合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第1話 コンギスター軍団日本大襲撃!!

1977年3月3日 脚本:海堂清彦 演出:林政行 作画監督:正延宏三


 東京は今、紅蓮の炎に包まれて燃えていた。はるか宇宙の彼方からの侵略者、コンギスター軍団からの侵略によって、全ての原子力兵器が無力化されてしまい、世界各国が次々とコンギスターに占領され、イギリスが陥落した今、地球の95%は制圧され残るのは日本のみとなった。
 地球防衛軍は、日本に本拠地を据えてコンギスター軍団に立ち向かうものの、コンギスター軍の圧倒的な火力の前に全戦力の50%が失われてしまった。
 
 そのような敗戦色が濃い中、山本長官には最後の希望があった。それはミスターXこと敷島博士の対コンギスターの秘密兵器・メカンダーマックスが完成したことだ。
そして現在、秘密訓練基地で今まで訓練を積んできたジミー・オリオン、八島小次郎、敷島竜介。合身戦隊の3人がメカンダーマックスへの合体訓練を行っていたのだ。

 だが、合身戦隊は合体訓練中にコンギスターの小型円盤編隊と遭遇。博士からの撤退命令を無視してジミーはメカンダー1で、小型円盤編隊に挑むものの、メカ獣・クマンダーの登場でピンチに追い込まれてしまう。メカンダー1は援護に駆け付けたメカンダー2、3と、メカンダーマックスへ合体。空中合体魚雷ブルサンダーで小型円盤編隊を全滅させるが、クマンダーに追い詰められてしまう。

 しかし、そのような事態を予測して、博士はメカンダーロボを発射させていたのだ。メカンダーマックスは直ぐにメカンダーロボにパワーインして、1機目のクマンダーを撃破する。だが、メカンダーロボがパワーインしたのと同時に、オメガミサイルがメカンダーロボを目がけて発射されてしまった事を博士から知らされる合身戦隊。オメガミサイルが命中するまでの時間は残り3分。メカンダーロボは、メカンダーフレイム、メカンダーキックフェンサーで残り2機のクマンダーを撃破し、制限時間ぎりぎりの所でパワーアウト。目標を失ったオメガミサイルはそのまま海に落ちて爆発した。

 今まで、快進撃を続けていたコンギスター軍団は初めての敗北を喫するが、オズメル大将軍は、その敗北を蚊に刺された程度と断言して、軍を鍛えるチャンスと考えている。
 オズメルの言うとおり、メカンダーロボの勝利、地球防衛軍がコンギスター軍団からもぎ取った初めての勝利は、まだ小さいものにすぎず、まだ地球は危機にさらされている。頑張れ!合身戦隊メカンダーロボ!!


地球は危機にさらされている!この戦いに勝ってもそれは変わらない!!

メカンダーロボの第1話。冒頭の人の気配がほとんどない東京から始まり、東京が炎上する所から物語の幕が開く、今までのロボットアニメにはないほどのハードな幕開けです。その後すぐに、世界は既にコンギスター軍団の手中に落ちている説明をフォローしておくことで「どうして敵は日本ばかり狙うのか?」というロボットアニメではお約束の疑問に答えを出し、更に敗色ムードを濃厚にする事に成功しています。
 それから早速、主役メカと主人公チームの登場ですが、主人公に関する描写は最低限ぐらいのものしかされていません。コン・バトラーVでは冒頭からキャラ紹介を兼ねた物語を展開していますが、第1話における合身戦隊は”
単にメカンダーマックスのパイロット”ぐらいの印象しかありません。この手法はおそらくキャラ紹介を後回しにして、一風変わった設定を見せつけることで視聴者を引き付けさせようというつもりだったのではないかと思います。
 それから、戦闘シーンでは、まずいきなりメカ獣が3体も登場したことです。複数の敵が登場する第1話は確かに前例がありましたが、同型の敵だけが登場するのはこれが初めてでしょう。今回のメカ獣・クマンダーは、ある意味ザクなどに代表される量産タイプの先駆けと言っていいでしょう。その後の戦闘シーンにオメガミサイルという制限時間を設けたことは見所ですが、今回は思ったよりあっさり敵を片づけてしまったので、まだ緊迫感はない方です。しかしこれから先がオメガミサイル命中までの時間との戦いを上手く描写していきます。終盤のナレーションもこれからの戦いの激しさを予見させます。それ以後、この頃のロボットアニメならよくあるほのぼのシーンや、コミカルなシーンも本作は圧倒的に少ないことから、他の作品よりもワンランク上の、戦いの厳しさ表現しています。
 この第1話にはキャラ描写がいまいち薄いことは事実ですが、それは第2話へつなげるため。それ以外では従来のロボットアニメと一風違う作風を現すことに成功していると思います。

 個人的評価
 ストーリー  最低限の描写をして、謎を引っ張らせる展開。それでも序盤の敗戦ムードでの幕開けは圧巻。
キャラクター  これもあくまでも最低限。次回へ謎を引っ張る展開。 
 バトル 敵が量産機という快挙を成し遂げる。でも何気に同型メカが登場する回はこれが最初で最後。戦闘シーンはまずまず。オメガミサイルも有効に使っている。 
 作画  まずまずな出来。

今回の突っ込み

まずは、この画像からしてどーよ。と突っ込みたくなります。このシーンはクマンダーの腹を切り裂くメカンダーキックフェンサーから、クマンダーのパイロット・ラーナ少佐が必死に逃げているシーンですが、明らかに身長比おかしいですよね。メカンダーロボの全長は120mですから、コクピットに切り込んだこの足の大きさはおそらく9mぐらいはあります……。となると、ラーナ少佐は9mの超大男でしょうか。メカンダーロボには基本的にこんな3枚目な敵はいないんですけどねぇ……それ以前に殆どが地味か空気みたいな存在)
他にも、別のクマンダーが何故か真後ろを向いている状態でメカンダーフレイムを撃ち込まれるシーンも突っ込みを入れたいところです。


次回予告

合身戦隊メカンダーロボの精鋭・ジミーオリオン、竜介、小次郎。だが、ジミーの生い立ちには重大な秘密があった。その秘密が解き明かされつつあった時、コンギスター軍団は巨大ロボット・シンキラーと大機動部隊で、地球最後の拠点・日本に猛然と攻撃を仕掛けてきた。宿命の生い立ちに悩みつつ、ジミーは決戦場へと出撃していく!

次回、合身戦隊メカンダーロボ「謎の戦士、ジミーオリオン」をお楽しみに!

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