超電磁マシーンボルテスX
全話解説
第3話 墓標が教えた作戦

脚本:辻真先 絵コンテ・演出:とみの喜幸 作画監督:金山明博


二連敗に苛立つハイネルはジャンギャルとズールに切りかかろうとするが彼らは寸での所でかわしてしまう。しかし、女性科学者カザリーンは切りかかって来た時にも自分の死をもって作戦を成功させると告げることで彼の機嫌は直った。そんな彼女が開発した獣士が蜂をモチーフにしたボンザルスだ。
 健一達は光代の墓前で勝利を報告するが、一平が彼ら三兄弟を乳離れが出来ていないと馬鹿にする。腹が立つ弟2人に対して健一は私情を捨てるように発言するが、1人での射撃訓練では1人母を想い涙を流していた。これで泣き納めだと告げて。
 母親の事を嫌う一平。その理由を聞こうとするめぐみ。口を割ろうとしない一平に対し、彼の母親の話を聞こうとした。
 訓練中のボルテスチームだが、母の事で度々ちょっかいを出す一平と、訓練に私情を捨てる生真面目な健一が衝突してしまう。そんな時にボンザルスが出現。 高速で攻めかかるボンザルスにボルト・クルーザーも追いつかない。更にボルトクルーザー、ボルトボンバー挟撃が失敗して同士討ちの危機に陥り、クルーザーの主翼で切られたボンバーフックが光代の墓標を破壊してしまったのだ。先程母を馬鹿にしていた件もあり一平は健一を攻撃したと誤解する大次郎と日吉。
 チームワークはバラバラのままめぐみが負傷。幸いランダーコンクリートによりボンザルスのスピードを殺したために撤退へ追い込み、めぐみの怪我もたいした事がなかった。そして彼女はチームワークの不和が原因である母について一平の話を浜口博士へ告げる。
 その一方健一と一平の不仲はとうとう殴り合いにまで発展してしまう。しかしその最中にめぐみが仲裁に入り、一平の母親への想いと過去を皆に告げた。それは幼少時一平の家族はアメリカの開拓に失敗、重病の父と幼い一平を母が支えていたが、野宿中に母は姿を消してそれ以降会う事はなく、父は病死して、一平は幼少時から貧困と戦っていたのだ。この話を聞いて健一は拳を振るのを止めた。
 だがボンザルスが再び襲来。出撃するボルテスチームだが浜口博士は一平へ母の事を告げる。知られたくない過去を掘り返されるのを嫌う彼だが、浜口博士は連邦警察に一平の家族の調査を託していたのだ。その結果母が消えた日、家族を襲おうとする狼の群に対し、自分もろとも狼の群を爆死させて夫と息子を救ったのだ。自分が生きているのも母が命を賭けた活躍があったからこそなのだ。
 高速で移動するボンザルスを前にボルトインを許されないボルテスチーム。だが一平は先程の同士討ちの危機から妙案を思いつく。それは適当に放ったボンバーミサイルをクルーカッターではじく事で相手へ当てる方法だ。この不意打ちに怯んだボンザルス。今こそブイトゥゲイザーレットボルトイン!ボルテスXとゴンザルスの死闘が始まるが、ゴンザルスがボルテスXを振りまわすそんな状況での遠心力に健一達はひるんでしまう。
 だが視界の中に母の墓標を捕らえ健一の闘志がたぎる。至近距離で天空剣を射出。ゴンザルスから距離を取ったボルテスXの猛反撃、そして天空剣Xの字切りが鮮やかに決まった。

 光代の墓標前で一平は母の愛を知った事を告げて剛三兄弟とも和解した。そして自分達のように両親を失わせたくない。その為にボルテスチームは戦うのだ。


母の死……真相を知り絆が深まる
ここからはキャラクター回と言いましょうか。健一と一平の対立が描かれます。第2話で光代を助ける為に自分達が食い止めると告げた一平ですが、今回の剛兄弟への妬みはやはり母を失って、墓へ参る健一達に嫉妬してしまったのは、母が自分を捨てたと思い母を思い出す事も許されないからなんでしょう。
 真実を知る方法が少し唐突でしたが、一平の母の最期も強い母として描かれ、家族を救うために散った母を知れば健一の気持ちがわかり、また一平の過去を理解する事で健一達も彼の悲しみを理解できて和解。いい展開だと思います。また墓標を絡めた戦いの展開も強い母を意識させるいい展開です。


今回の突っ込み

一平が浜口博士の孫である、また母方の祖父である裏設定がありましたが、今回の描写からだと忘れられた設定と考えるべきでしょうか。我が娘の生死は博士にとっても一大事だと思いますが……ただ、娘は勘当を食らったとの設定もあるようなので眼中になかったのかもしれませんが。


次回予告(担当ナレーション;市川治)

遂にボルテスXの天空剣は獣士ガルドの挑戦に破られてしまった。胡蝶返しに全てを賭けて、健一は絶体絶命の危機へ立ち向かう。一瞬の戦いに勝利を得た者は誰か!?
次回ボルテスX「魔のシャドウ必殺剣」にご期待ください!

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