合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第2話 謎の戦士、ジミー・オリオン

1977年3月10日 脚本:海堂清彦 演出:林政行 作画監督:二宮常雄


 初めての勝利に自惚れる合身戦隊に喝を入れる博士。博士の叱咤激励が終わると、ミカはジミーがケガをしていると知り、医務室で彼の傷の手当てをする。
だが、ミカの「貴方にも赤い血が流れている」との一言にジミーは機嫌を損ねてしまい、コンギスター軍団への怒りを思い出す。
 
 一方、オズメルは、メカンダーロボがコンギスター軍団のメカ獣に劣っている事が信じられず、前回の敗北をラーナ少佐のミスということにする。責任を転嫁するオズメルに、メデューサは東京を制圧して見せるとの大口を叩く。
 それから、ヘドロン皇帝の命令で、メデューサはシンキラーでの出陣を命じられた。しかしその夜、メデューサは自室で激しい頭痛に苦しみ、突然美しい女性の顔に戻ってしまう。
 元の顔に戻ったメデューサは、自分の記憶を思い出す。自分がガニメデ星の女王で、ジミーオリオンの母親だったことを。
 その頃のガニメデ星は、公害から生まれたヘドロン皇帝によって制圧されてしまい、オズメルの手によってガニメデ星人は生体サイボーグ奴隷に改造されてしまう。ガニメデ星を支配したオズメルは、新たな標的として選ばれた、1500光年離れた星・地球に向けて空中要塞都市を発進させたのだ。

 だが、ガニメデ星王家の特異体質で、一時的に元の姿に戻ったメデューサは、サイボーグ手術を待ってもらった幼いジミーを、催眠教育マシンを搭載した小型カプセルに乗せて地球へ向けて発進させた。
それから15年後、近くにカプセルが墜落したのを目撃した博士が、その現場に向かうとカプセルから、17歳に成長していたジミーが現れたのだ。

 作戦当日の朝、再び姿を変えたメデューサはシンキラーに搭乗して、大機動部隊を率いて出撃。山本長官からの依頼で合身戦隊は出撃するが、現場に到着した時は防衛隊は壊滅状態。すぐさまメカンダーマックスに合体して、ブルサンダーで大機動部隊を一掃するが、シンキラーは無傷。この為合身戦隊はメカンダーロボの出動を博士に依頼した。
 シンキラーを翻弄しながら、メカンダーマックスはメカンダーロボにパワーイン。オメガミサイル命中まで3分24秒。しかし、シンキラー作戦によって、突然シンキラーが3体に分身してしまったのだ。本物が1体なのは分かっている。だがレーダーには3機とも反応があるため、どれが本物か見分けがつかない。
 オメガミサイルは残り1分16秒。追い詰められた合身戦隊だったが、太陽が昇ったことで中央の機体に影が現れ、本物のシンキラーを捉える。本物目がけて、大型魚雷ジョーズでとどめを刺そうとする。
 しかし、照準を合わせたとき、ジミーはメデューサのブレスレットがガニメデ王家の物と分かってしまい発射ボタンが押せない。そのまま絶好のチャンスを逃してしまい、オメガミサイルが既に目の前に迫っている。土壇場でオメガミサイルにジョーズを撃ち込み、巻き起こった爆風によってシンキラーは溶けてしまいメデューサは撤退。合身戦隊は一応、勝利をおさめた。
 メデューサが自分の母親ではないかと疑問に思うジミー。ジミーは小次郎にジョーズのミスを、自分の技術不足が原因で起こったものと伝え、母の事は口にはしなかった。
 果たしてメデューサはジミーの母親なのか。しかし、ジミーは真実を知らぬ方が幸せだろう。知れば、それはあまりにも悲しい15年ぶりの母と子の宿命の再会であったからだ。


母はどんな思いで、今を生きているだろうか。

第2話でジミー・オリオンの秘密が視聴者に明かされます。ジミー・オリオンの過去、そしてメデューサの秘密。主人公が家族を敵に回して戦う作品は、実は本作が初めてだったりします。家族が敵に捕らわれている設定はダイアポロン、グロイザーXが先ですが、戦いに引き裂かれた親子はこの作品が初めてです。
メデューサの秘密は、当時インパクトがあったと思いますが、元の母親としてのメデューサに戻るエピソードは、この回とメデューサの最期が描かれた23話しかなかったのが惜しまれます。もうちょっと母親としてのメデューサの話があっても良かったのではないでしょうか。
後、小次郎、竜介についての描写が不十分なところがあったことは否めません。竜介は博士の息子というバックボーンがありますが、小次郎に関しては彼が何者かの説明は本編でされませんでした。
一方、今回の戦闘シーンも凝ったものに仕上がっています。メカンダープレーン出撃のアナウンスが全部流暢な英語なのは、何げにポイントが高いです。
メカンダーロボとシンキラーの戦いは、オメガミサイル命中までのカウントダウンの時計音が戦闘に緊迫感を与えています。そして、メデューサがメカ獣を操縦している事を目撃してジョーズが発射できないジミーもいい演出です。その後の、迫りくるオメガミサイルにジョーズをぶつけて、オメガミサイル命中の危機を回避し、シンキラーを爆風の巻き添えにさせて倒すイレギュラーな勝利の収め方が、個人的にかなりポイントが高いです。天敵ともいえるオメガミサイルを、戦い方を工夫することでメカ獣を倒す方法は、今回そのつもりはありませんでしたが、以降オメガミサイルの性質を利用しながら戦う場面が何度か見られます。

キャラ描写に関してはのちの話の展開を考えると消化不良なところもありましたが、当時にしてはまずまず上出来といったところでしょう。そして戦闘シーンは今回も工夫を盛り込んでいます。

 個人的評価
 ストーリー ジミーの過去に対しては十分な説明。ただ、他の二人の描写もほしかったかなぁ。2人の過去はほとんど分からない訳で……
キャラクター  ジミーに関しては丁寧に描写されています。
 バトル 何気にジェットストリームアタックっぽいかも。オメガミサイルが母への思いゆえに止めがさせないジミーの代わりに止めを刺してくれたことに感謝。
 作画 二宮さん初登板。目立った所はまだ少なかったけれど安定しています。

今回の突っ込み

ガニメデ星人のコスチュームですが……こんなタイツは嫌です。女性はまだ何とかなりそうだけど、男性は……嫌ですね。フリード星人のコスチュームはギリシャ神話らしく、当時のお姉さんの人気を掴みそうですが、これはないですよね。
その例にもれず、ガニメデ星にいた頃のジミーも色違いとは言え、
このタイツ姿です。当時2歳だったからまだ可愛いものでしたが、地球に現れたときもタイツ姿でした……15年も経てば普通、乳児用の服は破れるはずですが、まぁ、ダイアポロンの合身時にタケシの服が破れないのと同じ仕組みにしておきましょう。
余談ですが、幼少時のジミーはおそらく当時の子役が演じています。その為、本当に子供っぽい声で喋ります。当初、メカンダーロボのゲストキャラの子供は、子役が演じていましたが、第10話から従来の声優が演じるようになりました。子役が演じるのもこの作品の世界観にはなかなか合っていた様な気がするのですが。


次回予告

地球完全征服にあと一歩のコンギスター軍団が、灼熱メカ獣・放電レンザーを、日本総攻撃N3作戦として発進させた。ジミー、小次郎、竜介は巨大な放電レンザーの前に歯が立たず、メカンダーロボの出動を要請。攻撃を受けながら決死の合体に成功。メカンダーロボに命を与えるべくパワーインするのだが……
次回、合身戦隊メカンダーロボ「ジミー、決死のパワーイン」をお楽しみに!

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