グロイザーX 全話解説
第10話 この命果てるとも


 強力な空爆ロボ・ダイタラスを完成させたゴーレン。今回の作戦が失敗したらその責任はダガーの作戦ミスにあるとゴーレンは彼にくぎを刺した。
 買い物の帰りに譲とリタは停泊したヨットを見る。そのヨットには鬼が乗っているとゲンは言った。鬼とは、有力な事業家・鬼島大太のことで、ゲンの話によると1年に1回茜島の別荘にやってくるらしい。またその男は10年前、ちょうど茜島に停泊した時、台風で遭難した6人の漁師からの救援を断った。その件で漁師は亡くなり、島の人々は彼を恨んで鬼と彼を呼ぶようになったのだ。さらに、彼は茜島をレジャーランドにすることを考えており、それに反対する漁師たちの意見も聞きいれるつもりはない。鬼島は茜島の人々にとって、疫病神なのだ。
 村では夏祭りの準備が進んでおり、譲達はパイロットチームの一同とともに夏祭りの手伝いをする。そしてその帰り村の子供にゆかりが苛められているのを目撃し譲とリタは彼女を助けた。養育係によって分別れる彼女を見て、彼女の環境に思わず同情してしまう2人だった。
 ゆかりは養育係と供にボードに乗って遊んでいたが、そこに小型空爆メカが現れ、ゆかりが連れ去られてしまった。駆け付けた赤とんぼはレイガンで空爆メカを撃墜するも、ゆかりを連れ去った空爆メカを逃がしてしまった。
 ゆかりを拉致したダガーはダイタラスに彼女の入ったカプセルを取り付ける。だが、彼女の命を引き換えにグロイザーXを要求するというゴーレムの提案を無視して、ダガーはゲルモスを発進させてしまた。
 ゆかりがさらわれたことを知り驚愕する鬼島。敵の要求が金と見た鬼島は一銭たりとも敵に渡さないつもりだ。彼の強欲さを咎める譲だが逆に譲が情けなかったからゆかりはさらわれたと彼に言い返されてしまう。しかしそれでも、ゆかりが可愛くないのかという譲の言葉に彼は自分の過ちに気付いた。その時ゆかりを人質にしたダイタラスが現れた。出撃しようとする譲だが博士は作戦を練るため彼に待ったをかける。だが、グロイザーXが出撃しないのを見たダラスはゆかりに電気ショックを与え、これを見た博士はすぐさまグロイザーXの出撃命令を出した。出撃の際に譲は鬼島からゆかりを助けてほしいと誠意をもって頼まれ譲は命に代えても彼女を助けると誓った。
 グロイザーXが出撃しダイタラスに戦いを挑むが、回転カッター攻撃でタキオン光弾の発射装置が故障してしまう。ダイタラスの容赦ない攻撃と、ゆかりを人質に取られているゆえに手も足も出ないグロイザーX。この状況の中博士は譲の腕なら攻撃をかわして逆転のチャンスをつかめると信じており、グロイザーXを失ってもさゆりは助けろと命令したのだ。
 ダイタラスのミサイルが被弾してグロイザーXは岩盤に不時着。グロイザーXはグロイザーロボにファイトアップして地上戦に持ち込む。タキオンミサイルでダイタラスを墜落させ、ロボ形態に変形したダイタラスも胸からの槍でグロイザーXに急接近する。譲はぎりぎりまで敵を引きつけてタキオンレインボーで敵の目をくらませ、さゆりのカプセルを機体から切り離して彼女を救出した。そして、グロイザーパンチとフラッシュボンバーの猛攻でダイタラスを破壊に成功した。焦ったダガーはゲルモスで攻撃を仕掛けようとするが、彼の手ではグロイザーXを倒せないと見たゲルドンからの命令で、引き上げることになった。
 ゆかりは無事に救出された。鬼島はこの件で自分の行いの過ちに気付きは、飛島パイロットチームに多額の寄付金を送り、レジャーランド建設も中止した。そして、村の盆踊りに参加して一時の平和をかみしめる譲達だった。少女の命は救われた。そして、譲は今一つの命の重さを感じていた。


何となく少女漫画?それはさておきグロイザーロボ吼える!
嫌な金持ちらしい父親と父の愛を求める薄幸の娘。自然問題に、親子の愛。なんとなーく少女漫画(なんとなく東映魔法少女シリーズあたり?)っぽいこのストーリー。ラストもなんとなくその手の作品らしいです。それをロボットアニメでやってみました的なエピソードかも。(グレンダイザーやダンガードAもロボット×少女アニメといいますが、そっちのベクトルは可憐な美少女キャラの恋愛ものらしい話です)
ですが、ロボットアニメでそれをやると何か中途半端な感じがしました。鬼島がどう改心するかはじっくりやってほしかったな〜という感想です。

それはそうと、今回はグロイザーロボが大活躍するという序盤&終盤の数話以外では珍しい話です。地味な印象は否めませんが、グロイザーロボがここ暫く出番がなかった鬱憤を晴らすような活躍っぷりが拝めます。最後にゲルドンがダガーを見捨てるような描写が取られている所も、後の伏線に繋がる要素です。
ストーリーはやや中途半端な所がありましたが、グロイザーロボがとことん活躍する貴重なエピソード。そういう意味では楽しめるエピソードです。
ただサブタイトルは少し大袈裟じゃないでしょうか。この命果てるともなんてタイトルだから何か大事でもあったのかと思いました。


今回の突っ込み

村の盆踊りシーンが不気味です。田舎らしい空気を描写しているらしいシーンですが、メインキャラが踊っているシーンが何かロボットが動いているような動きで不気味です。それはそうと、第2話で夏祭りで浴衣を作ってくれるといったみどりさんがまったく登場してくれませんでした。まさか忘れられたのでしょうか……?


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