合身戦隊メカンダーロボ 全話解説
第4話 見よ!あれが空中要塞都市だ

1977年3月24日 脚本:海堂清彦 演出:新田義方 作画監督:正延宏三


 ジミー・オリオンの睡眠教育から得た知識によって、コンギスター軍団の本拠地、空中要塞都市の様子が、ある程度再現された。
地球防衛軍は、この空中要塞都市を何時かは叩かねばならない。その為、精鋭コマンド部隊を偵察に送り込んだが、全て失敗に終わっている。博士はメカンダープレーンの中で最速のメカンダー1とジミーに偵察任務を依頼した。
 メカンダー1の航行距離では、空中要塞都市があるネバタ砂漠に着くのは不可能。それに、戦闘に遭遇した場合を考慮して、地球防衛軍は燃料補給を目標とした中継地点を設置。メカンダー1は中継地点に構えていた補給艇から空中給油を受ける。
 だが、この補給計画はコンギスターに察知されていた。円盤軍団の攻撃を、メカンダー1は切り抜けたものの、補給艇は沈没。帰還時の燃料補給が不可能になってしまったため、博士は燃料を積んだ増装タンクをメカンダー2,3に装備させて、小次郎と竜介をジミーのもとへ出撃させた。
 空中要塞都市に潜入したメカンダー1。コクピットの中でジミーは空中要塞都市の全貌をカメラに収める。空中要塞都市への潜入に怒るオズメルは、メデューサにテラノドンガーでの出撃を命じる。テラノドンガーに遭遇したジミーはスカイドンキーで撃ち落とすが、テラノドンガーの中にいたメデューサの姿を見てしまい、思わず戸惑ってしまう。
だが、休む暇なくキングコンガーが襲いかかってくる。燃料が少なくなり、メカンダー2,3が設置した燃料タンクの場所へメカンダー1は向かう。そして、メカンダー1が2,3に合流しメカンダーマックスへ合体。そのまま、メカンダーロボにパワーインしてキングコンガーに立ち向かうが、オメガミサイルが迫っている。
残り時間はあと僅か。メカンダーロボはメカンダーフレイム・メカンダーライチャックでキングコンガーの動きを封じて、パワーアウト。キングコンガーはメカンダーロボが誘導させたオメガミサイルが直撃して、撃破された。

 ジミーたちの活躍によって空中要塞都市の貴重な情報はキャッチできた。だが、その影でジミーはメデューサの乗った小型メカを撃ち落とすという悲痛な思いを味わった。くじけるな!ジミー!!君の腕に地球の平和はかけられているのだ!!
 


コンギスターへの反撃。幕を開ける偵察作戦

今回の話は、敵の本拠地を調査するオーソドックスなエピソードですが、航続距離に焦点を当てたストーリー展開が、従来のロボットアニメとの差別化に成功しています。
 従来なら敵の拠点に、楽々と到着する所ですが、メカンダー1の航続距離による問題から、補給を目的とした中継地点を設けて、空中給油を行います。考えてみればガンダムより先に補給の必要性を説いたエピソードで、文芸スタッフの先見性を高く評価したいところです。(空中給油は先例にゲッターロボGやマシンハヤブサがある。)今回から防衛隊がメカンダーロボのバックアップとしての活躍が顕著に見られ、命を捨ててまで今回の補給を担った補給艇の船長はある意味ガデムの原型かもしれません。
 また、補給艇が破壊されたことで、帰還の燃料に対する問題にも触れており、メカンダー2、3を向かわせるのにリアルな動機づけがされていた事もポイントが高いです。
 戦闘シーンは、キングコンガーに向かって、メカンダーフレイム・メカンダーライチャックの同時攻撃が構図的にかなりカッコいいものに仕上がっています。それに加えて、今回もオメガミサイルを利用して止めをさす等、色々と見せ場が多くなっています。

 一つ一つの作戦やバックアップを担う防衛隊の無名の戦士たちを描写する姿勢が、本格的に見られる今回のエピソード。メカンダーロボのオリジナリティーがこの話で確立されたと言ってもいいでしょう。

 個人的評価
 ストーリー 防衛隊の本格的バックアップ、母子の葛藤。物語の世界観が確立された頃です。空中補給に対する描写も見事
キャラクター  初期のころはスタッフが色々ノリノリだった感があります。全員に出番を持たせようとしている配慮もありますが、母子の葛藤も描かれていました。
 バトル キングコンガーは微妙でしたが、メカンダーチームの描写はかなりかっこいいものです。メカンダーフレイム&ライチャックの同時攻撃はいい図です・
 作画 この頃の正延さんは全体的にまずまず。正延さんが一番本来のキャラデザに近い感じがします。

今回の突っ込み
今回登場するメカ獣・テラノドンガーがあまりにも弱すぎる所でしょう。テラノドンガーは、メカンダー1のスカイドンキーで撃墜されるのですが、これをゲッターロボで置き換えるとゲットマシンのミサイルで撃破されたメカザウルス(名前は忘れました)みたいなものです。しかもメデューサ将軍が自ら搭乗していた事を考えると、余程テラノドンガーが非力なのか、メデューサの采配ミスか……。この話にしか登場しないため真相は分かりませんが。


次回予告

宇宙の悪魔コンギスター軍団に、追い詰められた地球防衛軍は、今や重大な危機が訪れていた。底をつき始めた食糧とエネルギー源の石油を確保するため、地球防衛軍はマレー半島クラ運河に向けて大輸送作戦を展開した。コンギスター軍団・オズメル大将軍は地球防衛軍の行動を手に取るよう、すべて察知していた。メカンダーロボを待ち構える無数の罠!
次回、合身戦隊メカンダーロボ「大輸送船団を死守せよ!」お楽しみに!

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