超電磁マシーンボルテスX
全話解説
第15話 皇帝陛下のプレゼント

脚本:桜井正明 絵コンテ;高橋資祐 演出:山崎和夫 作画監督:高橋資祐金山明博(総作画監督)


緊急空間移動装置により、皇帝からプレゼント代わりにとある人物が送り込まれる。どうやらその人物は地球征服に極めて役立つ人物であり、彼を目にしてハイネルは驚きを隠せなかった。
 タッコと模型で遊ぼうとする日吉はとある人物に出会った。日吉は震えた。何故なら彼は剛健太郎。父そのものの人物だったのだ。父は地球とボアザン星の無益な戦いを終わらせる為に秘密作戦基地へ身を隠して計画を進めていたのだ。父から健一、大次郎。息子に会いたいと日吉に頼んだ。
 父からの連絡を受けた健一と大次郎は思わず無断で父の元へ向かってしまう。そして父と抱擁を交わしながら号泣する3兄弟。しかし、健太郎は戦争を終わらせる為に、彼らをボアザン星へ向かわせると言いだした。ボアザン星は本来平和な星であると告げる父だが、3人には信じられない。しかしボアザン星へ向かうことに反対する日吉を張り倒し、実の息子にも発砲する事に躊躇わない。父はどうかしている。大次郎はやむを得ず父を気絶させるが、そこにスカールークの攻撃が剛親子を襲う。これはハイネルの作戦であり。プレゼントとして贈られた人物はなんと剛博士だったのだ。父が息子を殺す事はないと作戦に懐疑的だったズールがスカールークで出撃して攻撃を仕掛けたのだ。

 しかしハイネルには剛博士が気絶した事も計算の内だった。医務室で日吉が剛博士を看護していたが、ハイネルの命令で父はビッグファルコンを占領せんと飛び出したのだ。そして指令室で岡防衛長官を追い払い、ビッグファルコンを無防備にさせてボルトマシーンへ攻撃を仕掛けてしまう。父の反乱に加え、獣士ジャガードがビッグファルコンを襲いかかる。健一は父を無力化させて、日吉を救うために司令室へ急ぐ。日吉を人質に取ろうとする父に健一は震える。しかし岡防衛長官が剛博士に隙を突き、健一は父と取っ組み合い、一本背負いが炸裂。床にたたきつけられて右腕がちぎれ飛んだ剛博士にかける健一は驚愕した。それは父そっくりのロボット。卑劣なボアザンの作戦に怒りで震える健一だが、ハイネルもまた健太郎がロボットであることを全然知らなかった。
 ボルトマシーンが全機揃いボルテスXへ合体。ジャガードの俊敏な動きと、灼熱の攻撃にボルテスXは苦境に陥るが、父が帰ってくる日まで地球を守る健一の決意は固い。天空剣で顔に張り付いたチェーンを破り、ジャガードにVの字切りをお見舞いして見せた。
 今回の戦いにハイネルは震えた。破れただけではない。剛博士をロボットだと知らせなかった皇帝に、自分は信頼されていないと感じたからだ。そして剛3兄弟は本当の父との再会を信じ思い出の写真を収める事しか今は出来なかった。


何かに誘われて……
桜井正明さんの脚本回は偶然かもしれませんが、何かの目的の為に独断行動を取ってしまい、自分や仲間が危機に遭ってしまうエピソードであることが共通しています。今回のエピソードも父そっくりのロボットに健一達が彼の頼みの乗ってしまいビッグファルコンが危機に晒されるエピソード。ある意味桜井回で最も被害が大きいエピソードです。
今回も単発エピソードかもしれませんが、第13話から父が生きているや目の前の父と自分達が抱く父の理想とのギャップなどをちらつかせていた所で、目の前で本物と思われる父の言動を見せつける事が出来た事、また第8話で当てたハイネルの過酷な境遇を掘り下げる事が出来た事から前回より頑張っています。


今回の突っ込み

まず冒頭で父に再会して日吉が熱を出してしまう描写があります。今回の戦いは大丈夫だったのでしょうか。それともボルテスチームに病気という甘えはないのかもしれません。
次に重体と思われている剛博士を手術しようとするビッグファルコンの医者の姿がありましたが、これロボットだよ!て気がつかなかったのでしょうか。上半身の姿を見ればあぁこいつはロボットだと思えるような気がするのですが。服を着ていたら人間であると言い張れる機能があったのか、または医者がよほど……だったのでしょうか。


次回予告(担当ナレーション;市川治)

浜口博士を失ったビッグファルコンに、今プリンスハイネルの波状攻撃が叩きつけられる。大損害を被ったボルテスXを救う佐近寺博士とは何者か!?
次回ボルテス「ファルコン壊滅の危機」にご期待ください!!

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