ゲッターロボ 全話解説
第34話 女竜戦士ユンケの涙

脚本:上原正三 演出・作画監督:落合正宗


 早乙女研究所は何かを企んでいる。その何かを探る為に大魔人ユラーは隠し玉であった女竜戦士ユンケを送り込む。彼女が操るメカザウルス・ウビが早乙女研究所を襲うが、帝王ゴールにとってはユラーの部下であるユンケは自分と同格のライバル。よって彼女にゲッターを倒させる訳にはいかなかった。
 一方ウビ出現の報せを聞いて現場へ急ぐ途中、リョウは瓦礫の下敷きになっている少女を見つけ彼女を病院へ送る。リョウにとっては彼女に妹・ジュンの面影を重ねた。リョウが中学時代の頃、ジュンは交通事故に遭い目の前で息を引き取る哀しい過去がリョウにはあったのだ。その彼女の名前が同じジュンであると知り、リョウは彼女の両親が海外から戻る彼女の相手を務めた。しかし彼女はユンケが変装した姿。隙をつかれ、催眠術にかかったリョウは早乙女研究所がメカザウルス迎撃用のゲッターナバロン砲を開発している事を漏らし、ゲッター1で戦えと暗示をかけられてしまう。
 再びウビが現れた。リョウは暗示にかけられてゲッター1で戦う中、突如開発中のナバロン砲が浮上。トマホークブーメランを投げた際にウビが回避したことでナバロン砲の砲身が真っ二つに切断されてしまった。独断で行動しナバロン砲を破壊した事からリョウはムサシへ殴り倒されてしまう。またリョウにもなぜそのような行為に走ったのか覚えがない事からチームワークにひびが入ってしまう。
 再びジュンの元にやってきて催眠術をかけられたリョウだが、後を付けていたハヤト達により催眠術は解かれた。正体を暴いたユンケを前に妹を利用した事に怒りを燃やすリョウ。だがユンケとウビの三位一体のコンビネーションはゲッター3形態を苦しめるほど強力なもの。マグマにハマってしまいゲッターは動こうにも動けない状況で、止むを得ずゲッターを捨てて脱出せざるを得なかった。だが最後まで残ったリョウを乗せたゲッターロボが遂にマグマへ沈んでしまった。しかし、ユンケはジュンとして偽った自分に優しく接したリョウへ非情になり切れなかった。マグマからゲッター1を助けた時、ゴールが送り込んだメカザウルス・アローの攻撃からユンケは身を呈してゲッター1を守りアローを相討ちに持ち込んだ。力尽きてマグマに姿を消したユンケをリョウはジュンと叫んだ。例え戦う為に育てられた彼女にも人と同じ情けの心があったはずだから……。


例え女竜戦士でもリョウは彼女を妹だと信じた……

 リョウ自身のエピソードとすれば第19話以来でしょうか。あと女性の敵ゲストはゲッターの世界において決して残忍なだけの敵キャラにはならないようです。ポイントとすればユンケは女竜戦士の肩書であり、キャプテン、いわばゴールの部下ではなく同格のポジション。そんな彼女にゲッターを片付けられたら自分の立場がないと焦るゴールの姿はいかにも上原正三さんらしい描写ですが、彼が手を下すことなくユラーの手で粛清された事はゴールの株を下げずに済んだ点かもしれません。


今回の突っ込み

今回は特にありません。


次回予告(ナレーション:キートン山田)

早乙女博士は新兵器ナバロン砲を完成させ、研究所の守りを一層強固なものとした。一方ゴールもまた関東地方を沈没させる作戦を実行しつつあった。その頃ムサシに会おうと母のタケは東京に向っていたが……!?
次回ゲッターロボ「ムサシ!男はつらい」にテレビ・スイッチオン!


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