合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第3話 ジミー、決死のパワーイン

1977年3月17日 脚本:海堂清彦 演出:新田義方 作画監督:正延宏三


 コンギスター軍団との戦いのために、メカンダープレーンのエンジンテストを行ったり、メカンダーロボの整備現場を見学したりして、メカンダーロボを研究する合身戦隊。小次郎はコンギスターの科学力に劣るメカンダーロボを侮辱するが、ジミーはこのメカンダーロボで戦い続ける事を決意する。

 その頃工業地帯で次々と落雷が発生する怪事件が発生。雷雲の中から現れた灼熱メカ獣・放電レンザーは、工場の重油に向けてレーザー光線を照射し、有毒ガスを作り出すことで周囲の住民を虐殺しているのだ。
 その知らせを受けた合身戦隊は早速出撃。雷雲を調査中に、放電レンザーに遭遇。竜介はメカンダーロボの出動を要請。メカンダーマックスに合体してメカンダーロボへ向かうが、その途中で放電レンザーの放電攻撃をメカンダーロボが受けてしまう。メカンダーロボを救うため敵の攻撃の最中にパワーインを試みるジミー。だが、パワーイン寸前に磁力光線がメカンダーロボに直撃。運が悪い事に熱でメカンダーロボとメカンダーマックスの接続回路が焼け切れてしまった。
 この事態に竜介は緊急通信を送ろうとするが、通信回路まで故障してしまいキングダイヤモンドとの通信も出来ない。高温状態のコクピットの中で苦しむ合身戦隊。その中で、ジミーは一か八かメカンダーマックス内部の原子力エンジンとの接続回路を手動で接続させる賭けに出る。感電死するかもしれない賭けに小次郎は反対するが、ジミーはメカンダーロボもこの状況に耐えている事を2人に伝え、自分がガニメデ星人であることに望みをかけて、手で回路を接続した。

 物凄い高電圧に苦しむジミーを見て、小次郎はジミーのためにもパワーインを敢行。パワーインに成功したのはいいが、オメガミサイルの脅威が待ち構えている。だがメーターのゲージが焼け切れてしまい、通常レーダーによる不確かな方法でしかオメガミサイルまでの命中時間が分からない。メデューサ側曰くオメガミサイル命中まであと1分30秒。ジミーの思いを無駄にしないために2人はメカンダーUFOで放電レンザーの胴体を突き破り、メカンダーロケットガン、メカンダーフレイムで追い詰める。
 だが、放電レンザーはメカンダーロボの右腕を破壊。リング状光線でメカンダーロボの身動きを封じる。しかし、オメガミサイルはもう目の前に迫っている。メデューサはオメガミサイルに後を任せて撤退するが、コバンザム付のジョーズが放電レンザーに直撃してしまい、機体は大破する。そして、ジミーが接続回路から手を離したことで強制パワーアウト。オメガミサイル直撃の危機を回避したのだった。

一か八かの賭けに勝ったジミーは自分たちとともに耐えたメカンダーロボに感謝する。苦難を乗り切った合身戦隊は初めてメカンダーロボとの友情を感じ、そのロボットにメカンダーロボと名付けるのであった。
 


苦難を乗り切った時、はじめて友情が生まれる。

エピソード紹介を見て、少し、違和感を感じると思います。それもそのはず。メカンダーロボにメカンダーロボと名付けるってどういう事?みたいな感じですから。実はメカンダーロボはこの話まで特に名前が決まっていなかったのです。
このページでは便宜的な都合で、第1〜3話でメカンダーロボと呼称していますが、映像ではメカンダーロボをメカンダーロボットとか、ロボットと呼んでいる場面もあります。この話のラストナレーション以降、合身戦隊をはじめとする面々の、ロボットの呼称がメカンダーロボに統一されます。
エピソード的には、合体破りを第3話と、序盤に持ってきたことがポイントですね。パワーインができない状態の中、合身戦隊は放電レンザーの攻撃から自分たちを守る行動に、はじめて友情を感じ、メカンダーロボを単なる兵器から共に闘う戦友とみなすようになります。チームワークを深める話はありますが、ロボットとパイロットの友情を深める話はあまりないと思われます。
 今回のコンギスターの作戦は、どちらかといえば従来のロボットアニメに近く、メカンダーロボに友情を感じる話のコンセプトもそれに近いものがあるので、今回の話は全体的に従来のロボットアニメに近いものだと思います。

 個人的評価
 ストーリー チームワークの友情ではなくロボットとの友情を持ってきたエピソード。コクピットの中で苦闘する3人の姿はかっこいいです。
キャラクター  やはり合体回路を破壊されてからのキャラ描写が冴えています。
 バトル 放電レンザーは強敵の上、物語の盛り上がりの貢献してくれたありがたいメカ獣です。オメガミサイル便利だなぁ
 作画 この頃の正延さんは全体的にまずまず

今回の突っ込み

失礼ですがやはり、このシーン。ジミー、どう考えても感電死ですよね。劇中でもジミーの唸り声や「かあさーん」の叫びが聞こえたり、ジミーも相当命がけだったのでしょう。
他にも、この話以降、ジミー、小次郎、竜介のチーム名が
合身戦隊メカンダーロボに決まります。合身戦隊ではありません、何故か合身戦隊メカンダーロボなのです。
ですから、セリフで「合身戦隊メカンダーロボの諸君」「あ!合身戦隊メカンダーロボが現れました!!」といった感じです。ロボットもメカンダーロボ、チーム名も合身戦隊メカンダーロボと、物凄くややこしいような気がします。このサイトでは、便宜上、チーム名を合身戦隊の表記に統一します。


次回予告

ヘドロン皇帝が作った難攻不落のコンギスター移動基地・空中要塞都市は、人口100万の都市に匹敵する巨大なものである。そこでは、地球最後の砦・日本に向けて最終攻撃の準備を始めていた。敷島博士の指示により、マッハ5のメカンダー1、ジミー・オリオンが単身偵察に出かけるのであった。待ち構える大将軍オズメルは、コンギスターの誇るロボット・キングコンガーを出撃させた。
次回、合身戦隊メカンダーロボ「見よ!あれが空中要塞都市だ」をお楽しみに!

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