ゲッターロボ 全話解説
第9話 栄光のキャプテン・ラドラ

脚本:雪室俊一 演出:小湊洋市 作画監督:中村一夫


栄光か死か二つに一つを背負い出撃したキャプテン・ラドラは各地に溶岩を噴出させる作戦を遂行する。この事態にゲッターチームは出撃するが、ラドラが操るシグザウルスは溶岩の地を利用してゲッターチームを引き込もうとする。だがゲッター1はゲッタービームでひるんだすきにトマホークブーメランを仕掛け、シグザウルスの装甲を粉砕する。自分だけでの逃げのびるラドラだが、恐竜帝国とはいえ人一人を殺す事にリョウは躊躇ってしまい、崖から落ちたラドラを助け、彼の逃亡を見逃す事を選ぶ。リョウはなぜ殺す事が出来なかったか分からなかったが、彼の行為を誰も責めなかった。
 作戦が失敗し、ゴールに処刑の危機が迫る。しかし彼の嘆願でもう一度チャンスが与えられ、シグザウルスは伊豆大島でゲッター1に決闘を挑む。二度と同じ手は通じないとシグザウルスはゲッター1の攻撃をことごとく看破。体でゲッター1を捲きつけて火山口に持ちこむ。ゲッタートマホークで反撃を加えようとするゲッター1だが、ラドラは火山を噴火させた勢いでゲッター1を火山から弾き飛ばし、奪ったゲッタートマホークがゲッター1の右腕を真っ二つにする。さらにエネルギーが尽きてしまいゲッター1は一歩も動く事が出来ない。この状況でリョウは自分がラドラを助けなければこうはならなかったと悔むが、二人はリョウの行動を攻めない。それよりも溶岩から街を守る為に最後の働きをせんと溶岩に背を向けて流れをせき止めんとする。

「貴様たちは……貴様たちは……敵の俺の命を助け、そして今、死を覚悟で街を守ろうと言うのか……栄光か。ゴールよく見てみろ。今こそ俺は本当の栄光を手に入れて見せるぞ」
 その時、ラドラは岩盤を攻撃して溶岩の流れをせき止めた。ゲッターチーム羅人間の心に負けたと悟ったラドラはゴールがシグザウルスに時限爆弾を仕掛けた事に気付き、ゲッターロボから撤退し、爆破、炎上して海へと沈んだ。

「俺は死を選んだ。しかし同時に俺は本当の栄光を掴んだのだ!!」
 雨が降り注ぐ中リョウは涙する。キャプテン・ラドラ、何故お前は恐竜として生まれたのかと……。


キャプテン・ラドラの改心劇
 
ゲッターロボがマジンガーZに差別化する事が出来た理由の一つに"反戦"をテーマに掲げた事は結構有名です。漫画ではバイオレンスな雰囲気が、アニメでは大人しめに雰囲気が変えられている所が、自然と反戦の空気を与える事に貢献したような気がします。その反戦の匂いが敵側にもさまざまな人物がいる事に繋がり、このキャプテン・ラドラがそういった敵側の人物の第一号と言えます。戦う力を失った相手を攻めない考えがラドラを改心させ、ゲッターロボの力となり、ゴールの手により自爆に消える姿に恐竜として生まれた事を叫ぶリョウの姿が今回の肝でしょう。
※厳密にいえば敵側の良心はマジンガーZが先ですが、敵側の両親を始めとする個性的なゲストキャラの頻度はゲッターロボの方に軍配が上がります。


今回の突っ込み

今回は特にありません。


次回予告(ナレーション:キートン山田)

世界征服をたくらむ帝王ゴールはメカザウルス・バズを使って制空権を握ろうとした。この魔の手が日本上空に及んだ時、我らがゲッター3似秘密兵器が完成しつつあった。ムサシが自信を持った秘密兵器とは何か!?
次回ゲッターロボ「急降下!ゲッター3」にテレビ・スイッチオン!
(※テロップは急降下!ゲッター3は行くと表記)

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