超電磁マシーンボルテスX
全話解説
第23話 小犬よ明日に歩め!

脚本:塚本裕美子 絵コンテ;高橋資祐 演出:山崎和夫 作画監督:高橋資祐、金山明博(総作画監督)


裏切り者ズール亡きあと、自分は尚更ハイネルに忠義を尽くさなくてはならない。カザリーンは秘蔵の獣士ガルスでボルテスXを仕留めるつもりでいた。その前にガルスの調整も兼ねて付近の野犬達を襲わせ殆どを皆殺しにしてしまった。そして獣士として改造されたガルスは自分の身体のサイズを自在に伸縮させる事が可能であり、小回りの利かないボルテスXをかく乱させながら倒すつもりである。
 大次郎はたまたまガルスに母親を殺された小犬を見つけ、母を供養してビッグファルコンへ小犬を連れた。 そして、我が子を守るために命を賭けた母犬を考えて母・光代を健一は思い出してしまう。そんな時にガルスが出現。出撃したボルテスチームだが迅速なスピードを誇り、サイズを自由自在に変えて目くらましを得意とするガルスに合体しても苦戦を強いられてしまう。援護しようとビッグファルコンが攻撃を仕掛けるが、それが裏目に出てガルスはビッグファルコンへ標的を変えてしまう。だがその中で小犬はガルスが母親の敵であることに気付き、ビッグファルコンから飛び出してしまった。
 体勢を立て直し反撃に出るボルテスXだが、ガルスは全身でボルテスXを貫き、戦況はボルテスの劣勢だ。だが小犬の吠えにガルスが反応。ボルテスXから離れてしまう。野生の血が騒いでしまったが留守を収拾する為にカザリーンは頭脳制御装置を機能させてボルテスXを始末させる事を命令する。
 そしてガルスの牙と爪がボルテスXを抉ろうと食い込んでいく。だが小犬は頭脳制御装置を見つけ、全速力で飛びだして頭脳制御装置に食らいついた。小犬に気を取られたガルスに超電磁ウェーブが炸裂。危機を脱したボルテスXの天空剣がまたも獣士をVの字に切りつけた。
 ガルスは小犬に取って母親の敵ではと考えるボルテスチーム。だが小犬は自分の幸せを自分で掴む為に、また自分で生きる道を切り開く為に何処かへ去っていた。小犬の生きざまを見て自分たちもまた自分達の手で幸せをつかみ取ろうと決めるボルテスチームであった。


番外編?自分で掴む幸せに価値がある
前半戦と後半戦のちょうど合間に存在するエピソードですが、久しぶりに飛ばしても特に問題がないようなエピソードです。とある小犬の敵討ちの物語で、謎や新たな展開と全く無縁の初期を除いてボルテスXでは極めて珍しいエピソードだと思います。
今回の脚本を担当された塚本裕美子さんは巨神ゴーグやダーティペアの脚本、小説版天空のエスカフローネの作者で知られる方ですが、長浜忠夫さんと出会ってアニメファンから脚本家に転身した人らしく、ひょっとしたら今回のエピソードは塚本さんの処女作かもしれませんね。ファンに脚本を任せた特別編として敢えて番外編っぽいノリかもしれません。


今回の突っ込み

小犬でありながら、ガルスの急所にダメージを与え、傷一つ負わなかった小犬。ひょっとしたら小犬の方がガルスより強いのではないでしょうか。


次回予告(担当ナレーション;市川治)

突如ビッグファルコンを襲う隕石の群に隠された狙いとは何か。超強化合金に包まれた鎧獣士オコゼニアの攻撃に、ボルテスXの天空剣は跳ね返されてしまった。
次回ボルテスX「敵・新将軍の挑戦状!」にご期待ください!!

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