絢爛舞踏祭〜ザ・マーズ・デイブレイク〜 全話解説
第14話 大脱獄!愛と情熱の果てに

脚本:野村祐一 絵コンテ:笹木信作 演出:宮地昌幸 作画監督:千羽由利子 メカ作画監督:中田栄治


 ベスが営倉に捕えられたままの潜水艇が夜明けの船により攻撃を受けた。夜明けの船の魚雷攻撃で潜水艇が浸水し、ベスの営倉にも浸水が発生した事に気付き、門番が慌てて戸をあけて彼女を救おうとするが、浸水はあくまで脱獄の為のベスがトイレで仕組んだ罠であり、彼女は門番になりすましてH級フレーム付きのシーフォースで脱走しようとする。後少しの所でドリトルに見つかってしまうも、彼はベスのまっすぐな信念を許容の心で認め、芝居で追手の動きを食い止めるのだった。
 ベスが操るシーフォースが引き金となり、夜明けの船へ地球軍の攻撃が迫る。魚雷を次々と切り抜けるラウンドバックラー編隊だが、希望号の前にシーフォースが立ちはだかる。彼を捕まえて正しい道に導かなければ自分の立場がないとベスは何時も以上に燃えるがH型フレームはグラムの機転を活かしたテクニックで同士討ちとなり、ベスはそれでもグラムの後を追うつもりだった。
 グラムが引き返した理由はマーメイドが現れ、士翼号と夜明けの船が苦戦に陥っていたからである。導きの箱を手に入れようと執念を燃やすキュベルネス。マーメイドは希望号を触手で絡め、導きの箱の先にある宝の在処を知ろうではないかと誘いをかける。これを断るグラムだが、マーメイドの職種は希望号を容赦なく締めつける。
 その時、シーフォースが両りゃの間に割り込んでいた。ベスはグラムを自分の手で捕まえる為に戦っており、それは敵の身でありながら幼馴染のグラムを彼女なりに愛していた証だった。マーメイドの触手がシーフォースを海底へ叩きつけて沈黙させた時、グラムは怒りの咆哮と共に希望号の死子を犠牲にして触手から脱出。ベスの救出に向かおうとするが士翼号に回収されてしまい、夜明けの船はキュベルネスから逃れるだけで精いっぱいだった。


グラムを追うのは愛ゆえに。ベス、決死の脱走!

 グラムとベスにおける中盤のイベント回。グラムを追う理由は彼のせいでスパイ疑惑がかかってしまった事よりも、彼を想うからこそ彼を更生させたいとのベスなりの愛情表現だという事は言うまでもありません。シーフォースの動作不良に対して怒りと焦りを一人漏らす彼女の姿には愛が宿っています。また今まで激怒する事がないグラムが初めてキュベルネスへ怒りを向けた点も彼へ転機を与えるドラマを予感させるものかと。それ以外の点では今のところほとんど昼行燈の人物という印象が強かったドリトルのキレ者っぷり。のんびりとした態度は相変わらずながらベスの信念を貫く精神を認めて脱出を許容するドリトルさん、良い方です。
 また今回の作画を担当された千羽由利子さんと中田栄治さんは「コードギアス反逆のルルーシュ」のメインアニメーターや「セイグリットセブン」のキャラデザ等で知られる方。今回の作画は直前に「プラネテス」に関わっていた事もあり何時もより大人っぽい雰囲気が漂っています。


今回の突っ込み

今回は特にありません


次回予告

キュベルネスの船に拾われたベス。だが海賊の言葉に耳を貸す気のない彼女は、キュベルネスの船を乗っ取りにかかる!
次回、「眼下の敵!深く静かに潜航せよ」火星の窮地は無謀で望め!

BACKBACKNEXT

inserted by FC2 system