グロイザーX 全話解説
第33話 茜基地に突入せよ!



 茜基地で、さくらを始めとする黒潮丸の乗員たちの家族は、譲達に彼らの救出を嘆願。譲達は必ず彼らの救出をすると宣言した。その為に一日でも早く秘密前進基地を捜索する譲とリタ。譲はGシャークで発見された海底トンネルへ潜入。海底トンネルは秘密前進基地につながっており、ゴルゴは出撃をドゴスに要請するが、彼はゴルゴの怪我が治っていない事もあり、そしてGシャークに発進装置を取り付けて茜基地を探るために出撃をさせなかった。
 海底トンネルは近くの人口火山島につながっていると確信した譲は、Gタンクで調査開始。秘密前進基地への通路に侵入するも、障害物に阻まれてしまい身動きが取れなくなってしまった。ドゴスの仕掛けた障害物にダメージを食らうGタンクは辛うじて逃げ伸び、一旦茜島に引き上げることにした。だが、彼らが引き上げるときこそドゴスにとっては最大の狙い目だった。何故なら茜基地の居場所が分かるからだ。
 グロイザーXがローカル空港から発進していた事を知り驚くドゴス達。そしてドゴスは茜島に夜襲をかけるつもりだ。ひと風呂浴びて、夕食のビフテキを頂き、一時の休息を満喫する譲達。その夜バクさんは赤トンボに座ったまま、自分の戦友が死んだのに自分だけ何も手柄を立てれないままここまで生き延びてしまった事を嘆きながら眠っていた。
 しかし、ドゴスとゴルゴが乗るドクロの魔の手が茜基地に迫っていた。突然の事態に驚く譲達だが、彼らが出撃する前にゴルゴが率いる突撃部隊が潜入。茜基地の隊員を次々と倒していく。絶体絶命の状況に国防軍のレンジャー部隊が救援に向かうが、ゴルゴはサブと博士をとらえてしまい、彼のいる所まで案内されてしまう。格納庫では譲とリタがグロイザーXで出撃しようとしていた所であり、彼らを守るためにゴルゴに従ってグロイザーXから下りてしまった。
 バクさんが目を覚ました時茜基地は既にドクロに占領されてしまった。グロイザーXも敵の手に渡ってしまい、この危機を救えるのはバクさんだけだと言っても良かった。
 サブが人質に捕えられてしまい、譲はグロイザーXをガイラー帝国へ明け渡さざるを得なかった。さらに状況が悪化する中バクさんは赤トンボを飛ばしてグロイザーXの出撃を食い止めようとした。滑走路を滑走する両機。そして、赤トンボはグロイザーXのタイヤに激突。ゴルゴ達が衝撃で吹きとばされる中、譲達はゴルゴ達を人質にとらえて形勢逆転。グロイザーXの攻撃を受けてドクロは撃墜され、ドゴスは脱出した。
 茜島に訪れた危機は去った。しかしバクさんは激突した赤トンボの中で息を引き取っていたのだ。彼の犠牲に涙する譲達。自分を捨ててグロイザーXと茜島、そして日本の危機を救ったバク。譲達は彼の冥福を祈るのであった。


さらばバクさん!歴戦の勇士は戦友の元へ還った

今週も黒潮丸の乗組員に触れて終盤への盛り上がりを見せますが、それよりもムードメーカーのお爺さんキャラバクさん。そんな彼が特攻して命を散らすとは誰が思っていたのでしょうか。同じダイナミック作品ではグレンダイザーの団兵衛がバクさんの先駆けですが、ギャグ担当キャラに終ったに対し、バクさんは元ゼロ戦のパイロット。空爆・戦闘機の要素を色濃く受け継いだグロイザーXの世界で彼は終盤で化けました。
最初はムードーメーカーなバクさんでしたが、激化する戦いの中で仲間達の危機や死と遭遇するたびに徐々に自分の死に場所を探し(第24,30話)はじめていたのかもしれません。赤とんぼの上で戦友を思いながら毎晩眠りにつくバクさん。しかしその間に茜基地が占領されていたのを見て自分の責任と思ったのかもしれません。
最も彼に夜間警備の仕事は託されていませんのでバクさんに責任はありません。しかしバクさんはこの状況を前に花を咲かせる機会を見出したのです。先に散った戦友達に対し自分は何も成果を上げずにここまで生きてしまった。そして今、自分が命をかける時を見出し、迷うことなく赤トンボと共にガイラー帝国へ旅立とうとするグロイザーXに体当たりをかまして、グロイザーXを救いました。
そして、バクさんは操縦桿を握ったまま息を引き取りました。ですが彼の表情はどこかやすらかなもので、それは今まで生きていた人生の重みを表しているようでした。
バクさん、貴方はムードメーカーでもあり偉大な先人でした……。この時代にこの手の深いキャラは珍しかったのではないでしょうか


今回の突っ込み

今回は特にないです


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