超電磁マシーンボルテスX
全話解説
第33話 魔の細菌攻撃

脚本:五武冬史 絵コンテ:磯浜太郎 演出:横山裕一郎 作画監督:塩山紀生、金山明博(総作画監督)


健一の発言の真実を確かめる為にジャンギャルはある作戦を練っていた。カザリーンが研究をしているボアザン星人が発症する風土病の細菌ボアザネリア菌に目を付ける。発展途上ゆえに毒性は弱いがそれで十分。剛三兄弟の血を確かめる為には十分なのだ。
 ハイネルはいまだに信じないがジャンギャルは告げる。もし彼らが現在生死不明の剛博士の血を引いていたのならば、ボルテスXはボアザン星の科学が生んだスーパーロボットである事が判明し、自分達は同じボアザン星の科学と戦っている事となり、勝利を掴む事が難しい理由にも辻褄が合うと説明した。 さらに剛博士が健在の場合、ボアザン星の労奴とボルテスXが結びついて大反乱が起こる恐れがある。だがボアザン星と無縁だった場合はその危険もなくなる。今後の作戦の方針を左右する一大事であるとのジャンギャルからの説明を受けてハイネルは彼の作戦を採用した。
 夜のビッグファルコンでは、付近の小島に奇妙な光が現れた事から健一と日吉が調査に向かう事になった。光の主はなんと剛博士。父に対する2人の反応から、ジャンギャルは剛博士の生存を確信した。博士の正体は立体映像であり、健一達の反応を確かめることで生か死かを突きとめる理由だったのだ。
 立体映像が爆発して海辺からスカールークと鎧獣士ドリオンが出現。ボルテスXへボルトインして対抗するが、ドリオンはボアザネリア菌をボルテスX内部へ撃ちこんだ。ボアザネリア菌の影響で一平とめぐみが睡眠状態に陥り、剛三兄弟は無事だった。そしてジャンギャルの思惑通り、剛三兄弟も免疫の効果で発症が遅れていた事が発覚した。
 ハイネルは認めざるを得なかった。地球侵略の一大事ともいえる瞬間にハイネルは自ら出陣。だがハイネルが到着した時はボルテスXは既にビッグファルコン内のバリアへ収容され、5人は治療を受けていた時。この時がジャンギャルの狙い目である。三兄弟の免疫を発見すれば、一平とめぐみにもワクチンが注射され、5人はすぐに出撃するだろう。この時こそボルテスチームを叩くチャンスであることをジャンギャルには告げた。
 ジャンギャルの読みは当たり、医務班は剛兄弟から発見されたワクチンを撃ちこんでいた。再度出撃したボルテスXを前にハイネルは事実を認め、自分の不知を恥じた程だった。
 ドリオンは同じボアザン星の科学力を持つボルテスXの前に敗れ去った。何から何までジャンギャルの思惑通りになり、ハイネルは地底城で作戦会議を開く。ジャンギャルの予想。労奴の大反乱が現実とならないように。


健一=ボアザンの血を引く者の図式、完全成立!
前回で生まれたジャンギャルの疑問を引っ張り、解決しようと奔走するジャンギャルが前半の主役ではないでしょうか。貴族は汚れのない存在であると考えを頑なにするハイネルに理解させようとする所は、同じ五武さんが担当した第29話の前例を回想でも挿入してハイネルの理解を得るまでの困難を説明出来ています。
剛博士に出会った場合の言動、細菌攻撃によるテスト、二つのテストで得られた答えは剛博士がボアザンの労奴とボルテスXを結びつけてボアザン星を転覆させる。ジャンギャルが単なる猪突猛進の男ではないと感じさせる名編だと思います。
また目の前の事実に自分の無知さを思いっきり恥じるハイネルも印象的です。


今回の突っ込み

今回は特にないです。


次回予告(担当ナレーション;市川治)

プリンスハイネルの卑劣な侵略が、人々の頭上に炸裂する。肉親を失った仲間の怒りが健一に向けられるとき、ビッグファルコンに壊滅の時が迫る!!
次回ボルテスX「憎しみの炎が危機を呼ぶ」にご期待ください!!

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