超電磁マシーンボルテスX
全話解説
第28話 父剛健太郎の秘密

脚本:五武冬史 絵コンテ・演出:寺田和男 作画監督:金山明博


ビッグファルコン内で治療を受けるダンゲ将軍は死期を悟り健一達へ剛博士の事を告げる。父は身を潜めて独自の研究を進めていると告げて、隠れることに疑問を告げる健一達だが、ダンゲ将軍はとうとう告げた。剛健太郎もまたボアザン星人であることをだ。

 角の有無が貧富の差を決めるボアザン星。ボアザン123代皇帝の弟夫婦が息子を出産したが、その子には角がなかった。彼の存在で弟夫婦の身分は労奴に落とされてしまう事もある。父は出産に関わった医師バルムに人工の角を付けて育てることにしたが、彼は成長していくつれに悩みを抱えた。それは何故角があるとないとで差別を受けなくてはならないのかである。
 その後彼は科学大臣として優秀な成績を修め、ロザリアと結ばれる。そんな中で皇帝陛下が崩御された為、彼が次期皇帝に選ばれようとしていた。しかしこれを良く思わない者がいた。それは皇帝と愛人の間の子ズ・ザンバジル。彼は即位式の日に彼の弱みを掴む事に成功。大勢の貴族の前で角を外して見せたのだ。
 彼は労奴階級へ追放され、労奴としての生活、愛妻の死からますます労奴の解放に情熱を燃やすようになった。時はザンバジルが宇宙征服への野望を抱く時。彼ら労奴は反乱を試みるも失敗に終わり、彼は仲間によってボアザン星から脱出させられた。
 その後彼は地球へ到着。衰弱していた彼は一人の女性に救われる。彼女の名は剛光代。そして彼はここで剛健太郎と名を改めて……健一ら三兄弟を設けたのだ。
 だが剛博士の地球侵略への警告を信じた者は妻と浜口博士、そして岡防衛長官のみ。彼らだけで細々とボルテスXは開発されてきたのだ。だが、ズ・ザンバジルは彼の頭脳を必要としたために、地球への攻撃と引き換えにボアザン星へ帰還せざるを得なかった。
 だが剛博士の決意は変わらず、ザンバジルにより死刑にされる所でダンゲ率いる部下達に助けられたのだ。ダンゲは元々貴族であったが、彼の考えに触れて自らの角を折って共に戦う同志としてボアザン貴族への反乱運動を続けて今に至ったのだ。
 全てを語ったダンゲは息を引き取った。健一達は父の悲壮な過去を知り、また自分達にボアザン星人の血が流れていた事を。初めて知ったボアザン星の労働解放への父の想いを健一達は果たす事を誓うのだった。


知らされた真実。敵は自分の同胞だ
ロボットアニメ史においてマシーンブラスター第24話に次ぐ戦闘のないエピソードがこの話。マシーンブラスターの第24話はどちらかといえば番外編の印象が強いエピソードでしたが、戦闘のないエピソードが物語に大きな影響を及ぼす事はこのエピソードが初めてです。角の有無による差別との戦い、ボアザン星の血を引く健一達がボルテスXの後半を占める大きな役割を果たします。


今回の突っ込み

地球でラ・ゴールから剛健太郎の名前を頂いた父ですが、ボアザン星人である彼がどのようにして国籍を得たのでしょうか。そこは浜口博士の力でしょうか。


次回予告(担当ナレーション;市川治)

ダンゲ将軍の死がプリンスハイネルの怒りを燃え上がらせる。ボルテスXに勝負を挑む鎧獣士ギルオンとは何者か。新たな戦いが健一達を待ちうける。
次回ボルテスX「ボアザン星の勇士」にご期待ください!!

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