無敵鋼人ダイターン3 全話解説
第37話 華麗なるかな二流

脚本:荒木芳久 絵コンテ・演出:藤原良二 作画監督:山崎和男


 万丈の幼馴染・木戸川から挑戦状が届いた。ビューティ達を人質にされた万丈は彼からの挑戦を受けて立つ。マッハアタッカーで屋敷へ突入する万丈だが幾多ものトラップが彼を狙っていた。トラップを越えた先には木戸側が待ち構えていた。
 木戸川は一流を好む男であった。だが学生時代から万丈は未だに勝つことが出来ない事が彼のコンプレックスになっていた。彼を倒す為に木戸川はコマンダーに志願したが、万丈は人質を取り、コマンダーに志願するやり方自体が二流だと指摘され、彼は苦悩してなんとビューティ達をそのまま万丈の元に返してしまったのだ。
 万丈は木戸川は本来優しい男であり、コマンダーに向いていないと分かっていた。ただ彼は一流好みであり、それがコンプレックスになって万丈を恨んでいるのである。一方一流好みのやり方でないと気が済まない木戸川に反発したソルジャー・ドグマンはマッハアタッカーを襲いビューティ達を人質に取る。
彼らを奪回する為に出撃する万丈に対し、ドグマンの独走を知らない木戸川は彼にそそのかされてメガボーグ・キドガーへ変身。其々が二流だと罵り戦いが始まる。最も戦いは心に常に余裕を持っている万丈のペース。万丈を越えるコンプレックスで必死のキドガーは彼に踊らされるようだが、ドグマンは古城からの光線でダイターン3を攻撃する。卑劣なやり方は流石二流と万丈に罵られて、キドガーは何としても無実を証明しようとドグマンのデスバトルを粉砕しようとするが、彼はビューティ達を人質にされてまともに攻撃できない。
「キドガー!やってみろ!お前はあの三人の事を気にしないでいい。今大事な事は一人でも多くメガノイドを倒す事だ。それをやるかやらぬかが一流か二流かの違いなのだよ」
 万丈の言葉がキドガーを葛藤させる。人質を見捨てて相手を倒す非情な戦いが出来るのだろうか。キドガーは肝心な時に何もできない二流である事に気づいて自己嫌悪に陥るが、ビューティ達が彼を激励する。自分達の事を忘れてメガノイドを倒せ。彼らの言葉に背中を押されてキドガーは自信全開でデスバトルへ殴り込みをかける。彼の動きにほんろうされてドグマンのデスバトルは自滅。ドグマンは地面にたたきつけられて爆死。ビューティ達は助けられるのであった。
 キドガーの活躍は一流そのものと万丈は彼を称賛するが、その自信はかえってキドガーのコンプレックスで燃え盛る炎に油を注いでしまう結果になった。キドガーはダイターン3に立ち向かうも、ダイターン3に押されてしまう。サンアタックで止めを刺されようとした時、ビューティ達はキドガーは悪人ではない、ただ万丈へのコンプレックスが原因でコマンダーに走ってしまったのだと思いとどまらせる。躊躇う万丈の隙を突いてキドガーが飛びかかった時、ダイターンスナッパーがキドガーに直撃する。それはメガボーグ変身装置を破壊して彼を木戸川へ戻したのであった。
 万丈の屋敷で手術を受けた木戸川は、不完全とはいえ元の体に戻った。そして万丈と木戸川は勝負を始める。両者のレースには一流二流などは関係ない。ただ木戸川は笑いながら走り去っていくのであった。


二流・木戸川、一流へ向けて奮闘!!
 前半の一流にこだわる木戸川のコンプレックスや、万丈を出し抜こうとも空回りする木戸川、そして、激励を受けてデスバトルを叩き潰すキドガーに対し、ダイターン3は退屈そうに果ては空中で寝転ぶダイターン3など、荒木芳久さんの脚本にしては珍しくコメディチックなストーリーですが、やはり自信を取り戻した木戸川の万丈への挑戦、また最後のシーンを見れば荒木芳久さんの脚本なんだなぁと思います。一流二流は関係ない。コンプレックスを捨て去った木戸川と万丈のレースにはホロっときてしまいました。
 


今回の突っ込み

今回は特にありません。


次回予告(ナレーション全話・鈴置洋孝)

宇宙を突っ走るエネルギーの塊。これこそ伝説の青い鳥、メガノイド必殺のエネルギーとなる!三人のコマンダー候補生と万丈の総力を挙げた青い鳥捕獲合戦が宇宙に火花を散らす!!
次回無敵鋼人ダイターン3『幸福を呼ぶ青い鳥』にカームヒア!

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