無敵鋼人ダイターン3 全話解説
第9話 おかしな追跡者

脚本:吉川惣司 絵コンテ・演出:藤原良二 作画監督:加藤茂


脱走したメガノイド・マリアを追う為にコロス達からフランケンは彼女の捕縛を命じられた。そのマリアは旅客船の万丈に救いを求め、彼女を救おうとする万丈にフランケンが襲いかかる。さすがの万丈もフランケンには勝てない。幸い旅客船の爆発に乗じて逃げ延びる事に成功したが、万丈は負傷してしまい病院へ運ばれてしまう。
 幸い万丈は軽傷だったが、レントゲン検査を受けたマリアの正体はメガノイドだった事を知らされる。そしてマリアを取り戻す為病院に迫るフランケンを追い払おうと万丈は色々妨害するが、彼は諦める気配はなかった。万丈の記憶では1年前にマリアをナンパした事があり、多分自分に気があって脱走したんだろうと思い込んでいる。それが故にフランケンの追撃からなんとしてもマリアを守らないと駄目だと考えていたのだ。
 マッハパトロールが到着してもフランケンはしつこく追ってくる。そのままマッハパトロールを持ち上げようとするフランケンを、辛うじて海へ落とし逆にひっとらえる事に成功した万丈達。事情を聞けばフランケンはコマンダーの風紀委員長。恋愛はご法度としてマリアを追いかけていたのである。多分彼のフランケンそっくりな顔もあるのだろう。人間時代に恋心を抱いたも全て玉砕してしまったようでメガノイドと化したのである。それからフランケンは恋をしたメガノイドを次々と取り締まっていき、彼の勘でマリアは恋をしていると見たのだ。
 だがそんなマリアは別のコマンダーのデスバトルに捕えられてしまった。送り出されたメッタンガーを追い払いダイターン3はデスバトルを粉砕してマリアを救出。メッタンガーとの戦いに挑むダイターン3であるが、その間にマリアはフランケンへ接近していた。実はマリア、フランケンに好意を抱いていたのである。仕事熱心で誠実、剛健な彼に惚れても、風紀委員長の役職故に彼へ恋心を打ち明けられなかったのだ。何故万丈に接近したかとの理由は彼ならフランケンを捕える事が出来るという訳である。これを知ったフランケンは歓喜の涙を流すが、万丈は彼女の真意を知らずにいつも以上に真剣にダイターン3でメッタンガーを粉砕するのであった。そしてマリアの真意を知った万丈は愕然。フランケンとマリアの人生の船出に自信喪失しながら祝うのであった。


思い込みで大奮闘!そして……辛いなぁ。
名無しがお気に入りのエピソードの一つです。正直笑いながら視聴していました。とにかくフランケン最高です。メガノイドの風紀委員長という肩書も滑稽ですが、悪の組織でありながらまるでクラスの学級委員のように実直で不器用なフランケン。マリアを追いかける彼の執念と、まさかのどんでん返しによるハッピーエンドに笑わせてもらいました。サブタイトルにあるようにおかしな追跡者というフランケンを容赦なくとはいえどこか滑稽な感じで追い払おうとする万丈の姿や、とにかく懲りないフランケン。追う側と追われる側の応酬が本当に面白い仕上がりになっていて飽きさせません。
 また万丈のマリアへの勘違いも面白く、彼女の真意が視聴者に明かされても万丈だけ事情を知らず、メッタンガー相手にノリノリで熱血全開の戦いがギャップを誘いこれまた笑いへと昇華させています。そんでもって最後のオチが効くわけです。

 あとこの回の作画監督である加藤茂さんに名無しは興味を持ちました。ダイターン3と言えば塩山紀生さんか、富沢和雄&金田伊功コンビが真っ先に名前が挙がりそうですが、名無しはダイターン3といえば加藤茂さんとあげちゃいます。タツノコ系の人でビスマルクや飛影等でキャラデザをやっていた人ぐらいしか知りませんでしたが、今回のどこかタツノコチックな絵柄、そしてタツノコ独特のデフォルメが効いたギャグが自然な感じな所に惚れちゃいました。金田さんのデフォルメがオーバーにやろうとしているのに対して、加藤さんのデフォルメはタツノコで培ったノリが染みついた感じで自然と崩す事が出来ているんだなぁと思っています。
 余談ですがメカンダーロボでも二宮常雄さんの絵がお気に入りでした。どうやら名無しは多分タツノコ系の絵が好きなのかもしれませんね。勿論作画云々より滑稽な逃亡劇や万丈の勘違い全開の戦いも面白いですので、見て損はしませんよと言える回です。


今回の突っ込み

病院側はマリアが全身機械だと知って大騒ぎをしていましたがその後どうなったのでしょうか。人間の世界で生活すると決めたお二人ですが色々と大変そうな気もします。


次回予告(ナレーション全話・鈴置洋孝)

大スターウォン・ローが作る超ド級映画とは何か?恐怖のカンフー軍団を相手にダイターン3の必殺技がきらめく時、一人の男の願いが今消えていく……。
次回無敵鋼人ダイターン3「最後のスポットライト」にカムヒア!

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