超電磁マシーンボルテスX
全話解説
第37話 さらば!敵司令官ハイネル

脚本田口章一 絵コンテ・演出:横山裕一郎 作画監督:塩山紀生、金山明博(総作画監督)


地底城へ突入する為に激戦を繰り広げるボルテスX。ハイネルはボルテスXを前に一歩も動かない。天空剣を使う時こそ好機。秘密兵器カッターリングが残っている限り勝算は残っているのだ。
 戦いを長引かせないために健一は天空剣を使う。しかし秘密兵器カッターリングがボルテスXの身体を拘束させる。身動きが取れないボルテスXへ地底状の猛攻が開始される。しかしボルトランダーだけ接合部が拘束されていなかった。分離してカッターリングへモグミサイルを射出。カッターリングが解けたボルテスXは超電磁ボールで地底城のバリアを砕こうとするが、バリアは強固。地上がダメなら地下からだ。ボルト・ランダーに先導されてボルトマシンが進撃を開始する。
 地下からボルトマシンを食い止めようとするジャンギャルだが、地底状にはいつの間にか兵士が一人もいなかった。反乱かと焦るハイネルだが、グルル将軍はズ・ザンバジルからの命令。地球攻撃総司令官が解任したとのメッセージを伝え、それゆえに行った当たり前の行動だと告げる。ハイネルを除いた地球攻撃軍は撤退をしても良いと言うがカザリーンはハイネルから逃げ出す事は行わなかった。今、ここに残された者たちこそ自分にとって必要な存在。ハイネルは感謝の言葉を告げ、作戦を遂行する為に残った者たちを呼びだそうとするが、ジャンギャルは既にボルトマシンに包囲されていたのだ。
 ジャンギャルは入口を1人で食い止めようとする。健一は降伏を勧告するがジャンギャルは健一達との決闘を望む。一平達3人が近衛兵を蹴散らし、日吉は人質の解放へ向かった。そしてジャンギャルは剣を取られ、健一は降伏を迫り、やむを得ずこれを飲んだ。しかし、将軍として剣を手にしてほしいと要求してきたのだ。疑わしい要求に仲間は不安の顔色を見せるが健一はこれを承諾した。

「感謝するぞ。健一」
しかし剣を握ったジャンギャルは思わぬ行動を取った。自決である。誇り高きボアザンの武将として、死ぬ時を心得ており、死に際を与えた健一に感謝として剛博士がグルル将軍に捕われている事を告げ、ハイネルの栄光を祈って息絶えた。この勇将の最期にハイネルとカザリーンは涙するのだった。
 ボアザン星の労奴達は無事国防軍に保護された。そしてハイネルはジャンギャルの死にかけて最期まで戦おうとするが、カザリーンはハイネルに生き延びてほしかった。ハイネルを想う故に取るカザリーンの行動である事はハイネルにも分かっていた。しかし、自分の誇りが逃げる事を許せなかったのだ。先へ行くなら自分を切れという彼女をハイネルも切る事が出来ず、突き飛ばしたが、土壇場でカザリーンが麻酔弾を撃ち、彼らは脱出ロケットで宇宙へ送られてしまったのだ。
 カザリーンがハイネルを脱出させた事が、グルル将軍には思わぬ誤算だった。またベルガンもハイネルごと地球を砕く為に仕掛けた超ウルトラ素粒子爆弾マグマイトが半分目的を失ってしまった事を残念がっていた。だが、マグマイトがある限り地球の危機はまだ終わっていない。解除する方法はあるのか?マグマイトの回転を止める事が爆発を防ぐ唯一の方法だが、巨体の回転をボルテスXには抑えきる事が出来ず、天空剣を突き刺して回転筒を食い止めようとするが、天空剣も折れてしまった。
 もうこれまでか。その時に緑の巨大戦艦が登場。戦艦はマグマイトを地面から引き抜き、大気圏外で爆発させることに成功。その巨大戦艦はソーラーバード。剛博士が残した最後の切り札である。


2人の忠臣が逆風のハイネルに全てを賭ける!!
 カザリーンとジャンギャルの忠臣っぷりに心が動かされる回です。指揮官を解任され、自分だけ帰還する事を許されないハイネルはとうとう涙を流してしまい、劣勢の状況に追いやられた自分へ感謝の言葉を述べる所には、彼らの忠誠を知ったのか、いやこのような忠臣に頼らざるを得なかった程追い詰められていたかもしれません。ハイネルの感謝の言葉は一度聞きたかったですね。
 そんな状況で、また部下が全員逃げ出す状況で4人を相手に立ち向かおうとするジャンギャルはまさに武人。近衛兵全員をジャンギャルの救援に送る所は彼を大事な部下と思っていたからかもしれませんね。(他の3人にあっさりやられてしまいましたが……)
 そして最期の捕虜になったふりをして自決をする所、また死闘を演じた健一をまた同じ武人と認めて最期に父の居場所を教えた所には単なる力任せには収まらない男になった瞬間でしょう。そしてハイネル様に栄光あれの遺言はハイネルとカザリーンを泣かせるだけのものだとこちらからも感じられました。
 一方カザリーンもハイネルを想う故に彼の死に急ぐ覚悟を折ってまで、麻酔弾を撃ってまで助け出そうとする所も一つの忠誠心の現れ。誇り高い故に認めたくないハイネルかもしれませんが、内心では申し訳ないと思っていたかもしれませんね。とにかく2人の忠臣がハイネルの為に燃える熱い回です。


今回の突っ込み

一応サブタイトルですが、さらば!ハイネルとか言われたらハイネルが死ぬようなサブタイトルと勘違いしてしまいます。多分指揮官から解任されたことからさらば!という意味なのでしょうか。


次回予告(担当ナレーション;市川治)

ビッグファルコンとソーラーバードの合体が意味するものは何か!?連続ワープの行く手にボアザン星の大船隊が出現する。恐怖の衛星ソドムとゴモラは!?
次回ボルテスX「大宇宙へ出撃せよ!!」にご期待ください!!

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