさに白鳥と王子そのものである。
 だが二人の前にリサーが現れた。妹を悪夢から救わせるとメガボーグへ変身してアイサーを連れ去り、そのアイサーもメガボーグへと変身してしまう。アイサーの苦悩が聞こえる中二人は合体巨大メガボーグへ変身。必殺のツインエレクトラがダイターン3を溶かそうと迫る。
 アイサーは叫ぶ。サンアタックを自分達へ撃てと。彼女の言葉は自分を犠牲いしてまで万丈を思う証。彼女の思いに背負って放たれたサンアタックが合体巨大メガボーグを葬り去った。しかしアイサーは帰ってこない。メガノイドでも人と心が通じ合える事に賭けたアイサーはまるで城鳥のように遥か空へ消えていく。
「さようならアイサー……賭けは見事君の勝ちだよ……」


メガボーグの姫君は白鳥として飛んでいく……。

 なんとなくメルヘンチックな雰囲気が強い回。万丈とアイサーのスケート時のやりとりやラストシーンなどなど。あと主人公との悲恋というロボットアニメではよくあるエピソードもダイターン3では始めてだったりします。ただリサーに対する人間の男を憎悪する経緯とか彼女達の過去にいろいろ興味があったのでその経緯も見たかったと思ってみたり。
 今回の脚本を手掛けた故・桜井正明さんは「闘将ダイモス」や「覇王大系リューナイト」などロボットアニメでもそこそこ書かれていますが、「まんが世界昔ばなし」や藤子アニメ、アンパンマンなどのファミリーものの方が結構有名。今回と後の第38話はギャリソンを三枚目に落としたり、メルヘンチックな雰囲気などの作風の特徴を感じます。


今回の突っ込み

今回は特にありません。


次回予告(ナレーション全話・鈴置洋孝)

馬に跨り、万丈に正々堂々の戦いを挑むコマンダー・マゾニー。彼女の懐に女性に変装した万丈が飛びこむとき、ルシアンというたった一人の少女の反乱がおこる!
次回無敵鋼人ダイターン3『ルシアンの木馬」にカムヒア!

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