ゲッターロボG 全話解説
第16話 死闘!嵐吹く男の道

脚本:上原正三 演出:生瀬昭憲 作画監督:野田卓雄


 メカ鉄甲鬼が出現し、ゲッタードラゴンが立ち向かうが、リョウは思わぬ事に気付いた。なんとメカ鉄甲鬼のパイロットはリョウと顔を合わせた事があり、再戦を約束した相手だったのだ。
 それは以前の練習試合で、リョウは相手高校のキャプテンを骨折させてしまい、その事で応援団の怒りを買いリンチを受けてしまう。そんな彼を助けた者がメカ鉄甲鬼のパイロット・鉄甲鬼。彼は自分自身のためにリョウを助けたと言うが初対面のリョウはよく意味が分からなかった。近いうちに戦うと言い、正々堂々戦う事を身上とする彼はリョウにけがされては困ると言い残して去って行った。
 ようやくリョウが鉄甲鬼の事を思い出した。リョウは彼に借りがある事もあり正々堂々戦う彼の願いを叶える。しかしメカ鉄甲鬼は強敵だった。ゲッタードラゴン、ゲッターライガー、ゲッターポセイドンに五分五分のパワートスピードを誇る相手に苦戦を強いられる。そんな両者の激突を観戦する者が一人――ヒドラー元帥だ。彼にとって鉄甲鬼の信条は甘っちょろいヒューマニズム。鉄甲鬼を援護して合体途中のポセイドン号を攻撃するが、それが正々堂々を望む鉄甲鬼の怒りを買う事は言うまでもなかった――事前にヒドラー元帥からのごり押しを1対1の戦いに手を出さないとの条件を約束した事もあり尚更である。
 リョウ達から所詮鬼は鬼だと言われ鉄甲鬼の誇りは傷ついた。そして各ゲットマシンを狙うヒドラーへその怒りを向け、ポセイドン号をヒドラーが操る大砲が狙おうとした時、メカ鉄甲鬼が我が身を呈してポセイドン号を守りぬき、ミサイルを放ち鉄甲鬼の砲台を粉砕した。
「俺は、俺の作ったこのメカ鉄甲鬼で貴様らを倒す。だから誰にも倒されたくないだけだ……さぁ、邪魔者はいなくなった。流竜馬、勝負しよう!今度こそ正々堂々な……!!」
 鉄甲鬼は機体が中破した状態でも戦う事を選んだ。もしここで引き下がれば百鬼帝国に裁かれてしまう事もあるが、自分の機体が敗れるとは思わなかったからだ。リョウ達は今は大人しく帰った方がいいと薦められるも、自分が帰る道はゲッタードラゴンを倒す事しかなかったのだ。リョウは止むを得ずスピンカッターでメカ鉄甲鬼を粉砕。
「鉄甲鬼よ、今度生まれ変わってくるときには人間として生まれ変わってくるんだぜ。そして今度はサッカーで正々堂々戦おうじゃないか……」
 自分を捨ててまで自分の意志を貫いた男・鉄甲鬼。リョウは彼の冥福を祈り、何時か再戦する時が来る事を信じるのだった……。


打倒ゲッターは正々堂々。科学者としても一流だった鬼は武人でもあった。

 百人衆の名ゲストキャラが登場する3部作その3.3人の鬼の中では最も有名なキャラクターのはずです。鉄甲鬼は外見は十分若者ながら、中の人がグラー博士、文次などの矢田耕司さんなのはビックリ。ゲッターに限らずこの人は中年から老人役などが多い為、若者を演じる事と言えば、(特撮ですが)アクマイザー3のイビルぐらいですし。特にグラー博士と鉄甲鬼の対話シーンがちゃんとあり、それも矢田さんが二人とも演じていると考えると凄いものだと思わせます。
 正々堂々を信条とする古き良きテンプレートの敵鉄甲鬼のドラマはやはり上原さんの脚本ゆえにヒドラーの嫌らしい活躍も目立ち、野田さんの作画により喧嘩シーンも含めアクションシーンが見事に冴え、ボロボロになった鉄甲鬼の姿、止むを得ず倒すゲッタードラゴンの姿が切ないです。


今回の突っ込み

フィンガーネット、ストロングミサイル、ゲッターサイクロン、そしてキャタピラ。鉄甲鬼にとってはキャタピラも武器としてカウントされるようです。


次回予告(ナレーション:キートン山田)

元気が拾ってきた子犬の頃は百鬼帝国のスパイだった!コロの手引きにより侵入した犬の一隊はゲッター線増幅装置の出力回路を奪い取ったのだ。出撃出来ないゲッターロボの運命はいかに!?
次回ゲッターロボG「コロよ明日に吠えろ!」にテレビ・スイッチ・オン!

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