超電磁マシーンボルテス�X
全話解説
第35話　星の戦士への鎮魂曲

脚本：辻真先　絵コンテ：磯浜太郎　演出：四辻たかお　作画監督：佐々門信芳、金山明博(総作画監督)

ボアザン星の労奴の抵抗運動は静かに、密かに、だが確かに進行していた。その中の一夫婦を見て労奴の一人ベルナールは家族を、同じ妻子を想っていた。何故なら彼の妻子はダンゲ将軍が療養のためにとビッグファルコンへ匿うまでは良かったが、ダンゲ将軍が亡くなられた為地球へ戻る目処がついていなかったのだ。
　労奴の指導者である剛博士はベルナールへビッグファルコンへ行かないかと気遣うが、息子に会う事を耐えている剛博士がいる事もあり、自分は勝利する時まで妻子に会わないと誓っていたのだ。だが剛博士はメカ鷹の改良機のテスト飛行をベルナールへ仕事として託した。だが目標地点や日数は彼に任せる。いわば仕事という建前で妻子に会わせる剛博士の心遣い。ベルナールは感謝の気持ちを現してビッグファルコンへ向かった。
　この反乱軍を許さないハイネルはジャンギャルとベルガンへ反乱分子の捜索を命令した。そんな時にベルナールの機体を見つけ、ベルガンが円盤編隊による包囲網を形成した。
　ビッグファルコンではベルナールの機体を包囲する円盤編隊を発見。彼の救出のためにボルテスチームが出撃するが、鎧獣士スコルプが立ちはだかり五機を滅多打ちにしてしまう。その間にベルナールの機体が円盤に拉致されてしまい、追跡していたボルト・ランダーもスコルプの攻撃を受けて墜落。更に合体を封じられたボルトマシーンは絶体絶命の危機に追いやられてしまった。
　反乱軍の活動拠点をばらせとベルナールへ脅迫するベルガンだが彼は屈しなかった。それゆえにベルガンの拷問を受けて絶体絶命の危機。しかしやられたはずのめぐみが颯爽と登場して、首元に手裏剣を刺してベルガンを仕留めた。ベルナールを救出しためぐみは基地内から脱出するが、ベルガンは運よくズ・ザンバジルの時計が彼の首を守っていたのだ。ベルガンから逃れるようにホルト・ランダーで脱出してボルテス�Xへボルトイン。スコルプの光線が健一の視界を奪うも、視力が回復した時が反撃開始の合図。一気に攻勢へ畳みかけてVの字切りは勝利を呼んだ。
　一方ベルナールはビッグファルコンへ到着。妻子と再会。2人の子がベルナールへ向けて笑った時、彼は目的を果たしたように息絶えた。それを知らない健一達は親子3人が水入らずの再会をしていると思っていたが……。

ボルテス�X屈指!後味が悪い回!?
今回も繋ぎ回ですが、第27、28話で描写されていたボアザン星の夫婦が描写されたエピソードですが……ビッグ・ファルコンにニナ母子が保護されているのは良しとして、前回のエピソードが前回なので色々な意味で入る場所を間違えた気がします。

とはいえ、一組の夫婦が地球で再会を果たすまでの物語は、終盤のボルテス�Xの雰囲気にも合っていたし、めぐみの主役回としても面白かったのですが問題はラスト。今頃家族で水入らずとか言いながら帰還するボルテスチームですが、既にベルナールは衰弱死して、ニナは泣き崩れる後味の悪い末路が待っていたのですが……。遅かったか……とかのフォローがあればまだ良かったのですが。

今回の突っ込み

最大の突っ込みどころはベルガンのダメっぷりでしょう。マキシンガルの鎧が最大の武器だったベルガンですが、鎧を劣化すれば一気に逃げ腰モード全開。手裏剣が首元に刺さった時は、皇帝の時計が身代わりになっていたことにも気付かずに気絶していたなんて……おいおい。
　ちなみに、ウルトラマグコンのエネルギーをレーザーに転用すればマキシンガルの鎧は劣化すると言う設定が明らかに。超電磁ボールが失敗してもウルトラマグコンの転用が出来たらあの時鎧獣士を倒すことに苦労はしなかったような……。

次回予告（担当ナレーション；市川治）

遂にプリンスハイネルは剛博士の秘密基地を突きとめる。激戦の最中地底城を揺るがす謎の大爆発に隠された陰謀とは何か?今、裏切り者がその姿を現す!!
次回ボルテス�X「地底城攻撃開始!!」にご期待ください！！