超時空騎団サザンクロス 全話解説
第22話 カタストロフ

脚本:鳥海尽三 絵コンテ;小島正幸 演出;鈴木幹雄 作画監督:野崎恒信


ラーナに連行される危機のボゥイ。だがムジカを引き離そうとする彼女を前に彼は頑なに絶つ。だがGNPの意地としてムジカを連行しなくてはいけない。だがボゥイの自らの犠牲をいとわない行動にサイフリートは銃を止めた。サイフリートは彼女に遺跡の重大性を伝え自分はムジカをここへ導くために敢えて芝居を打ったのだと告げる。それを聞いた事もありラーナは見なかった事にしたと告げた。

 バイオエネルギーの不足は激しいあと4,5日で艦隊に危機が陥ってしまうのだ。その為に鎮痛剤を打ち死ぬまで戦えというのだ。さらにアルス軍は猛攻の前に絶体絶命の危機に陥る。レオンに援軍を求めるもその命令は送られないどころかさらにロルフの脱走を聞いてしまい彼の心は突撃作戦に決めた。一同が突入を開始するが、鎮痛剤を打たれた相手に苦戦を強いられる。そして負傷したロルフは艦を自爆させる作戦に出る。幸いマリーとブラウンの手で脱出させられロルフは無事生き延び、一命を取り留めたが、ゾル戦艦に捕われてしまった。
 そしてデスからの通信が入る。自分の故郷でもある惑星グロリエへ退去勧告を下す。48時間以内に退去せねば総攻撃。レオンは初めて苦渋に陥っていた。そして市民を再集結させて戦いに備えるつもりなのだ。
 その頃ラーナの誤解は解けたものの。GNP編隊を前に脱出が不可能だった。だがサイフリートの狙い目があった。遺跡に向かってランティングフリゲートが接近。彼に対しサイフリートは遺跡の謎を打ち明ける。攻撃を仕掛ければお求めの花を破壊する事も出来るのだ。これにより遺跡から戦火を避ける事を成功。今遺跡へスパルタスを総動員させて防衛戦に備える。
 ゾル戦艦に捕われたロルフにデスは意外に和解を申し出ていた。自分達が切り開いた故郷に移住するには我々に従い共存する形が道理と言うがデスは従う事は出来ないと拒み、長い戦いの先に掴んだ結論は虚しいものだった。ところがサイフリートの直接通信が入った。彼からボーイとムジカのおかげで生命の花、そうプロト・ゾルの繁殖地を占領したとの報せが入りロルフは息子の活躍、脱走に隠された真意を知った。
 そしてムジカはボゥイが父を心配している事を気づく。彼女はボゥイと共に行動するにつれて感情を取り戻していったのだ。そしてジャンヌは気付いた。サイフリートは今自分の復讐の為に全てを賭けようとしていた事を……。だがロルフ、マリー、ブラウンが人質になっている条件にムジカとの交換、そして命の花の遺跡を明け渡せとの内容だ。あっさり同意したサイフリートに怒るボゥイだが、ジャンヌはこの時こそ絶好のチャンスと見る。誰も死なせないで勝利する方法があるのだから。

 ランディングフリゲートでゾル戦艦に向かった第15分隊は人質交換の場へ向かう。ムジカと共に交換の場に向かったジャンヌ、ボーイは人質と対面する。息子の活躍を父として賞賛するロルフ。親子の久々の対面に心を動かされるボゥイだが、どさくさにまぎれてムジカが連れ去られてしまった。彼女を賭けてゾル星人と第15分隊らの銃撃戦が始まるが、息子を庇ってロルフが撃たれてしまった。

「ボゥイ。お前の声を聞くのも久しぶりのような気がする」
「お父さん、ごめん!僕……」
「言うな!父さんこそこのざまだ。だがお前たちには二度とこの失敗を繰り返してほしくない。これからは二つの種族が共存して生きていかねばならんのだ。頼んだぞボゥイ……」
ロルフは自分の願いを言い残して息絶えた。父の死に号泣するボゥイ。そしてサイフリートは復讐の為直接デスに挑もうとしていた……!!


これでもまだマシだといえる終盤が辛い

 ロルフとボゥイのささやかなドラマは今回のまともなポイントだと思います。wikipediaの記載だと自爆に巻き込まれて死んだかと考えていましたが、息子と父が理解できた直後で見せた父の愛が息子に伝わって本当に良かったと思います。ええ、ここは本当に良かったと思います。
 ただ前半がグダグダなのが辛く、個人的にはラーナのGNP部隊に取り囲まれた第15分隊ですが、ラーナが事情を説明すれば大した事もなくなったと思います。サイフリートが後でこうすればシムカはGNPやゾルにも渡されないと言っている意味もよくわかりません。そうかと思えば後半でラーナがGNPを大人しくさせていますし……何なんでしょう……


今回の突っ込み
 後半のサプライズとして、ラーナのアーミングタブレット姿が登場します。OPで毎回登場していましたが実際の登場はほぼラストと(当時では)ある意味究極のじらしではないでしょうか。
 この手のじらし描写はダンクーガが登場したのは17話、Zガンダムが登場したのは21話ですが、ラーナのアーミングタブレットは22話とレベルの高いじらしだと思います。最もじらせばいいものではないし、アーミングタブレットは所詮パイロットスーツをちょっと強くした鎧ですのであまり意味はないしどうでもいいことですが。
 よく考えたら当時アーミングタブレットをロボットより売り出そうとする商売戦略があったようですが……むぅ。(そういえばエスパー太郎で太郎のバルキリーがなんとラーナのアーミングタブレットに破壊され、太郎がポールのアーミングタブレットで最終決戦を挑む話があったなぁ。ってポールって誰?)


次回予告

死の船と化した艦内でムジカの仲間達を救おうとするボゥイ達。執拗にデスを追うサイフリート、真実の愛と自由を求めて駆け抜ける戦士たちは……!!
最終回超時空騎団サザンクロス「カタストロフ」
don'tsay good bye 今君の目に映る愛はコスモス





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