超電磁マシーンボルテスX
全話解説
第2話 苦闘への前進

脚本:田口章一 絵コンテ:高橋資祐 演出:横山裕一郎 作画監督:金山明博


ボルテスXの基地ビッグファルコンの場所をボアザンの科学者ド・ズールが探し当てた。次なる獣士バイザンガを携えて戦闘指揮官ルイ・ジャンギャルがスカールークで出撃を開始した。
 ビッグファルコンではボルテスチームとビッグファルコン達の所員が集った。彼らは秘密訓練を成し遂げた強者。浜口博士は彼らの訓練の成果を試す為にボルテス側とビッグファルコン側に分けて模擬戦を開始することを決めた。ビッグファルコンの標的をボルテスチームが攻撃するのだが、ビッグファルコンは倒してもかまわないから全力でボルテスXを倒すのだ。
 一方光代は今は行方が知れない夫であり健一達の父・剛健太郎の墓標前で健一達の成長を告げる。まだ宇宙からの侵略者が信じられていなかった頃、健太郎はボアザン星の地球侵略を阻止する説得の為にボアザン星へ乗り込んだ。そして彼はもし自分が帰ってこなかったら、地球への侵略が開始された時に備えて光代と浜口博士にボルテスXとビッグファルコンの開発と、健一達を戦士として鍛え上げる事を言い残して彼女の目の前から去っていったのだ。
 ボルテスチームとビッグファルコンの模擬戦が始まった。しかしその直後にバイザンガが出現。ボルトマシン個々の攻撃がバイザンカは押していき、撤退しようとするバイザンガを追撃するボルテスチームだが、手薄になったビッグファルコンにスカールークが出現、さらにビッグファルコンへの帰還を急ぐ光代がスカールークの攻撃を受けて重傷を負ってしまった。
 敵の両面作戦、母の負傷。これを聞いた健一達は動揺を隠せなかった。ビッグファルコンへ引き返す事を阻むバイザンガにボルテスXが立ち向かう。だがボルテスXの合流直前に光代が緊急治療を受けていたビッグファルコン内部の病院が破壊されてしまい母が投げ出されてしまった。自分達が食い止めると主張する一平とめぐみ、母を救おうとする弟二人だが健一は母を救うために合体を解く事を良しとしなかった。合体を解けばビッグファルコンが壊滅してしまう。目の前の敵を倒す事がボルテスチームの使命、そして母なら自分を救うより敵を倒せというだろう。
 苦闘の中でボルテスチームは前進せざるを得ない。だがバイザンガの鎖分銅がボルテスXの動きを封じてしまう。光代は劣勢のボルテスXを目にして瀕死の身でありながら戦闘機を発進させた。そして、バイザンガへ特攻する時の母は何かを悟り、また息子たちを救う事に全てを捨てた。健一の叫びも母には届かなかった。

「あなた……健一、大次郎、日吉!!」

母の決死の特攻がボルテスXを拘束から振りほどいた。だが……健一は涙ながらに叫び、そして立ち上がるバイザンガに怒りが震えた。健一ら三兄弟の気迫がボルテスXへ乗り移り、バイザンガを滅多打ちにする。 そして天空剣がバイザンガをVの字に叩き斬る。
「母さぁぁぁぁぁぁぁん!!」
そして、海に向かってそう叫べど、母はもう帰ってこないのだ。


母の死が、父の謎が物語を動かす
第1話ではコン・バトラーの影響がぬぐえず少し押しが弱かったのですが、この回から微妙に雰囲気が変わってきます。父・剛健太郎は何処にいるのか。この頃は死亡したような事を光代母さんは言っていましたが、本編の映像から絶対何かあるぞと思わせている所がボルテスXの特色でしょう。
あと光代母さんの存在は当時のロボットアニメでも稀だったと思います。主人公の父が科学者という設定はよく見ましたが、母が科学者でもあり司令官でもある所は強い母親を感じさせてくれます。長浜御大が手掛けた「勇者ライディーン」のレミリア女王とはまた違う、現実性を兼ねた強い女性。クールビューティーに振舞う母の姿は結構新しいアイデアだったと思います。それだけに2話で戦死される事が残念ですが、母の特攻の後のバトルは壮絶。台詞なしに逆襲せんと戦うボルテスXの気迫に獣士バイザンカが後ずさりしてしまう程です。


今回の突っ込み

今回は特にありません。


次回予告(担当ナレーション;市川治)

地球侵略を阻止されたプリンスハイネルの怒りが爆発する。ビッグファルコンを襲う両面作戦の恐怖とは何か!死を賭けた母がボルテスXの危機を救う!!
次回ボルテスX「苦闘への前進」にご期待ください!

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