グロイザーX 全話解説
第12話 女神像を破壊せよ!


 南米のエンパイヤ国から日本に平和を象徴するビーナス像が運ばれていた。だが、途中でビーナス像はダガーによって空爆ロボ・ビーナスにすり替えられてしまった。そしてその件に気づく人はいないままビーナスは日本の平和公園に置かれた。
 翌朝。来日したエンペラー皇太子を歓迎する人々。だが彼が花束を像前に置いた途端にビーナス像から現れたマジックハンドによって像内に拉致されてしまったのだ。ビーナスを操縦するハスラーは、本が国際関係を重視する所に目を付けてエンペラーを人質にしてしまった。36時間の間身柄の安全を保障し世界各国の首脳は緊急会議を開いた。
 吉田局長からその報せが入り譲はビーナス像が空爆ロボではないかと疑う。それと同時にエンパイヤ国の特殊コマンド部隊がエンペラーを救出しようとするが、ビーナス像の返り討ちにあってしまった。
 その翌朝。ハスラーは午前9時にエンペラーを引き換えにリタとグロイザーXを渡せと要求。さらに8時までに答えを出さないとエンペラーは処刑されてしまうのだ。反対する譲と博士だがリタは喜んでエンペラーの要求をのむことを選び、彼女はその際に自分と供にグロイザーXを爆破させるつもりだ。そして国防軍からはJR作戦により、譲達はハスラーの要求をのんだ。
 約束の場・武蔵野飛行場にビーナス像は現れた。エンペラー皇太子は解放され、リタと引き換えにガイラー兵がグロイザーXに乗り込むが、身を隠していた譲によって気絶してしまう。上手くいったかに見えたこの作戦。だが、ハスラーには見抜かれ、リタを乗せたマシンはビーナス像へ向かわざるをえない。しかし、GジェットとGタンクには、バクさんと防衛兵が潜んでおり、2機の連携作戦で人質の奪回に成功。その脱出の際にリタはビーナスの攻撃で足を負傷し、怒る譲はタキオン光弾で反撃。その攻撃で女神像の外壁が破壊され本体が姿を現した。空中でドッグファイトを展開する2機だが、Gジェットのかく乱のおかげもありフライング・トーペトーによってビーナスは破壊された。
 数日後、エンペラーは感謝の握手をして機上の人となった。再び平和の女神像ビーナスを平和記念公園に寄贈する事を約束して。だが、譲達の前にはさらに次の試練が待ち受けているのであった。


名もなき隊員の活躍

妙に国際的なエピソードです。日本は対外関係を気にするという点を利用した作戦の時点で、なんとなく国際的な雰囲気が漂います。
捕虜の安全を保証したり、自衛隊が積極的に活動したり妙にリアルな雰囲気が漂います。
個人的には、後半のグロイザーを人質に明け渡す作戦からの展開が面白く、譲達とハスラーとの腹の探りあいともみえる作戦が活かしています。

そして、何気に名もなき1人の防衛隊隊員(真ん中の人)の存在が光ります。この男、いきなりGドリルに潜入していたらしく、バクさんの操縦するGジェットと共に、人質にされたリタの救出を成功させます。主役メカのサポート機とはいえ、全く名前のないモブキャラが操縦するどころか、大活躍を見せるエピソードはかなり稀でしょう。その回限りのゲストキャラならまだしも、この隊員に名前はありません。何故そんなキャラにGドリルを任せたのかとも思えますが、考えようによっては名もなき人物達の戦いに描写を当てたロボットアニメでは意外と数少ないシーンかもしれません。
最後のガイラー星人が地球の平和のために努力してくれたらどんなに平和なのかと呟く所もいい演出だなぁと思います。
この名もなき防衛隊員。特にクローズアップされることなくさりげなーく描写している所がまたいいのです。いかにも名もなき隊員の戦いらしく。さりげなくこのシーンを入れると入れないとでは大きく印象が違うエピソードでした。
(ちなみに、翌年1月に放送されたガ・キーンの第16話でも名もなき人達が活躍する話を描いていますが、名もなきトラックの運転手に焦点を当てすぎたせいで、さりげなさがなくなっています)


今回の突っ込み

エンペラー皇太子が浚われるシーンでなんと!あのチャージマン研の「よくもあんなキチガイレコードを!」らしき、いやまんまそのまんまの曲が流れます!しかも後ほども何回か流れますので、チャー研好きならとにかく吹きます


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