ゲッターロボ 全話解説
第22話 悲劇のゲッターQ

脚本:上原正三 演出:小湊洋市 作画監督:中村一夫


 恐竜帝国に存在する謎のゲッターロボ。ある女性が強奪しようとした所恐竜兵士に捕らわれてしまい処刑の危機が迫るが、女性の正体は帝王ゴールの娘ゴーラ。父に対し美少女の姿をした彼女は人と同じ優しい心を持ち、人類を滅ぼす事に難色を示していたが、彼女は三日後の皆既日食にて成人の証として人間から恐竜の姿に代わり、彼女のために開発されたゲッターQでゲッターロボと戦う宿命なのだ。帝王ゴールは人間の姿の頃にお世話になった早乙女家へ別れを告げたいとの彼女の頼みを許す。最後の三日間。何故人類と恐竜は争わなければならないのかとの葛藤を背負いながらゴーラは浅間学園に接近した。
 ミチルにとってゴーラはミユキお姉さまと呼んで慕う存在だった。リョウ達は彼女の姉の存在を知らなかったが、13年前、雪の日に一人佇む身元の分からない少女をミユキと名付け、養女として早乙女家の長女として育っていたが、5年前に神隠しに遭って行方不明になっていたのだ。
 早乙女研究所ではゲッター線収集装置の改良がおこなわれていたが、それから間もなくしてミユキは行方不明になった。それはミユキはゲッターロボを倒す事は出来ないと帝王ゴールに哀願していたからだ。ゴールはゲッター計画を妨害する為泣く泣く幼いゴーラをミユキとして地上へ送り、ゲッターQの設計図は彼女の手により恐竜帝国の手に渡り、開発された。しかし長い間の人間界での生活はゴーラに人の優しさと情けを身につけてしまったのだ。彼女がゲッターを倒す事が出来ないと考えたゴールはメカザウルス・ギンに早乙女研究所を襲撃させる。
 ギンに立ち向かうゲッター1だが苦戦を強いられ、止めを刺されようとしていた。その時ミユキは自らゲッターQでゲッターを倒すとゴーラに頼んだ所、ゴーラは銀を撤退させてゲッター1はかろうじて難を逃れる。それがミユキが地球人のためにできる最後の手段であった。
 そして皆既日食の日。ミユキはゴーラの姿でミユキを殺した事を早乙女研究所に告げる。ミユキの敵討に怒るゲッター1の猛攻を喰らい続けるゲッターQだがミユキは死ぬ覚悟でいた。せめて彼の手で葬られる事が自分の本望と考えていたのだ。だが止めを刺そうとした所ギンが襲いかかり、ゲッター1を守るためゲッターQが盾となり、満身創痍のゴーラは帝王ゴールと早乙女博士へ自分の裏切り行為を詫びながらギンを道連れに自爆して果てた。人間と恐竜が争うのはやめて、同じ生き物同士が殺し合うのはやめて……彼女の思いに早乙女博士も、帝王ゴールも、そしてゲッターチームも嘆くのだった……。


ミユキ、恐竜の世界に生まれ、人間の世界に育ったゆえに……

 ゲストキャラ3部作2発目。前回と次回がゲストキャラ3部作に当てはまりますが、多分名無しが最も好きな回はこの回だと思います。敵側と味方側の架け橋となる彼女でしたが、人間から恐竜へ生まれ変わる宿命を避ける事が出来ず、ゴーラとしてゲッターチームにミユキは死んだと告げるシーンは自分の分身を殺してしまった寂しさそのもの。ゲッターチームや早乙女博士らの嘆く姿も印象的ですが、帝王ゴールが娘の死に号泣する点も恐竜とはいえ人間と同じ感情を持っている事を説明する事に成功したシーン。3クール目からの帝王ゴールの立場の変化を考えると、ミユキが健在ならばゲッターチームと恐竜帝国が分かち合える日も来たかもしれません……


今回の突っ込み

早乙女博士が過去を回想するシーンやミユキの叫びの中に何故か達人の事がなかった事にされています。長兄……


次回予告(ナレーション:キートン山田)

 恐竜帝国も遂に合体メカザウルスを作り出して攻撃をかけてきた。その巻き起こす風と炎を前にゲッターロボの合体はことごとく失敗してしまった。そんな時研究所に現れた不思議な男・大枯文次とはいったい何者か?
次回ゲッターロボ「浅間山の大発明狂」にテレビ・スイッチオン!

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