グロイザーX 全話解説
第20話 さらば宇宙の友よ


 次々と敗れるガイラー帝国の空爆ロボ。ドゴスはグロイザーXではなく、譲がいる限りグロイザーXを倒せないとゲルドンに進言し、成功するまで譲の暗殺計画にとりかかることを提案。ゲルドンが作戦を快諾した為、ドゴスはパンサー隊長に譲の暗殺計画を任せた。
 赤トンボの整備をしていた譲とゲン。だが一平はグロイザーXとガイラー星人との戦いがいつまで続いているか考えており、彼はリタと同じ優しいガイラー星人がいるかと2人に尋ねる。譲はいないと言い張るがリタは彼に他にも平和を愛するガイラー星人はいると主張する。リタにお前はすでに地球人だと言ってその場から立ち去った。
 ゲルモスからセスナJ3号機で茜島に向かうパンサー。そこで彼はクロード・パンサーと名乗り、茜基地に着陸許可を出すが、博士は不審に思い保安局へ連絡。どうやら彼は譲と腕を競うために日本上空を飛びまわっているらしく、航空機との衝突を避けるため譲にパンサーの説得を依頼する。譲と出会ったパンサーは、上空でセスナJ3号と赤トンボの飛行テクニックが競い合われていた。彼の高度な飛行テクニックと平然とした態度。そこから博士はパンサーが只者ではないと思い警戒する。そして、譲は岩山のトンネルを通過するのに失敗してしまう。勝機を見出したパンサーだが、何と彼までも失敗してしまいセスナが沈もうとしてしまう。譲からのアドバイスを受けるパンサーだが、2機は接触事故を起こしてしまい、赤トンボは墜落してしまった。
 墜落直前にパラシュートで脱出したパンサーは譲の暗殺を狙うが、引き金を引く寸前譲から赤い血が流れているのを見て、パンサーは譲を治療した。パンサーには傷ついた者を殺すことはできなかった。何故なら幼いころにパンサーは「紅い血が流れるものはみな兄弟」と教えられていたからである。その言葉を思い出したパンサーは、譲を殺せなかったのだ。
 譲を担ぎ出すパンサーだがそこに捜索の為出動した小型空爆ロボに遭遇。パンサーは譲とは平和な時期に遭いたかったと言い残して立ち去るが、ガイラー兵に誤射されてしまう。その際パンサーは譲を始末したと偽の報告を言い残し、彼は医務室へ運び込まれた。
 パンサーとの出会いからガイラー星人への考えが変わりゲルドンを倒すことを改めて誓う譲。だが、空爆ロボ・ブラックパンサーが現れ、グロイザーXで出撃する。だがブラックパンサーのパイロットはパンサーだった。パンサーは反対したがゲルドンからの命令で戦わざるを得なかったのだ。そんな彼ができる精いっぱいの抵抗。それは無抵抗のままグロイザーXに倒されることだった。その事を知らない譲はフライング・トーペドーでブラックパンサーを撃破するがその際の声から譲は、パイロットがパンサーだと知った。その後譲は、パンサーのヘルメットを海に投げて、彼の冥福を祈った。


クロード・パンサー、精一杯の抵抗
冒頭で譲が心優しいガイラー星人がいないといきなり言いますが、恐らく一平が言っていた通り彼は戦いに疲れていたと思います。これが序盤の話ならともかく、ガイラー星人にも戦いの犠牲者になった者がいると知り始めた中盤ごろですから恐らくそういうことだと思います。
そんな彼はパンサーとの出会いで考えを変えます。パンサーは譲に流れている赤い血が自分と同じものとみなし、ガイラー星人と地球人は兄弟のような存在だと気付いたのかもしれません。天涯孤独だった彼にとって幼いころからの教えは人生の支えで、譲を殺す事は自分の人生を否定するようなものだったのかもしれません。
その後、ガイラー兵から譲を逃がす為『平和なときに会いたかった』と言い残して、ガイラー兵の元へ突入します。普通ならここでガイラー兵の攻撃を受けて散る所ですが幸いにも一命を取り留めて、ブラックパンサーのパイロットとして戦いを挑まざるを得ない状況で、ゲルドン帝王の命令と自分の良心の狭間でパンサーは無抵抗のままグロイザーXに倒されることを選びました。そして譲に『一日も早く平和な日が来る事を祈っている』と言い残して散りました。

おそらく中盤では屈指の名キャラにあたるパンサー。彼がいたからこそ、戦いの続く中で平和を望むガイラー星人もいる事を譲は再認識し、今後の戦いへの決意を固め、さらに後へと繋がるガイラー星人の平和主義者へと物語が繋がっていくのかと思います。


今回の突っ込み

パンサーのヘルメット……明らかに流竜馬のヘルメットの色違いですよね……。髪型も何となく竜馬に似ています。あとパンサーを誤射してしまったガイラー兵が何故かため口でパンサーに話しています。あまり威厳がなかったのでしょうか。それとも戦歴が浅かったのでしょうか……


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