超時空騎団サザンクロス 全話解説
第11話 デジャブー

脚本:鳥海尽三 絵コンテ・演出:長尾粛 作画監督:野崎恒信


 リベルテ軍のあっけない敗北から、地球人と直接戦う事、また対話による交渉は無謀だと考えるゾル側。だがグロリエは彼らに取って存続に必要な惑星。自然を破壊せずに彼らを破壊しなくてはならない。その為にサイフリートに地球人の情報を探らせているのだ。
 そして当のサイフリートはゾルに洗脳された後遺症で記憶が混乱していた。彼の記憶から糸口をつかむ事を考えるロルフにラーナは彼が元々同胞だった事もありサイフリートを地球人として普通の環境に与えることで、彼を精神的に安定させゾルの情報を得る事を考える。そこでラーナに極秘でサイフリートの世話をさせる事に決まった。とある陸軍病院の病室でサイフリートから事情を聞こうとするラーナ。だが洗脳の後遺症が答えがつかめないままだった。
 一方負傷中のマリーに看病しにやって来たシャルル。最も彼女にとっては彼は自分の弱みに付け込んで口説こうとする存在だと毛嫌いしているのだが、その本心は……彼女のみが知る。
 そこにジャンヌと出会ったシャルル。シャルルからマリーの容態を(やや誇張気味)に説明され、マリーへ責任を感じてしまうジャンヌ。そして陸軍病院の様子がやけに慌ただしい様子ではないかと彼から聞いてサイフリートの事が気がかりだった。部下の敵でもあるのだから。
 そしてボーイと共にゾル側でも理解しあえるのではないかと考えていたジャンヌ。そこにシャルルからサイフリートが陸軍病院に匿われていると知り、ジャンヌは彼からゾルの存在を聞き出そうと考える。この行動にアンジェイとルーイも同意。今ジャンヌら第15分隊の5人の陸軍病院潜入作戦が始まった。
 メカニックと看護士に変装して陸軍病院へ潜入する5人。ラーナを陸軍病院から引きずり出す事に成功し、4人が病室内に潜入。その一方シャルルはマリーを連れてちゃっかり口説くと同意に病室から引っ張り出して空の病室からマリーが屋外へ飛び出し壁を登る形で最上階を潜入。サイフリートの姿を目撃した。彼は部下の敵を撃とうと銃を突きつけるが、混乱しているサイフリートは思い出せず、それどころか自分がサイフリートの先兵だった事に戸惑いが隠せない。このままタイムリミットが迫ってしまう中、ボーイの口笛にサイフリートは思い出した。彼の口笛はムジカの奏でた曲。その曲は故郷を想って奏でられる曲。そしてその故郷はこの惑星グロリエ……ゾル星人にとって惑星グロリエは故郷そのものだったのだ。


コミカルな病院潜入劇と思わぬ真実!

 今回の展開も前半がちょっとバラバラで分かりづらいのですが、後半のサイフリートのいる病院潜入劇が名無し的に面白かったです。ジャンヌとあの4人の面々の活躍いい感じですよね〜妥当なポジションで妥当な活躍をしますがアンジェイとボゥイの意外な役柄もポイント。その一方でジャンヌがグロリエ=ゾル星人の故郷だと知る所は物語において重要なターニングポイントになると思います。コミカルとシリアスな点のメリハリって大事ですよね。個人的にサイフリートを研究素材とみなしているようでロルフやラーナを始めとする面々は彼を好意的に扱っている姿は印象的でした。セリフで彼から情報を聞き出す為だと言っていますが、映像を見るとそこまで物騒なこと考えている人には見えないんですよね(あ、これはもちろんいい意味です)

 ただ悔やまれるのはサイフリートを恨むジャンヌの描写がやや唐突だったのではないかと。これに関しては部下の敵が理由ですが部下が単なるモブ(物騒な話ですがあの4人の内1人がリタイアしたら納得いきますが)なのでそこまで彼女に肩入れ出来ないのもまた事実で……。実際前回辺りから敵ネタをしっかり描写するべきだったと思います。今のところサザンクロスのストーリーとしては、個々のシーンはいい感じですが、その伏線等のつなぎがどうしても弱いのが悔やまれます。


今回の突っ込み
今回は特にないですが、シャルルが何故ジャンヌにマリーの存在を誤魔化す必要があったのでしょう。ジャンヌがシャルルに好意を抱いているわけでもありませんし、普通に接してもジャンヌはそこまで怒る事はないと思いますが……


次回予告

サイフリートが15分隊に配属されてきた。一度は敵味方に分かれて戦った男。だがその記憶にゾルの秘密が隠されている。複雑に揺れ動く隊員達をよそにサイフリートの心はある少女の面影を追っていた。
次回超時空騎団サザンクロス「ロストメモリー」
恋は恨みのジャンヌ18!


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