ゲッターロボ 全話解説
第12話 吠える不死身のウル

脚本:上原正三 演出:葛西治 作画監督:野田卓雄


真夜中に飛行船から姿を現し、発電所を次々と破壊するメカザウルス・ウル。ゲッターチームが出撃、ゲッター1が迎撃するがウルの敏速な動きと装甲にゲッター各形態が敵わない。一時撤退して作戦を練り直す中、早乙女博士はウルの弱点に気付く。それは口。内臓に繋がる口から先の部分にボール爆弾を蹴り飛ばせば、ウルの自慢の牙をへし折り爆弾を内部に送り込む事が出来るからだ。そのキックの役を誰が果たすかで3人は揉めて、サッカー対決でキック力を測る事になり、その結果ハヤトが適役に選ばれるかと思いきや、早乙女博士はリョウ役を選ぶ。何故自分が選ばれたのか。本人もハヤトが適任と持っていただけに不安が所々見え隠れする様子だ。
 そして作戦本番。ボール爆弾を前にリョウは自分のキック力はパワー不足を起こすと考えてハヤトに役を譲る。そしてボールを蹴り飛ばした所、そのボールの軌道はカーブを描きウルからそれてしまい、そのうえゲッター2は中破、ハヤトは負傷してしまう。早乙女博士がリョウを選んだ理由は威力ではなく蹴られたボールの軌道であった。作戦が失敗した今、ウルに作戦を悟られてしまい口を開ける事は困難になった。ウルの被害で東京は停電となり状況は一刻も追い詰められていく。早乙女博士は最後の切り札でオートジャッキを開発。これで意地でもウルの口を開かせてボール爆弾を放り込む作戦に出た。
 原子力発電所を破壊しようとするウルにオートジャッキを放つが、リモコン装置が故障してしまいオートジャッキが起動しない。方法は手でこじ開けることしかない。リョウは単身でウルの目の前に現れてオートジャッキの電源を入れて口をこじ開けさせる。この状況でボールを蹴る役はゲッター2。ハヤトのスライスボールの軌道を考慮してリョウがウルの顔の角度を調整し蹴り込まれたボール爆弾はウルを木っ端微塵に砕いた。


ドリル対ドリル。ゲッター2の激戦……かと思いきや。
 まず突っ込みどころをさておき、強敵ウルを相手に作戦がなかなか思う通りいかず苦戦するゲッターチーム、そしてリョウの命がけの行動が印象に残り、バトルとしては結構頑張っています。
 サッカー勝負の中で早乙女博士がボールの軌道を評価に入れていたのに対し、リョウは威力の面からサッカー勝負の結果を考えていた事でハヤトに役目を譲ってしまい、その結果作戦が失敗してしまう描写は、博士の先を見通す思考力が駆けだしのリョウはまだ気づいていない一面を感じさせます。その責任をオートジャッキの故障と共に体を張ってウルの口をこじ開け、ゲッター2のスライスボールの軌道を考えて体を張ってウルの首を向けさせたり、またハヤトも先ほどの戦いでの負傷が残っていたりと……本当に細かい。突っ込みどころを抜くと結構頑張っているエピソードで好印象。


今回の突っ込み

肝心の突っ込みどころですが、ウルがメカザウルスのはずなのに狼の姿だったり、ボールを蹴る役に志願したムサシでもゲッター3には足がない、何故ボール爆弾をキックしてまで放らなければならないのかとありますが……ゲッターはトレースシステムを採用していないのに、なぜパイロットたちのキック力テストでキック役を決めようとするのでしょうア。しかもトレースシステムではないのに何故ハヤトのボールの癖までもゲッター2は忠実に再現してしまったのか……いや、これ結構熱いエピソードなんですけどね。


次回予告(ナレーション:キートン山田)

迅速にして凶暴。巨大にして不死身の怪獣メカザウルス・ウル。その使命は日本全国の発電所をことごとく破壊して電力をストップし、その混乱に乗じて日本を征服しようとする帝王ゴールの新たな挑戦状であった。
次回ゲッターロボ「吠える不死身のウル」にテレビ・スイッチオン!

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