超時空騎団サザンクロス 全話解説
第12話 ロストメモリー

脚本:川崎知子 絵コンテ・演出;鈴木幹雄 作画監督:野崎恒信


 ダイエットに励むジャンヌに招集命令が入る。身に覚えはないがこの手の命令は不安なもの。やや恐る恐る入った先にはなんとサイフリートが第15分隊に加入されたのだ。過去を探った結果サイフリートは過去開発ステーションで優秀な将校。彼を再び軍隊生活へ送ることで記憶を取り戻そうとする事がロルフの考えだ。
 最もジャンヌはやるき満々だが、部下達にとっては納得がいかない。当たり前だが以前の戦いで彼の率いる部隊に5名の犠牲者が出ているのだ。ゾル星人の情報お目当てのルーイを除いて彼への印象は勿論よろしくない。死んだ部下の埋めあわせだと思われている。
 射撃訓練で好成績を叩き込むサイフリート。だが分隊の一人エディは彼を快く思っていなかった。
 サイフリートの心を開くためにデートに誘うジャンヌ。彼女の思惑は結構うまくいきサイフリートは初めて笑顔を見せる。とあるアトラクションへ誘うと突然ジャンヌの安全バーが故障してしまい、彼女は機体から飛ばされそうになる。慌てて彼女を救ったサイフリートだが、それと同時にサイフリートから一つの記憶を思い出そうとしていた。とある発進ゲートを、とある少女の影を……
 この件を機に積極的に記憶を探るようになるサイフリート。過去の映像からサイフリートはグロリエがゾルの故郷だとうわごとを言いながら気絶してしまい、彼の脳の中で何者かに操られるように電波が走った。
 その電波はサイフリートに照射したゾル星人の光線によるものである。ゾル星人の上層部は記憶分解操作を受けたサイフリートが地球人の原始的な感情により記憶が再結合し始めようとしている事に気付いたのだ。そして地球のデータがそろった時を見計らって操ろうと企もうとしていた。
 それからサイフリートは記憶を探る事に消極的になった。その時エディがサイフリートに問い詰めてきた。自分の弟が彼の部隊に殺されていた事がきっかけで彼は冷たかったのだ。頑なに過去を語らないサイフリートに対しエディの怒りが爆発する。幸いアンジェイのおかげで事なきことを得たが、それと同時にサイフリートは自分が彼らに憎まれる事をしていた事を知り余計過去を知る気が失せてしまった。
 ジャンヌの話も聞かず一人悩むサイフリートだが、その時ガラスの破片が彼女を襲った。そこから彼女を助けようとした彼は記憶の一片を見つけ出す。
 何者かに追われて自分はムジカに出会った。そして彼女を救おうとした際に諸共負傷してしまったのだと……ムジカを傷つけてしまった事が彼にとって心の負い目となってしまい、自分が赤いバイオロイドになって、第15分隊を襲ってしまった事を悔やんだ。だがそれと同時にサイフリートは再び自分の記憶と向き合う決意を固めた……だが既にレオンら強硬派によってゾル星人との総攻撃が近付いていたのだ……。


サイフリートの加入が物語を動かしていく

 ひやぁサイフリートが仲間になるとは!これは結構意外です。ですがスパイとして入った身の彼がまだゾル星人に操られてしまう可能性もあり、そこの点に関しては物語の重要なポイントになると思います。サイフリートの葛藤と惑星グロリエとゾル星人の関係……

 サイフリートに関してはレギュラー4人からの印象がなかなかおもしろかったです。未知の存在に興味津々のルーイ(この頃になると当初のやや存在の薄さがなくなっていい感じです)、美形と付き合うのは楽じゃねぇと相変わらずなシャルル、ジャンヌを奪われてささやかに嫉妬するボゥイ、一件厄介な事を言いますがなんだかんだサイフリートを気遣うアンジェイ等など……いい感じですね。どうでもいい事ですがボゥイを気遣うアンジェイもポイントかと。

 その一方やはりレギュラーとモブの差が激しいようで、エディのドラマは正直希薄です。ここはサイモンやジェラール、クラント(以上第7話でサイフリートの部隊に散った第15分隊の面々)を挙げて少しでもドラマを盛り上げるべきだったと思います。ただでさえ伏線が弱いサザンクロスですが、いきなり登場したエディの弟を挙げてもなぁ……。


今回の突っ込み
今回は時にないです。


次回予告

宇宙機甲隊の新兵器オーロランの完成と共にマリー達第1次攻撃隊が出撃した。一方ジャンヌ達はサイフリートの記憶を取り戻そうと謎の遺跡地帯へ向かう。そこには三位一体の不思議な植物がうごめいていた……
次回超時空騎団サザンクロス「トリプルミラー」
心の闇になくした記憶があざ笑う……



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