無敵鋼人ダイターン3　全話解説
第32話　あの旗を撃て!

脚本:星山博之　絵コンテ:山崎和男　演出:小鹿英吉　作画監督:田島実

メガボーグ界の帝王を目指すコマンダー・トーレスはソルジャー隊長・タップに波嵐万丈の打倒を命じた。タップはスーパーロボットを持つ者は研究所に住んでいるというロボットアニメのお約束を信じ、目印としてとある研究所に旗を立てる。それから豪邸を目にしたタップは、万丈はこういう邸宅に住んでいるに違いないと思い込み、豪邸にも旗を立てる。2か所のうちどれかが破嵐万丈の拠点である。旗を目印に2800ミリ破壊砲をぶち込む。爆発した場所は万丈邸の付近であった。そして爆破した個所は3か月前に空き家になった場所であり、さらに調査に出たビューティ達の存在からタップ達は作戦が失敗した事に気づく。
　しかしビューティ達の後を追えば万丈の屋敷が分かるはずである。ビューティ達は爆発地点には奇妙な旗があった事に気づいていた。そんな時万丈邸の窓からは奇妙な旗がまたもや。メガノイドはこの旗を目印に攻撃をしてくるに違いない。万丈一行とソルジャー部隊の旗を賭けた奇妙な争奪戦が始まった。
　争奪戦は一人のソルジャーがわが身を犠牲に旗をポールから取り外した。この旗をコンテナ車に取り付けて走りまわれば万丈の屋敷の場所を伝える事が出来ると。
　屋敷の庭を走り回るコンテナ車。だが、トーレスは先ほどの攻撃が失敗していた事を拗ねて攻撃に移ってくれない。トーレスからの援護攻撃を健気に待つタップだが、よく考えてみれば破壊砲に屋敷を吹っ飛ばされたら自分まで巻き添えを喰らってしまうのではないかと気づいた。最も行動に移す前にタップは虚しくマッハパトロールの攻撃にやられてしまうのであったが。
　それから万丈が一息を着いていると、デススターが万丈の屋敷へ迫っていた。トーレスの送り出す偽ダイターン3らのおもちゃロボット軍団にが迫るがサンアタックであっさりと粉砕。コレクションを破壊された事に逆上してトーレスはメガボーグへ変身。万丈に子供じみた男だと馬鹿にされたトーレスが猛攻を賭けるが、趣味で戦う彼に負けてたまるかとダイターンザンバーでトーレスの胸を貫いて粉砕した。万丈の屋敷を狙う奇妙な戦いは終わった。しかし万丈は暫く旗恐怖症に陥ってしまったとか……。

ソルジャー・タップ一行対万丈一行!万丈邸旗争奪戦!!
　久々に笑わせる回。何よりもソルジャー・タップとその部下の皆さんのオーバーリアクションを絡めたやり取りに笑いが止められません。名もないソルジャーの面々も万丈邸から電力を借りてミシンでカタカタ旗を作る健気なシーンや、わが身を犠牲にして旗を奪回する(最も映像はかなりコミカルですが)姿などあり、特に後者のソルジャーに対してやすらかに眠れとのタップのやりとりに腹筋が崩壊しかねません。
　他にも自転車でソルジャー軍団と互角以上に戦うギャリソンや軽い気分でタップに止めを指す万丈、何よりも攻撃の目印に旗を立てようとのチープな作戦も笑いを誘いますが、止めとしては、合体ロボットを持つ正義の味方は研究所に住んでいるとのソルジャーの発言。パターン破りとしてのメタフィクションネタ恐るべし(笑)

今回の突っ込み

今回は特にありません。

次回予告(ナレーション全話・鈴置洋孝)

生体サイボーグ。アンカ帝国の秘密を手にすれば、ドン・ザウサーを越える事が出来る。このコマンダー・ドイルの野望を打ち砕く者は、ギャリソンの操るダイターン3であり、そしてアンカ帝国。
次回無敵鋼人ダイターン3『秘境世界の万丈』にカムヒア!