グロイザーX 全話解説
第15話 悲劇の空爆ロボ・ビッキー


 るドゴスの姪・ビッキーは空爆ロボの隊長になることを夢見ていた。ドゴスは空爆ロボのパイロットへの道は険しいと言い、彼女に訓練を続けさせた。そして数々の訓練で好成績を残したビッキーは、遂にドゴスから空爆隊長への推薦してもらえた。空爆隊長に選ばれたビッキーは、空爆ロボ・ハイビッキーで出撃。そのハイビッキーにはゲルドンが彼女の隊長就任祝いに、謎の装備が搭載させていた。
 これまでの戦いで傷ついたグロイザーXの修理が完了し、すぐさまテスト飛行に挑む2人。前より強化されたグロイザーXに喜ぶ2人だが、その時ハイビッキーがグロイザーX接近。ハイビッキーを目がけて防衛隊の戦闘機が出撃するが、ハイビッキーの敵ではない。そしてビッキーはゲルドンが装備した切り札ICB爆弾を投下して去っていった。ICB爆弾は東京上空に謎のオーロラを発生させ、東京の住民へ街を氷漬けにしてしまう程の強力兵器だった。
 次々と発射されるICB爆弾を防ぐため出撃するグロイザーX。ビッキーは接近するドゴスに、幼馴染のリタが乗っていると告げるが、ビッキーはそれを自覚しつつもグロイザーXを破壊する事をためらわなかった。リタの言葉に耳を貸さないビッキーだが、リタから自分がICBMで大勢の人を殺した事を知って動揺が隠せなかった。そのような兵器だったとは誰からも聞いておらず、自分が人を殺すとは思っていなかったからだ。
 リタはビッキーにガイラー星へ帰還する事を頼むが、実は二年前に彼女は軍事訓練が嫌になってガイラー星へ戻りたいとドゴスに頼んだが、ドゴスは帝王がいる限り故郷に帰れないと言って、ドゴスから空爆ロボで戦果をあげたら故郷へ帰れると教えていたのだ。
 その時、ドゴスからの命令が下るが、彼女は自分が利用されていたのかとドゴスに怒りをぶつける。ドゴスは自分の立場ではどうにもならなかったことだとビッキーに告げるが、ビッキーは日本で罪の償いをすると言い、共犯者であるドゴスを殺そうとしていたのだ。ドゴスは、ビッキーがたとえ実の姪だとしても攻撃を受けたら彼女を殺すつもりでいた。早まるビッキーを止めるリタ。だが、自分の罪の重さを自覚していたビッキーはゲルモスへ特攻をかける。ドゴスはやむを得ずハイビッキーをサンダーボールで始末したが、グロイザーのフライング・トーペトーを受けて撤退した。
 報われなかったビッキーの死に涙するリタ。そして彼女を利用したゲルドンへ怒りを燃やす譲だった。


2代目司令官ドゴス元帥の葛藤
ダガー元帥の後任として登場したドゴス元帥。実はドゴス元帥は個人的に好感が持てる敵幹部の一人でした。それは行っている事は悪ですが今回のエピソードはドゴス元帥の人柄を知ることができる貴重なエピソードです。
 今回登場する姪のビッキーですが、ドゴス元帥は決してビッキーを手駒として扱っていなかったと思います。両親を失ったビッキーをこの日まで父親として育て、地球侵略の任務の元で故郷を夢見るビッキーの為に空爆ロボの隊長への英才教育を施し、ICB爆弾をビッキーに知らせなかったドゴスですが、彼女を故郷へ返したいばかりに、苦渋の思いでICB爆弾を知らせなかったと思います。帝王がいる今ではどうしようもないという言葉は司令官と父親のはざまで揺れ動く彼の本心だったと思います。
ビッキーを撃墜するのも、攻撃を受けてからとの命令を出した所も、父親と司令官の間で葛藤していた故でしょう。ですがドゴスはその後もゲルドンに忠誠をつくします。ビッキーを失って何かが吹っ切れたのか、それとも司令官として生きていくことが自分の生き方だったのかもしれません。顔は半分機械のドゴスですが、心の奥にはビッキーの父親としての一面があったのかもしれません。
このエピソードのおかげでドゴス元帥は個人的になかなか味がある敵幹部キャラとして記憶されました。

他にもビッキーが知らなかったとはいえ人殺しと糾弾したリタもポイントです。ですがケントとビッキーの最大の違いとして、彼女が殺人の重さを知っていたか知らなかったかです。幸い人殺しになると思っていなかったビッキーはリタにとってまだ同情の余地があったらしく、彼女を茜島へ迎え入れようとしています。


今回の突っ込み

今回は特にないです。


BACKBACKNEXT

inserted by FC2 system