超電磁ロボコン・バトラーV 全話解説
第42話 清き瞳の暗殺者

脚本:田口章一 絵コンテ・演出:斧谷稔 作画監督:坂本三郎、金山明博(総作画監督)


 マグマ獣の製造に酷使されるどれい人。その中で山部一郎が脱走を試みるも、捕らわれてしまい処刑の危機に陥っていた。だが娘のゆき子の必死の叫びが通じたのか、ワルキメデスはゆき子にある作戦の遂行を条件に親子の解放を認めた。
 バトルチームの間において親の話が出てきた事が、孤児の豹馬にとって居場所がないようであり、一人バイクを走らせていた時、ゆき子が飛び降り自殺をしようとしている姿を目撃して彼女を救出する。彼女は両親を交通事故で失った事か生きる希望を失ったと言う時、豹馬はゆき子に自分と同じ境遇を感じさせた。自分も交通事故で両親を失った身。ならゆき子とは兄妹同然と暖かく彼女を迎える。しかし、ゆき子は父を助ける為に明朝まで豹馬を殺害しなければならない。それゆえに自分を救ってくれた彼の人柄を前に、殺害する事を躊躇ってしまう。
 しかし南原コネクションに現れたグランブルは人形を目の前で引き裂いて去って行った。もし自分が豹馬を殺さなければ、父を始めとするどれい人の命が危ない。止むを得ず嵐の夜に豹馬を刺殺しようとしたが、彼に感づかれて失敗してしまい、豹馬にゆき子は追い詰められてしまう。

「俺は信じたかったんだ!君も俺と同じように両親が交通事故で死んだんだ!そう信じたかった!俺の気持ちを知ってくれるのは君だけだと信じたかったんだよ!一人ぼっちで、さびしくて、死にたくなった君の気持は俺だけにしかわからないと思ったんだ!交通事故で両親を失ったもの同士しかね!!」

 豹馬は悲しかった。自分の想いに共感してくれるはずだったゆき子がキャンベル星人から送り込まれた刺客だった事を。だがゆき子の父が人質になっていると知った豹馬は龍神岬で父と再会する約束があると知り、明日龍神岬で待ち伏せする作戦に出る。
 しかし翌朝、龍神岬にてゆき子が再会した父の口を封じられてしまった。しかしゆき子が豹馬を殺せないと分かっていたワルキメデスは山部の体内に時現爆弾をセットしており、豹馬もろとも爆殺を企てていたのだ。既にそれを知っていた山部は豹馬達にその事を知らせ、彼は山辺を助けようとしたが時限爆弾の爆破時刻が迫っている。バトルチームの一員である豹馬を死なせる訳にはいかないとゆき子は豹馬を兄さんと叫びながら山部と共に海へ身を投げて父の爆発に巻き込まれて命を落としてしまう。キャンベル星人に利用されたゆき子の仇を討つ為に豹馬は仲間たちと共に出撃し、マグマ獣ハリネズラーを相手にコン・バトラーVへコンバインする。
 ハリネズラーのシェルボール戦法と鋭利な角に苦戦しながらも、超電磁スピンで拘束を脱出。その勢いでの超電磁スピンはハリネズラーに食い止められるも、零距離からのビッグブラストで反撃を開始。超電磁スピンが憎きハリネズラーを葬り去り、山部親子の敵討を成し遂げ、彼らの墓前でどれい人の救出を誓う豹馬達であった。


孤児の暴走族マリアは街をただ愛した。

 やはり所々起用されて印象深い豹馬の孤児設定。今回は同じ境遇と偽って接近したゆき子を前に今日から自分達は兄妹だと言って接したり、交通事故のシーンが初めて映像で登場したりと、豹馬の孤児ネタが起用されたエピソードの中ではかなりその色合いが強いエピソードのはずです。もうすぐ因縁の第49話が登場する事もありますし。
 そしてちょっと有名なエピソードですが、今回の人間爆弾ネタはザンボット3に先駆けたネタで、ロボットアニメ史において初の人間爆弾は実はコン・バトラーVだったりします。その上今回の演出担当は斧谷稔、そう富野由悠季さんだったりします。それを考えるとザンボット3の人間爆弾ネタはコン・バトラーVからも影響を受けているかもしれません。(最もザンボット3ではそれをメインヒロインにやらせるものだから、インパクトではやはりザンボット3かもしれません)


今回の突っ込み

今回は特にありません。


次回予告(ナレーション全話・キートン山田)

突如二頭の超獣に襲われ、豹馬が重傷を負ってしまった。コネクション攻撃と引き替えに豹馬を要求する女帝ジャネラの狙いは何か。身代わりとなって戦う南原ちずるのピンチをバトルチームの友情が救う!
次回コン・バトラーV「女帝の趣味は豹馬狩り」にレッツ!コンバイン!!

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