ゲッターロボG 全話解説
第36話 ベンケイ暗殺計画

脚本:高久進 演出:山口康男 作画監督:木野達児


 メカ電光鬼が早乙女研究所に迫る。急ぐベンケイだったが、うっかりチコという少女を轢きそうになってしまう。彼女は元気のクラスメイトであるが、家事で父を失った事から口がきけない少女でもあった。そして出撃してゲッターポセイドンで立ち向かうも、メカ電光鬼は強敵であり、ゲッタードラゴンですら手玉に取って撤退してしまう。しかしこの戦いにおいてチコが可愛がっていた愛犬が犠牲になってしまう。この件を利用してブライ大帝はベンケイを暗殺する作戦を思いつく。
 電光鬼は老人に変装してチコにベンケイが子犬を殺したと吹き込み、彼女に代わりとして野兎を渡す。そしてベンケイが子犬を殺した事を訴えてベンケイは良心に苛まれてしまう。その時ミチルが野兎事件爆弾が仕掛けられていると気付き、間一髪のところで電光鬼の暗殺作戦は未然に食い止められた。しかしハヤトはついチコが百鬼帝国の刺客ではないかと口にしてしまい、口が聞けないゆえに事実を伝える事も出来ない。ただ逃げる彼女だったが電光鬼に捕まってしまい人質にされてしまう。
 出撃したゲッターポセイドンだが、電光鬼は手を出したらチコが爆殺されると脅迫し攻撃を受ける事しか出来なかった。しかし必殺の電光鬼シャワーによるゲッターポセイドンの直撃により、その光景からチコはトラウマを克服し口がきけるようになる。そしてミチルと元気により救われたチコからの激励を聞いてベンケイは奮起。フィンガーネットで絡め取ったメカ電光鬼へストロングミサイルをぶち込むのだった。


戦いに巻き込まれた少女は子犬を失い……

 実はこれに似たエピソードがグレートマジンガーにあったりします。そのエピソードと比較して視聴してみましたが、グレートマジンガーの方に軍配が上がってしまいます。
 この理由についてですが、ベンケイに罪を償わせる姿を書く事が出来ていなかったからかもしれません。グレートマジンガーの該当エピソードでは鉄也がミサイルを回避したことで少女の愛犬の命が奪われてしまった事がクローズアップされ、そこにはミケーネ帝国は何も絡んできません。鉄也が毎日少女の元へ謝りに来る姿、犠牲者を戦いで出してしまった事で戦意を喪失し、極めつけは少女が許すまで攻撃しないでやられるままを選ぶ鉄也の姿が強烈です。
 ですがゲッターの場合百鬼帝国がベンケイとチコの間に介入してしまい、本来ならベンケイが戦意を喪失してもおかしくない状況でチコがさらわれてしまった為戦わないといけない状況を作ってしまい、ゲッターポセイドンが攻撃できない理由も、チコを人質にされているからというグレートマジンガーで描かれた自発的な行動ではなく、やむを得ない状況で手が出せない展開を選んでしまい、さらにチコのトラウマを克服させる方法で自然とチコが許した事にさせてしまった所が残念でした。
 他にも作画の状態がよろしくない、トラウマの設定が宙に浮いてしまっているともありますが、サブタイトル自体がベンケイを始末するか、チコへの償いのどちらかふらついていた気もします。


今回の突っ込み
今回は特にありません。


次回予告(ナレーション:キートン山田)

世界中から残りの百人衆を集結させ、百鬼帝国はいよいよ総攻撃を開始。敵の攻撃を阻止しようと必死で集結基地を探すゲッターチーム。その行く手を阻むメカ雷電鬼と出撃を待つ4体のメカロボット!
次回ゲッターロボG「危機迫る日本近海!」にテレビ・スイッチ・オン!


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