グロイザーX 全話解説
第30話 死を呼ぶ電撃作戦


 自由に稲妻を起こせる重空爆ロボ・ダイガーを開発したゴーレン。稲妻の力を利用して主要都市とグロイザーXを破壊できる程の性能をダイガー持っているのだ。
 マサトを赤トンボに乗せてアクロバット飛行をする譲。だが博士は他の仲間たちにマサトの余命があと僅かだと言う事を告げる。マサトはまだ知らない。そのような残酷な事などとても本人言えるようなものではなかった。マサトが別れた後、バクさんからマサトについて尋ねられ、譲はマサトの病気が悪化したら明日にもマサトは死ぬと告げる。
 関東一帯に人工雲を発生して、そこから電撃を落として関東地方を恐怖に陥れるダイガー。怒りに燃える2人はグロイザーXで出撃しレインボー光弾で雲を追い払う。そして、ダイガーに遭遇したグロイザーXは戦いに挑むが、ダイガーの高性能を前に苦戦し、完膚なまでに叩きのめされてしまう。絶体絶命のグロイザーX。譲はタキオンバリアーを張るが、ダイガーの体当たり攻撃がグロイザーを襲う。しかし、一瞬のすきをついてフライングトーペドーを激突させ、一時前進基地へダイガーを引き揚げさせた。追撃しようとする譲だが、グロイザーXとリタが傷ついていることから、博士からの命令通り茜島へ引き上げることにした。
 基地に着いた譲は満身創痍の状態で倒れた。そして夢の中で恐怖にうなされていた。診療所で目を覚ました譲は自分が無意識のうちに恐怖に支配されている事に気づいた。そして、博士から自分が2日間眠っていた事を知らされ、昨日マサトの容体が悪化して、今日が彼の峠だと知らされる。慌ててマサトの元に駆け寄った譲は、マサトが必死に残り少ない命と戦っている事を知らされ、自分が勇気を失っていた事を知らされる。マサトは自分がもうじき死ぬ事を確信しており、譲はマサトに事実を突きつけた。マサトは死ぬ前にもう一度譲と空を飛びたかったと言い、ガイラー星人に負けないでと言い残してマサトは静かに息を引き取った。落胆する人々。その中でダイガーが再び現れ、譲はリタに自分だけで出撃させてほしいと頼んだ。
 マサトの死を乗り越えてダイガーに勝負を挑むグロイザーX。一か八かの体当たりでダイガーを故障させ、フライング・トーペドーでダイガーを葬り去った。
 マサトの敵を討った譲。そして譲達はマサトの冥福を祈り、譲はガイラー帝国を倒す決意を固めたのだった。


安藤流ここに極まる!
前回でも子供のやりきれない死が描かれましたが、今回のエピソードはさらに際どい所を突きました。そうです、とうとうマサトに最期が訪れてしまったのです。3カ月から半年の余命と第27話で言っていたにもかかわらず、無情にもその時が来てしまったのです。しかも譲が戦いに敗れて二日間眠っていた間にマサトの体を病魔が一気に蝕み始めてしまう所が残酷なもので、マサトは幼い命を落としてしまいます。そして無意識とは言え恐怖に脅かされていた譲は懸命に生き抜こうと病魔と闘ったマサトの勇気によって、恐怖を振りはらわれて、マサトの死に怒る譲は鬼神のような勢いで空爆ロボ・ダイガーに立ち向かい勝利をおさめます。

今回の脚本はメインライター安藤豊弘さんによるもの。安藤さんはグレートマジンガー、鋼鉄ジーグでも同じ危篤の子供と、恐怖を振りはらって闘志を取り戻すきっかけになったもの。ただグレートマジンガーはその限りのゲストキャラの死、鋼鉄ジーグは妹というレギュラーキャラ故に死を許されずに一命を取り留めます。グレートマジンガー、鋼鉄ジーグ。偶然にもダイナミック作品の血が受け継がれていったように、安藤さんのこだわりがこのエピソードに結集されたと言ってもいいでしょう。70年代ダイナミックロボットアニメのトリを飾ったグロイザーX。この話はグロイザーXを象徴する姪エピソードの一つでしょう。


今回の突っ込み

今回は特にありません。


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